南西対談２／ミレニアムはこう負ける

偽南渕：読賣って勝ってても負けてても木村を出すだろう。あれはかわいそうだよ。負けてる試合に木村はもったいない。うちでいえば岩瀬だよ。その点うちなんかすぐあきらめて小山にしている。

偽仁志：木村っておひなさまに似てるよね。

偽南渕：…。

偽仁志：似てない？最近私らが巨人の話するとき「おひなさま」で通じてるじゃん。

偽南渕：しかたないから合わせてるだけだよ。似てるといえば、カープの抑え、山崎慎太郎は鈴木孝政に似てる。太った鈴木孝ちゃんていう感じだね。

偽仁志：鈴木孝政思い出そうとすると牛島が混ざってくる…。

偽南渕：だめ。修行が足りない。

偽仁志：というわけで、本日は５勝13敗で最下位の４月23日時点のドラゴンズの敗戦を振り返ります。

偽南渕：すごく中途半端なんだけど。

偽仁志：キッチリした試合結果を見たい方には『それペナ！99+1』の「しあいけっか」をお勧めします。

●星野の予言どおり動く選手たち

偽仁志：落合投手が故障で前半絶望と言われている今、代わりに冴え渡るのは星野監督の予言です。

偽南渕：え、本当？

偽仁志：星野の予言はもともと当たるの。去年の初めての上原対決の前、インタビューで上原が一度も完封をしていないことを言われた星野監督、「いやわからんよ。うちが初完封されるかもしれない」という意味のコメントをしてましたね。その後８月末にきっちり初完封されてしまいました。

偽南渕：日本シリーズでの「ミスしたほうが負け」も見事当たった。

偽仁志：で、今年はほら、開幕前に…。

偽南渕：あー、あれね。開幕直前にＮＨＫテレビで言ってたやつね。中日系のマスコミや解説陣はドラゴンズを優勝候補に上げてて、今年は開幕何連勝するだろうみたいなことを言うでしょ。そしたら星野は「いや、５連敗ぐらいするかもしれない」だって。

偽仁志：５連敗ぐらいしそうですよ、ほんとに。まだ４連敗を２度しただけだから、あとひとつで当たりだね！

偽南渕：当たらなくていいんだよそんなの。ほかには、今年の各チームには皆優勝のチャンスがあるかわりに、５位や６位になる可能性もあるとも言ってましたね。

偽仁志：そのときは星野らしい冷静さで当然のことを言ったまでだと思ってたけどねぇ。

偽南渕：この予言が当たったからって悲観することはない。優勝チームが一時期最下位争いをしていた年なんていくらでもあるわけだし。

偽仁志：最下位チームが開幕直後から最下位にいた年もいくらでも…。

●裏１９９９

偽南渕：そういう過去のデータでいろいろ占いたくなるんだよね、まだ先のわからない４月だからこそ。

偽仁志：『ススキノスポーツ』で、１９８８年の優勝のときと星の並びが同じだという指摘がなされてましたね。これが飛び火したのか、トーチュウにも、負けても負けても「８８年と同じだ、縁起がいい！」という記事が載りつづけました。

偽南渕：名古屋の中スポでもやってたのかなぁ。

偽仁志：ほかのチームのファンに知られたくないですね…。

偽南渕：私は１９８８年と言うよりは、ドーム元年で脱税で喪中で最下位に終わった１９９７年に似てると思うけど…。

偽仁志：…。

偽南渕：あの年はヤクルトが優勝したんだよなぁ。

偽仁志：前の年に巨人のメークドラマに貢献したヤクルトが。

偽南渕：じゃ、今年は阪神が優勝するのか？

偽仁志：いやー。広島も、いつもの季節性の強さと一味違うかんじがする。主力が思い切り戦線離脱してるのに、代わりに若くてイキのいいのが次々くるし、東出はジンクスにはまらないし、前田は命がけだし…。

