2001年２月

鈴木郁洋応援月間

■応援企画：ＩＭＥ占い

今月もＩＭＥの手書き検索機能で鈴木郁洋選手の運勢を占ってみました。

「冬日」「細い」「溺れる」「縮む」「糸」と、生命感に乏しく弱々しいイメージの文字が連なっているが、これは単に外見のことだろう。
絞る、メンバーを統べる（すべる）といった文字も出ており、右上には「経路に至る」という文まで現れている。これはいよいよ正捕手への道が見えてきたということではないだろうか。
その下まで見ると「経路に至り、総てを縮める」となってしまうが、それは考え過ぎというものだ。

「紅組」という文字もあるので、年末には和田アキ子のあとをつぎキャプテンとしてＮＨＫの大舞台に立つかもしれない。
と、１９８人中ひとりぐらいは思うかもしれないが、これは以前もＩＭＥ占いをしたときにも割り込んできた、日本ハムの和田アキ子ファン、岩本ツトムのいたずらなので、気にしないでください。

■鈴木捕手と私

鈴木捕手の存在に気付いたのは1999年、読み始めたばかりの『月刊ドラゴンズ』誌上である。
３ページにわたる選手個別のカラーグラビアが、その月は鈴木だった。

「これはまた二枚目だねぇ。でもドラの捕手っていえば中村さんでしょ。この人は知らないなぁ」と思っていたら、投書欄に女の子が写真や似顔絵を出してる出してる。
ほんとにいつの世も女の子は目ざとい。

優勝の年の暮れ、選手会ゴルフを録画した番組で、鈴木はタレントに「かっこいいですねぇ」「みんなに言われるでしょ」といじられ、「そんなことないです」を連発しながら顔をそむけて困っていた。
そりゃそうでしょう。顔のいいやつに直に顔がいいって言うなよ。どう答えればいいんだよ。

これはどうなるのか鈴木。捕手はそうそう新旧交代しないのだが、なまじルックスというネタがあるだけに、早く活躍しないと「顔だけの人」にされてしまわないか。

■オリンピックと鈴木

と思っていたらオリンピック代表選手になってしまった。
したがって、２月のカレンダーに載ったのもこれを受けてのことで、写真はオリンピックのときの映像である。

まあ、オリンピック日本代表の正捕手ですから。これぐらいのことはしてもらわないとね。五輪プロ派遣反対派の私も、やはり中日の選手が奮闘したのは嬉しかった。

最後の韓国戦は会社の近くのインド料理屋で見てしまった。
いつもはインドのミュージカル映画を流している店だ。なのでまさかと思ったが、その日に限りＮＨＫの中継を流していた。
同行したのは野球にとくに興味のない同僚たちだったのだが、さすがにかんべんしてもらい、会話に加わらず最後まで見届けた。というか、最期の方を中継していたのだが。

試合終了、銅メダルは韓国代表のものになり、店の客がいっせいに席を立つ。画面にはいつも泣き顔のようなフミがほんとうに泣いている。店の若い女性客たちがもらい泣きしていた。

うそ。

■世間と鈴木

「東山さん、プロ野球だけじゃなくて、ホントに野球が好きなんだねぇ」と同僚が言う。ん？　何か変だぞ。
「いや、中日の鈴木が出てるからだヨ？」
と言ってみたら同僚、明らかに「しまった！」という顔。

おーい。知られてないよう。正捕手で、日本の勝ち試合の勝利打点はすべてフミなのに。

席に戻ったら、別の同僚から、「オリンピックにプロ派遣するの反対だったよね。中日から選手出さなくてすんでよかったね」という趣旨のメールが来ていた。

うーん。

でもね。
帰国後戦犯扱いされること、よくても、フミがしたことではなくできなかったことが同情的に語られるだけであろうこと、などなどを、すべて前もって覚悟していたらしい、フミの発言の数々がかっこよかった。

「フミ」とよぶとマヌケ感が出て、かっこよすぎる外見とバランスがとれてよろしい。久慈がテルにするなら、鈴木は平もいることだし、こちらは登録名フミにしてはどうか。

嘘。

鈴木はわれらの未来である。走・攻・守・顔の４拍子揃った選手として、「球界で鈴木なら中日の鈴木」となる日の早からんことを。