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7月14日（ナゴヤドーム）

広島　０００　０００　００１｜１
中日　０００　０００　０００｜０

【投手】
（広島）黒田−沢崎
（中日）武田
　勝投手＝黒田　11試合2勝3敗
　Ｓ＝沢崎　12試合1勝1敗８ｓ
　敗投手＝武田　15試合6勝5敗

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7月15日（ナゴヤドーム）

広島　１５０　１０１　００１｜９
中日　０００　０００　１００｜１

【投手】
（広島）紀藤
（中日）今中−中山−正津−落合
　勝投手＝紀藤(18試合４勝２敗)
　敗投手＝今中(５試合１敗)
【本塁打】野村（広島）４号、江藤（広島）15号
　

偽仁志（ラジオ、公式Webのスコアなどで観戦）：偽南渕さんは、本物の南渕選手が試合をキメた札幌の巨人戦を最後に海外出張に出たんですよね。その留守のあいだに中日は日替わりヒーローをうみながらサクサクと８連勝し、最後の広島戦できっちり３連敗しました。

偽南渕（海外出張から戻りたて）：え。きょう衛星放送で横浜戦を見たときには、広島戦の緒戦は勝ったって言ってたけど。

偽仁志：いーえ。あれは８回表まで負け戦だったんです。だれもが広島が逃げ切ると思ってました。なのに逆転されて、44さいのおたんじょうびだったたっちゃん（広島・達川監督）はがっくり！　それより全国のドラゴンズファンがびっくり！

偽南渕：なんで勝ったの。

偽仁志：３対２に追いつき、２アウト走者２、３塁のところで立浪が佐々岡のカーブを左越えの２塁打に。

偽南渕：へえ。立浪たっちゃんは好調だったんですか。

偽仁志：去年は10回に１回しか打っていなかった佐々岡から、この日はそこまでで２安打１四球と、絶好調でしたね。この８回は福留、李と塁に出ていて、左に強い（とテレビで言っていた）澤崎に変えてもよかったらしいんだけど、やっぱり彼に抑えさせたかったみたい。

偽南渕：なるほど。それはわかるね。広島は投手不足に悩んでいるから、佐々岡に自信をつけさせるつもりだったんだと思うよ。

偽仁志：それにしてもわからないのは、そのあとの関川敬遠満塁策です。

偽南渕：そう？　関川のヒットのほうが怖いじゃん。

偽仁志：そっか。打率の高い関川のほうが長打力のあるゴメスより危険かぁ。で、次のゴメスは抑えたけどさ、その次の立浪は「確実な守備、隔日な打撃」の、打つほうの日だったんだよ。

偽南渕：でも４打席めでしょ。

偽仁志：この日は盗塁までしてるしね。もう電池切れしてるってほうに賭けたんだろうけど、打ったんだよ、これが。

偽南渕：よかったじゃん。

偽仁志：ほんとならね。でも私は同僚の広島ファンに「きょうからはうちが負けますから。連敗ストッパーはお任せください」って言ってあったんだよ。

偽南渕：連敗ストッパーの意味が違う…。

偽仁志：ほかにも細かい予測を立ててあったの。中日の得点はソロホームランだけとか、立浪はヒットを打つものの点に結びつかずとか、点差は少ないとか。それが前半はどんどん当たっていくので、「私って落合英二？　改名したほうがいい？」とか思ったね。で、途中経過をその同僚に教えてあげたりしていい気になっていたのさ。

偽南渕：ひどいやつだなあ。

偽仁志：うん。気の毒なことをしました。「立浪は誤算でした。すみません」とメール入れておいた。「嫌いな巨人が優勝するよりはいいです」みたいなことを言われました。で、「あすの立浪には打たせません」と予告しておいたら、ほんとに打たないんだもんなあ（笑）。（*）

●だから言わんこっちゃない

偽仁志：この13日の試合の語られ方は、さすがは首位の中日だ、最下位の広島に逆転勝ちしたぞ、みたいな見方が主流だった。でも違うんだよ。負け戦に番狂わせが生じただけのことなんだ。翌朝の一般紙のスポーツ面は「やっぱり立浪うまいよねー」みたいな論調でしたが、それは中日の対広島戦力とは関係がないとみなきゃいけない。

