12球団
花水選手対決
2002

資料：週刊ベースボール　2002年3月11日号（12球団WEEKLYトピックス　ロッカールーム「花粉症」掲載号）　2001年3月26日号（同、ロッカールーム「花粉症」掲載号）　2001年12月7日号（記録集計号）ほか

３月

花水選手対決とは。
各球団から１名ずつ選出された、花粉症（スギやヒノキなど春に飛散する花粉をアレルギー源とするアレルギー性鼻炎）の患者を、シーズンを通して観察し、彼らを通してその年の球界を総括する、勝負師たちのカルナバルである。

代表選手＝週刊ベースボール2002年3月11日号の連載記事「12球団WEEKLYトピックス」内コラム、「ロッカールーム」の「花粉症」に登場した選手やコーチ。
　

重症度１位
千葉ロッテマリーンズ代表　佐藤兼伊知コーチ
前年度代表選手　酒井忠晴内野手
前年度成績　重症度同率３位、オープン戦10位、最終順位リーグ５位
症　　状　目が腫れる、目やに、鼻づまり
キャリア　20年
対　　策　毎日のように注射、入浴で汗を出す
効　　果　完全には止まらないので我慢
本人の弁　「つらい季節です」
筆者より　佐藤コーチは、去年代表だった酒井の育ての親なのだが、酒井の推薦によるエントリーなのだろうか？
20年前ということは、発症は1982年だ。この頃は花粉症はほとんど知られていなかった。
注射による体質改善治療はよくきくが、「毎日のように注射」というのは何を投与しているのだろう。キャリアの長い患者は知識が古いままのことがあるので要注意だ。

重症度２位
中日ドラゴンズ代表　久慈照嘉内野手
前年度代表選手　立浪和義
前年度成績　重症度９位、オープン戦８位、最終順位リーグ５位
症　　状　オープン戦で一気に出る、今年ならまず熊本で出る
キャリア　「都会に出てから」10年以上のつきあい
対　　策　注射、投薬
効　　果　決定打にはならない
本人の弁　 「画期的な薬があれば、いくら出しても構いません」
筆者より　久慈は「出る」「出る」と霊媒師落合のようなことを言っているだけで、「花水」「くしゃみ」などの症状が不明である。
だが、ファンの方が「D型掲示板」で報告してくださった、この時期の久慈の写真はみんな口をあけている、という証言により、２位に浮上した。
ほかに中日では、井上一樹もラジオの「ドラゴンズワールド」で花粉症であることを明言していたらしい（『Dragons Flash！』より）。
その発言をWeb上で見る限り、井上は花粉ならチューリップでもバラでも花粉症の原因になると思っている気配があるが、そういう人、けっこういますね。「お花見行かない？　あ、花粉症だからだめか」とか。
また、決定打が出ず、解決するためならいくらでも出したいのは、昨今の中日も同じである。

重症度３位
ヤクルトスワローズ代表　三木肇内野手
前年度代表選手　伊藤智仁
前年度成績　重症度同率１位、オープン戦５位、最終順位リーグ１位、日本一
症　　状　頭がボーッ、目の周りがグシュグシュ、花水が止まらない、集中力がなくなる
キャリア　３、４年前から
対　　策　毎日うがい、目の洗浄、春になる前に一度注射
効　　果　（不明）
本人の弁　「あの苦しみはなった人にしか分かりません」
筆者より　コラムは「花粉症はプレーの言い訳にはならない」からしっかりやる、と締められている。そんな言わずもがなのことで誌面を埋めず、「効果」についてもふれてほしかった。

重症度４位
大阪近鉄バファローズ代表　吉川勝成投手
前年度代表選手　ローズ外野手
前年度成績　重症度同率３位、オープン戦12位、最終順位リーグ１位
症　　状　目がかゆい、鼻水が出る、２月の末に日向キャンプで「クシャン」
キャリア　４、５年前、龍谷大学時代、西京極球場で登板中に発症
対　　策　（不明）
効　　果　（不明）
本人の弁　「花粉症なんかに負けていられませんよね」
筆者より　コラムは「僕も今年で３年目、開幕から一軍で活躍できるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」と結ばれている。
みんなそれを言いたくても対策や効果について語っているのになー。ま、いいか。
なにしろ、そんな吉川を差し置いて、去年のローズは「今のチームメートにはひどい症状の人間はいない」と言っていたのだ。吉川、開幕１軍の座をゲットして、ローズに重症度を印象づけるんだ！

重症度５位
日本ハムファイターズ代表　花増幸二トレーニングコーチ
前年度代表選手　竹内昌也投手
前年度成績　重症度同率１位、オープン戦４位、最終順位リーグ６位
症　　状　花水
キャリア　（不明）東京にいるときが一番ひどい
対　　策　鼻の穴にティッシュをつめ、外出時はマスクで隠す
効　　果　そうすれば花水が出てこない
本人の弁　（寝るときはのどが渇いて目が覚めるのでアメをなめる）
筆者より　プロ野球選手が練習中、まして試合中に花をかんでいる姿を見たことがないが、いったいどうしているのだろう。
アレルギー性で出るくしゃみや花水は、体がそれを拒絶しているのだから、「かまないでがまんする」というのはそうとうつらい。また、軽症のうちは、とにかくかんでしまえばしばらくはなんともなかったりするのだ。
なのにかめないのはつらい。気の毒だ。「アンダーシャツの袖やリストバンドでふく」「手バナでグランドに落とす」「飲み込む」といったところだろう、と思っていたが、花増コーチの「花ティッシュ」は思いつかなかった。さすが苗字に花を持つ男である。試合中は大声でナインに活を入れているらしいが、そのときも花ティッシュ姿なのだろうか。
ところで、鼻血ならともかく、鼻にものをつめて花水は止まるのだろうか。だとしたら、画期的な対症療法だということになるが、どのくらい信用していいのだろう。
それから寝るときに鼻にものをつめたりアメをなめたりするのは窒息しそうだから、花増コーチ以外の人はしないでください。

重症度６位
讀賣ジャイアンツ代表　入来祐作投手
前年度代表選手　松井秀喜外野手
前年度成績　重症度７位　オープン戦９位　最終順位リーグ２位
症　　状　特に目に。涙止まらない
キャリア　毎年
対　　策　薬、注射（スポーツうるぐすによると、加湿器と空気清浄機も）
効　　果　完治は絶対にしない
本人の弁　「オープン戦で地方の球場に行ったりすると、つらい」
筆者より　取材時は「花水はそうでもない」と言っていたようなので、当初は９位にしていたが、３月17日深夜の日本テレビ『スポーツうるぐす』では鼻もやられているようすが映し出されていた。こういうケースがあるので、「今年はそんなにひどくない」などの発言はすべて取材時点の状態とみなし、順位を見直した。何を大真面目にやっておるのか。