偽南渕：去年のウチみたいだ。

偽仁志：そう。今のＡクラスチーム（広島、横浜、阪神）はみんな、去年のウチみたいですね。巨人も勝つときは中日の勝ち方に似ている気がします。よく研究してますよね。

偽南渕：ウチが一線級の左投手に弱いことや初めての投手に弱いこともバレてるし。

偽仁志：立浪が一線級の左投手や初物に強いこともバレて、最初から立浪との勝負は投げているのも研究している証左です。

偽南渕：投げてるんじゃなくて、たっちゃんが好調なの、あれは。

偽仁志：はい。ってことで、今年のドラゴンズは去年の裏返しをやります。つまり８月、９月に、巨人との熾烈な最下位争いを繰り広げるのです。客入るぞー。

偽南渕：えーっ。だめだよ。優勝するんだよ今年も。

偽仁志：いや、これはこれで感動するよ。９月、神宮球場。先に巨人が横浜に負けて６位が確定するんだけど、闘将星野は言うんだ。「おまえら、絶対勝って５位になれ！」。そこで久慈が打つ！井上、逆転決勝打！そして最後は、ふらっと上がったペタジーニの打球を…。

●個人成績好調、表彰状山積みの年

偽南渕：長くなりそうなので割愛いたしました。そのペタの打球を捕ったたっちゃん、先日１５００安打を達成しました。

偽仁志：ふつうにやっていれば今年達成できることはわかっていましたが、４月前半はめちゃくちゃたくさん二塁打を打ったりして好調でしたから、思ったより早かったですね。

偽南渕：トーチュウによく投書してくる大の立浪ファンのある女性は、立浪のヒットを打つ早さについていけず、なんと翌日まで１５００安打に気が付かなかったのだとか…。（＊）

偽仁志：たっちゃん、翌朝の…

偽南渕：ちょっと待て！俺が立浪ファンのことをからかうような発言するわけないだろ！

偽仁志：あーわかったよ。私の発言が長くなるから割ったんだよ２つに。皆様（＊）印の指摘をしたのは実際は東山にしこ（偽仁志）です。で、立浪は１５００安打記念に翌朝の『ズームイン！朝』で特集してもらってました。

偽南渕：ＰＬの先輩吉村悼章に「おめでとう、立浪。１５００本安打で満足せず、２０００本安打、２５００本安打目指してがんばって」と言われたたっちゃん、「２０００本安打、２５００本安打」と言われた途端、笑顔が曇って露骨にいやそうな顔をしてました。

偽仁志：よく見てるねぇ…。

偽南渕：１５００でせいいっぱいなのに２０００、まして２５００なんて言うなよー。と思ったのでしょう。立浪はあと、１５００試合出場も目前です。

偽仁志：それって移籍しても通算するんだよね。

偽南渕：あたりまえじゃん。

偽仁志：ああ、よかったぁ。嬉しい。

偽南渕：何を心から安心してるんだ。え。

偽仁志：ま、ま、ま。ほかに達成できそうな個人記録はないんですか。こうなったらそれを狙ってもらって、観客動員と新聞の売上とテレビに映る時間を増やさなくては。

偽南渕：主なところは中村の１５００試合出場。久慈の１０００試合出場。

偽仁志：くじ！まずいね。今年は守備固め出場の機会がないからねぇ。

偽南渕：やまさきも好調だからポジションがズレて出てくるという可能性も薄いし。２番は立浪だし。

偽仁志：くじー。くじ、もっと見たいよう。仕方ないから爆笑問題の田中でがまんだ。ちなみに大西が出ないときは当然、ナイナイの岡村でがまんだ。

偽南渕：久慈はこのオフにインセンティブ契約を結んだからね。守備固め出場も考課してもらえることになった。そのため、球団が金をケチって久慈を出さないという可能性が。

偽仁志：いやーん。くじが出るなら小さいもの好きの女性が球場行くからそんなものすぐペイするのに！

●感動を与える試合

偽南渕：球団経営としては球場に人が来てなんぼですからね。

偽仁志：その意味では巨人の補強は正しいのです。清原、やっぱり見たいじゃん。工藤だって江藤だって、マルティネスも機会があればやっぱり見たくなっちゃうよ。優勝なんかしなくても。

偽南渕：そーねー。

偽仁志：広島が首位になった翌日の中日との試合、市民球場、平日とはいえ８０００人だったんだって！スポーツニュースで見て「あれ？」と思ったけど、８０００人とは…。

偽南渕：そりゃ緒方も野村もいないし、それに相手が最下位だからピッチャーはエース級じゃないし、見ても仕方ないと思われたんだろ。

偽仁志：ぐはぁ。

偽南渕：広島はいい試合してるのになぁ。

偽仁志：そう。その８０００人の日、１１年目の野々垣がバンチからプロ入り初ホームランを打ったのとかね！ラジオできいてて感動しちゃったよ。

偽南渕：感動をいっぱいくれるよなあ、今年のドラゴンズ。広島にはもともと弱いからちょっと置いとくとしても。

偽仁志：バンチといえば、今２位に座っている横浜との試合で達成したノーヒットノーランですが、その翌日からの２連戦、何事もなかったかのように連勝で仕返しした横浜の強靭な精神力と勢いには感心しました。

