2001年サンヨーオールスターゲーム
ファン投票開始記念懺悔テキスト

想い出のヒーローたち

いつも、夢はダイヤモンドのなかにあった。
力と技と精神力を競い合う若者たちにときめいた。
(東山にしこ)

資料:'94サンヨーオールスターゲーム・ファン投票用紙のコピー


1994年。
雑誌編集者だった筆者は、つきあいのある翻訳家Oさんから大量の「プロ野球オールスターファン投票用紙」をもらった。そして「愛甲猛(当時ロッテ)に投票してほしい」と頼まれた。Oさんは夫婦揃って彼の大ファンなのだ。

筆者は、別の翻訳家のM女史にも投票してもらおうと思い、自分の投票用紙のコピーをとり、コメントつきで添えてMさんに依頼した。そのまたコピーが今回発掘されたので、披歴するしだいである。

今でこそ偉そうに中日系Webサイトを運営する筆者だが、当時はプロ野球が「まんざら嫌いでもない」、好きなチームが「あえていえば中日」という程度だった。
そして、野球のことは「9人でやる」「セリーグとパリーグがある」以上のことは、ほとんど何も知らなかった。

そんな筆者が投票した選手とは。そしてそのコメントとは。

セントラル・リーグ

■投手−今中はピッチャーに向いている!?

ノミネート投手

YS 伊藤・川崎・高津・山田
D  今中・山本(昌)・小島・落合
G  斎藤・槙原・桑田・石毛
T  湯舟・薮・郭李・田村
YB 野村・斎藤(隆)・有働・盛田
C  佐々岡・北別府・大野・川口

東山が投票した投手=D今中

今中のことは昔からけっこう好きだったのだが、はっきり認識したのはこの年の巨人との10月決戦まぢかの頃である。この頃はまだどんな選手か、よくわかっていない。
その証拠に、コピーにはこんなコメントが添えてある。
「セ・リーグ最大の強打者。オールスターゲームは打ち合いに限る」

投手なのになぜ「強打者」とか「打ち合い」とか? 確かに今中は1996年にホームランを打ち、かつ勝利打者になった試合があったが。
実は当時の筆者はポジションというものをよくわかっていなかったのである。

偽南渕の家に行くと、よく、体のやわらかそうなやせた大男が投げているのがテレビに映っていた。
「今中? この人、いつもピッチャーやってるね。向いてるんだね」と思った。

ポジションはすべて、そのときそのときで適当に配置するのだと思い込んでいたのだ。

そんな状態で「オールスターゲームは打ち合いに限る」という認識がなぜできたか。実はこれは自分ではなく偽南渕の発言の引用である。偽南渕はだれのことをそう言ったのか思い出せないそうだ。

 

■捕手−なんか正にオールスターなメンツ

ノミネート捕手

YS古田 D 中村 G 村田(真)T 関川 YB谷繁 C 西山

東山が投票した捕手=YS古田

知っとけよ、中村を!!!>自分。
阪神、関川とは懐かしい。

 

■一塁手−うち3人が巨人に…

ノミネート一塁手

YS広沢(克) D大豊 G落合 Tオマリー YB駒田 C小早川(毅)

東山が投票した一塁手=なし

知れよ! このなかでひとりぐらい!!!
巨人に行った落合に入れてないのはよろしい。
あと広沢はいしいひさいちのまんがで、オマリーは当時はやった「阪神のPKO問題=パチョレック、郭李、オマリーのだれを枠に入れるか」という駄洒落で知っていたが、さすがにそんな理由で投票するのは気がひけたようだ。

 

■二塁手−女のくせに立浪に投票しないとは

ノミネート二塁手

YS桜井 D立浪 C篠塚 T和田 YBローズ C正田

東山が投票した二塁手=なし

知れよ! このなかでひとりぐらい!!!
てか、わかんなかったら中日に入れとけよ。あームカつく。
や、知ってましたよ、立浪は。当時の認識=「すごく早く結婚した人。奥さんかなり年上。でも今も女性ファン多い」←野球知らん女ってこういうネタくわしい。

 

■三塁手−まぎらわしいのは仁村だろう

ノミネート三塁手

YSハウエル D仁村 G岡崎 T八木 YB石井 C江藤

東山が投票した三塁手=YSハウエル

「パウエルとまぎらわしいのでどっちかが何とかしろ」というコメントあり。ハムに田中幸雄がふたりいたことも知らなかったくせに。
中日に仁村がふたりいるのは知っていた。ちなみにこの仁村は弟のとおるちゃんのほうですね。

 

■遊撃手−くじー!

ノミネート遊撃手

YS池山 D種田 G川相 T久慈 YB進藤 C野村

東山が投票した遊撃手=YS池山

またヤクルツか。池山はオフに面白いとこ見せてくれたからであろう。
ショートはさすがに、スター選手だらけだ。ただしこの当時私が知ってたのは池山だけだが。

■外野手−面食いなのか東山!?