偽南渕：だから勝ちとしてカウントしないわけか。

偽仁志：翌日はきっちり完封負け。トーチュウを含め、スポーツ紙の１面を広島が飾るという快挙をなしとげました。

偽南渕：最下位のチームに完封負け？　それはすごい。

偽仁志：もう順位の問題じゃないんだよ。順位は相対的なものでしょう。絶対的に、中日は広島に弱いの。HOSHINO★EXPRESSで星野監督が、広島に苦手意識はないのにと言っていたけど、つまり打つ手がいまだわからない、ってかんじがする。

偽南渕：で、３日目に今中が先発したの？

偽仁志：そうなんですよ。これがムカつく。なんで広島戦に出すんだよ。負けるに決まってるじゃん。最初噂されてた横浜戦でよかったのに。（**）

偽南渕：最下位の広島には勝てると思ったんでしょ。

偽仁志：だーかーらー。なんで中日が広島より強くなったと思いこむかねえ。立浪が佐々岡から打っただけなんだってば。まだわからんのか（誰への怒り？）。

偽南渕：で、たちまち６点もとられて。

偽仁志：そーです、３回から中山を出すはめに。あとはチーム全体がぼろぼろですわ。広島は前田が、13日に岩瀬にぶつけられたせいか休んでたけど、それでも今中のおかげで２回に打線がつながるつながる。

偽南渕：うわー。

偽仁志：会社のテレビでこっそりプロ野球ニュース見ましたけどね、今中は最初から勢いがなかったよ。抑えで出して調整してたころのバネのきいた投げ方と違ってたもんな。

偽南渕：らしいね。

偽仁志：あれはかわいそうです。結局、翌日に登録抹消されてしまいました。26日以降に復帰するそうです。

偽南渕：抹消！　それはショックだなあ。

●７月のドラゴンズ４大特長

偽仁志：もちろん、８連勝もしていてその後も広島以外には勝っているのだから、よいこともたくさんあります。まず山本昌の復調が嬉しいな。（***）それから打撃面では、ちまちまと点をとり、僅差で勝てるようになったこと。

偽南渕：不調な５、６月にやっていたあの、負けた翌日にまとめ打ちで勝つ勝ち方じゃなくて。

偽仁志：そうそう。新聞、雑誌、放送では、４月の状態が戻ってきたという評価が多いですね。あと、後半に粘るようになった。とくに終盤の代打オールスターズがすばらしい。

偽南渕：渡辺、大西、音、南渕…。

偽仁志：そ、そ、そ。それに前から出ている久慈や鈴木。うっとりするような采配だった日もあります。

偽南渕：ゴメスのホームランの数もすごいんでしょ。

偽仁志：そーなんですよ。17日時点で本塁打数単独首位！　そのあと18日には松井に抜かれたりしていますが、おおいに楽しみですね。巨人戦のあとは、サンヨーオールスターなんか出ないで鋭気を養うからね、見てろゴジラ＆坊ちゃまのGB砲！

偽南渕：そんな名前じゃないでしょ。じゃ、うちはゴメス・山�ｱのGY砲か。

偽仁志：ひっくり返せばYG砲。Yomiuri Giantsですね。

偽南渕：屈折した冗談はやめなさい。

*立浪はこのあと３試合ほど、「隔日」どころか別人のようにおとなしくなったのち、7/18の横浜戦８回裏で逆転打を放つ。テレビや新聞で、「勝負強い」「天性の才能の持ち主」「野球の申し子」と、久しぶりに昔の枕詞で呼ばれていた。実は勝利打点は９本目、これはリーグトップだとか。
「別人のように見えるときは、作家の原田宗典と入れ替わっているんじゃないですか（偽仁志）」

**「今中先発は横浜戦のほうが」について、よく行く掲示板にも書き込みしたところ、「右打者が当たっている横浜はカープより危険だと考えてのことでしょう」という意味のレスをいただきました。

***山本昌は18日に登録抹消。本稿作成時点では詳細不明。

1999/7/18