偽仁志（東京ドーム３塁側ボックスシート「ビームシート」で観戦）：行ったよ、東京ドーム。だって勤務先から電車で１本なんだもの。昼休みに歩いてたら金券屋にチケット売ってるしさあ。これは行け、ってことじゃん。たまたま定時までに仕事が終わりそうだったし。

偽南渕：（テレビで観戦）：でも負けたねえ。

偽仁志：セの最多勝利投手にして防御率１点台の上原から４点も取ったのだからよしとしましょう。

偽南渕：会社終わってから行って間に合うの？

偽仁志：球場に着いたのは１回表、ちょうど関川のヒットが出たところでした。だから実質は、武田が３点取られる１回裏から見たわけですね。

偽南渕：武田が１回裏にいきなり３点とられたこと。この敗戦はこれにつきますね。

偽仁志：しかし３点ぐらい、次にとりかえしてやれよ。

偽南渕：清水のヒットのあと、マルティネス・高橋に四球、清原死球で押し出しの１点から始まった３点だからねぇ。前の回の守りが大変だと、打者のモチベーションって下がるんだよ。

偽仁志：そんなこと気にせず点を取りに来る若さとかバカさとか、ほしいよ。

●負け惜しみコーナー

　ここで中日ドラゴンズ８安打４点の内容を見てみましょう。
　６回表にまず２点、前田投手の代打の種田がチャンスをひらきました。

２＝ツーベース、安＝安打（ヒット）、邪＝ファウル、飛＝フライ、二＝セカンド、三＝サード、ゴ＝ゴロ、失＝エラー

短評：やまさき！　ここで打たなきゃだめじゃん。

　それから９回にゴメス、立浪（久慈とならんで、やっぱり上原と相性がいい）、愛甲とつながりました。

短評：つながったけど試合終了やがな。お・そ・い、っつーの！　もう上原、キャッチャーから返球されてから投げるまでが早い早い。うちの打者は調子のいい投手にあうと、向こうのリズムで打席に立つ傾向がないか？　きょうもそれだった。

●「あら久慈だわ、いやーねぇ」

偽仁志：：９回表は愛甲で１アウトになった時点で客席は大盛り上がり大会でしたよ。

偽南渕：中日がリードされてて大盛り上がり？　ってことは読賣側（１塁側）の客席だったの？

偽仁志：いや、３塁側。そもそも３塁側のチケットが売ってたから買ったんだけどね。でもほとんど巨人ファンだった。

偽南渕：それはお気の毒。

偽仁志：隣の席に遅れてきたおじさんと若い部下の女性がこんな会話をしてました。
お姉さん：「ここって巨人ファンの席なんですか」
おじさん：「いや、いちおう３塁側は相手チームってことになっているんだけど、でも来ているのはみんな巨人ファンだから」

偽南渕：ははは。キミも巨人ファンだと思われたんだね。

偽仁志：悔しいから、前田投手が３アウトにしたとき思い切り拍手してびびらせてやった。

偽南渕：どんな席？

偽仁志：ボックスシートとかいうやつ。

偽南渕：あ、それは接待用によく使われる席だね。巨人ファンばかりなのも無理はない。

偽仁志：そのあと後ろの席にえらく野球にくわしいおばさん二人組がきた。昔の東京弁をしゃべる人達でした。

Ａ：「あら、久慈だわ。前に上原から打点入れたのよ」
Ｂ：「いやーねぇ、阪神にいたくせに」
Ａ：「阪神ではそんなに活躍してなかったじゃないよねえ」
Ｂ：「次は関川だわ。上原は関川、いやなのよね。小さく当ててくる打者が多くて疲れたって言ってたじゃない？」

偽南渕：巨人ファンなわけ、その人たち？

偽仁志：そうそう。上原が３ボールのあとにストライクとりに行ったら、「上原はこれができるのよねぇ」だって。

偽南渕：へえ。それはくわしいね。

偽仁志：うん。私なんかそこまでわからないよ。しかしドームの客って、ひっきりなしに食べ物だの飲み物だの買うよ。売り子さんから買うだけじゃなくて、試合中なのに何度もロビーに買い物に出ては何か買ってきている。

偽南渕：だって、巨人ファンは金持ちだから金を使いたくってしょうがないんだよ。

偽仁志：あたしだって野球場で売ってる食べ物が買えるぐらいの給料はもらってるわい。試合中に大量の飲み食いをすることを言っているんだ。あいつら遊びに来てるんじゃないか（笑）。ドームの客席がまた安普請で、人が通るたび揺れる揺れる。

偽南渕：巨人の応援団は強力でしょう。

偽仁志：そうそう。後半の地鳴りのような応援はとくにすごい。２アウトになってるのに応援はとぎれない。お題目みたいにずーっと続くシステムになっているからであって、応援団に根性があるとか、そういう問題ではない。あれにはまいったよ。

偽南渕：しょうがないね。

偽仁志：そう。東京ドームなんかで見るほうが悪い。いい勉強になりました。

●くじといえば

偽仁志：久慈には後藤のライナーをダイビングキャッチしたスーパープレーが出ました。

偽南渕：見た見た、テレビで。すごいよね。取ったこともすごいけど、あの小ささでそんなプレーをするところがまた感動的だ。空を飛んでたよね。

偽仁志：でも負けた……。

偽南渕：わかったわかった。これで明日も負けたら、明後日の３戦めはドームまで応援に行ってやらなきゃなぁ。

偽仁志：こんどはうちの応援団のそばに座ります。

1999/8/30