ノミネート外野手

YS 飯田・荒井・クラーク
D  ジェームズ・パウエル・彦野
G  松井・グラッデン・コトー
T  亀山・新庄・石嶺
YB ブラッグス・畠山・宮里
C  前田(智)・緒方・ブラウン

東山が投票した外野手=
Dパウエル、T新庄、C前田(智)

外野は地味だが、見せ場が回ってくるときは大きくゲームが動く。当時の筆者は野球なんて、テレビでたまにハイライトシーンを見るだけだった。結果として外野手に惹かれがちである。パウエルはけっこう本気で好きだった。
前田については「おもしろい」と書き残している。中山ラマダのまんがでさんざんネタにされてたのでテレビに広島戦が映るときは注目していた。
あと新庄に入れてるのは意外だ! しかも「顔がいい」というコメントつきだ!!!
このなかで、顔で入れるなら緒方と彦野だろう! と、タイムマシンに載って説きふせにゆきたい。そんなにエラ顔がいいなら福留(当時PL学園)にでも惚れるんだな!>自分@1994。

だがちょうどこれを書いているときに筆者はフジテレビの『ジャンクスポーツ』で昔の新庄の映像を見てしまった。
エラが今ほど目立たない…。たしかにちょっとかわいい…。悪かったよ自分@1994。でもやっぱり緒方のほうがいいぞ。

ジェームズってだれ?

 

パシフィック・リーグ

■投手−さすがに野茂は知ってたか(安堵)

ノミネート投手

L  新谷・郭・鹿取・渡辺(久)
F  武田・西崎・金石・白井(康)
BW 佐藤・長谷川・野田・星野
Bu 野茂・山崎・赤堀・高村
M  小宮山・前田・伊良部・薗川
FDH 吉田・若田部・加藤・渡辺(智)

東山が投票した投手=Bu野茂

このころのハム、投手王国でやんの。
野茂に入れているのは同僚が入れろ入れろと騒いだため。気持ちいいほどアンチ巨人な女性で、のち、阪神ファンと結婚なさいました。

 

■捕手−香川とかいたよなー

ノミネート捕手

L伊藤 F田村 BW高田 Bu古久保 M定詰 FDH吉永

東山が投票した捕手=なし

このころのパの捕手は確かに地味だ。

 

■一塁手−あのときはごめんなさいMさん(私信)

ノミネート一塁手

L清原 Fシュー BWキャブレラ
Bu石井 M愛甲 FDHトラックスラー

東山が投票した投手=M愛甲

組織票です。

さて、私が組織票投票をお願いした翻訳家のMさんは、清原とライオンズの大ファンだった。愛甲も清原も一塁手だから、両方に投票はできない。
そんなときは、守備位置を替えて投票することができる。この年だと、「二塁手、種田 遊撃手、立浪」なんて票がたくさん来てただろう、きっと。
そこで東山1994は、その翻訳家さんの分のハガキに、こう書いてあげた。

選手名=清原
守備位置番号=
球団頭文字=L
背番号=(記入なし)

ダメじゃん。守備位置「1」は恐らく「一塁手」のつもりだろうが、「1」は「投手」である。しかも清原の背番号ぐらい知っとけ!>自分@1994。
あ。まさかこのころまだ、背番号3は全球団を通しての永久欠番だと思ってた(実話)のか? それで「キヨの背番号…3だったかな。ううん、きっとあたしの勘違いね。テヘ☆」とかほざいてたんじゃないだろうなこのアマ(私)。

 

■二塁、三塁、遊撃手−南渕は1990年ロッテドラ4(笑)

ノミネート内野手

二塁手
L辻 F白井(一) BW福良 Bu大石 M堀 FDH藤本

三塁手
L石毛 F片岡 BW岡田 Bu金村 M初芝 FDH松永

遊撃手
L田辺 F広瀬 BW小川 Bu水口 M南渕 FDH浜名

東山が投票した二塁、三塁、遊撃手=なし

知れよ…。このなかでひとりぐらい…。南渕(本物)とか(笑)。

 

■外野手−それとも嫌いだったのか?>イチロー

ノミネート外野手

L  佐々木・パグリアルーロ・ブリューク
F  田中・ウィンタース・高木
BW 藤井・平塚・イチロー
Bu 鈴木・内匠・ブライアント
M  平野・西村・ホール
FDH 秋山・ライマー・山本

東山が投票した外野手=Buブライアント

イチローに入れていないのは不可解である。1994年はイチローがブレイクした年なのに。
まさか、私、知らなかったとか…。

ブライアントについては「かつての対巨人戦の想い出に(はあと)」と書いてある。日本シリーズのことを言っているのだろう。
うーん。悔しかったねえあの近鉄対巨人は。ダイエー対中日より悔しかった。


さて。すでにお気づきのことと思うが、筆者がこのとき一番たくさん投票したのはヤクルトの選手である。ちょっと好きだった、ヤクルト。強いのに楽しそうで。危なかったです。

この秋の10.8、巨人との決戦と、世界中のアンチ巨人の夢をしょって投げた今中さんが私の迷いを断ち切った。
それで筆者が次の1995年からは中日の選手に投票するようになったかというと、オールスターのファン投票は専用のハガキでないとできないと思い込んでいたので、「Oさんまた愛甲のこと言ってこないかなー」とぼーっと待っているうちに異動になり、Oさんとの仕事からもはずれてしまったのだった。

2001/5/29