偽南渕：バンチに負けたのは去年１７勝もした開幕投手の川村丈夫だったけど…。

偽仁志：川村さん、好きっ！

偽南渕：ちょっと黙っててね。その川村との２度目の対戦（4/23）で、ドラゴンズはみごとリベンジ初勝利をくらい、しかも福盛投手には初セーブまでプレゼントだ。

偽仁志：川村さん、初勝利のうえにヒットも！

偽南渕：ちょっと黙っててね。それに対してうちは武田であっという間に得意のめった打ちだ。前の日に小池で完封勝ちした相手だよ、ここから連勝して乗っていかなきゃいけないときに、なんで勝ちのない武田でくるんだ。せっかく当たってないディンゴを二軍に落としたのに、選手は「何故、めった打ちにあった武田は出すの？」と思うじゃん。しかも、打たれても打たれても変えないし。

偽仁志：案の定、武田はメローニに来日初本塁打となる２ランのほか３点をとられ、やっと替えた投手がなんと川上ケンシン。５月復帰って話だったのに、早すぎるよ。あっというまに谷繁に２点タイムリー二塁打打たれてほろ苦カムバックだ。

偽南渕：明治の恥は明治で上塗りする、というのが星野の作戦だな。

偽仁志：どういう作戦だよう…。

偽南渕：横浜、前の日に小池に完封されたことなんか、全然こたえてなかったね。あの気持ちの切り替えは見事です。

偽仁志：やっぱりさわやかだよー、横浜。若さを感じる。見たいなー横浜戦。

偽南渕：東京ドームの巨人阪神戦に行ったんだって？

偽仁志：はいはい。ラミレス先発の日に。もと中日の矢野のリードは好調みたいですよ。もと中日の、星野が泣く泣く追い出した大豊も大活躍。中日相手にノーヒットノーランした川尻も好調だし。ぜんぶ中日のおかげだよ。

偽南渕：大豊、去年もいろいろあったのに立派だね。

偽仁志：これに先立つ阪神中日戦でのうちの２連敗も、感動的でした。今の阪神好調の原動力となっています。湯舟投手の復帰と勝利。星野投手のセリーグ移籍後初勝利。こうしたベテラン投手の活躍のほかに、売り出し中の平尾のサヨナラタイムリーという名場面もありました。

偽南渕：読賣は、阪神と広島に抑えられてがっくりきてるよね。

偽仁志：清原も戻ってムード最悪でしょう。その他５球団のファンはみんな清原ウェルカムバックで大騒ぎですよ。

偽南渕：でも読賣、最初は調子よかったね。開幕戦こそ広島に勝ち越されたけど、うちとの３連戦には連勝して調子をつけた。まず工藤とメイの移籍後いきなり初勝利ね。

偽仁志：ドラゴンズ、移籍組に優しい。転校や転職が多かった私はグッとくるよ、こういうの。工藤とはＦＡ宣言後いろいろあったのに、くだらない因縁にこだわらないさわやかなスポーツマンシップを感じるね。

偽南渕：あっそ。

偽仁志：あと、巨人は高橋尚投手のデビュー戦初完投初勝利。

偽南渕：しかも完封だぜ。

偽仁志：この調子で、巨人とは正々堂々と最下位を争ってほしいものです。

偽南渕：だめ！川上が戻ってディンゴが奮起して優勝するの！ 22日の大勝見たでしょ、横浜戦。ドラゴンズらしい足を使ったいい勝ち方で。二線級の投手には勝てるんだから、勝って自信を付けて次に進むの！勝つのが一番の薬なんだから。

偽仁志：横浜、なんで二線級の投手なんか出すんだろう。

偽南渕：だから。うちが最下位だから。

偽仁志：あ。そうか。つい忘れちゃうのよねー、今うちが弱いってこと。どういう頭してんだよ。レフトが完璧とかいう変な宗教信じた罰だな。