偽南渕：見てないくせに。

偽仁志：え。

偽南渕：見てないじゃん。試合。

偽仁志：だって。スポーツニュースで十分ていうか、朝刊のスポーツ欄でもオッケーじゃん、こんな負け方。

偽南渕：だめだね。その点、俺はちゃんと仕事を早めに切り上げて、家に帰ってスカパーで見たんだ。

偽仁志：全部？

偽南渕：全部じゃないけど７回の裏のうちの攻撃から。そして、９回裏の明日につながるゴメスのホームランを見た。

偽仁志：明日の金沢は雨らしいよ。

偽南渕：いいんです。問題は週末の讀賣戦なんだから。

偽仁志：たしかにゴメスが調子いいと巨人戦に期待が持てますね。

偽南渕：それから、恒例になった代打関川の力ない初球攻撃のセカンドゴロも見たんだ俺は。

偽仁志：偉いのか、それ見たのって。

偽南渕：ついでに、たっちゃんのよれよれのセカンドゴロも見た。みんなよれよれだね。

偽仁志：嬉しいのか、それ。

偽南渕：だって９回裏１対３で負けてるときの、二死後無走者の最終打者だよ。そんな状況で立浪が打ったことなんか一度もない！

偽仁志：そうなんだけど。嬉しいのか、それ。

偽南渕：そういうときは無駄なエネルギーを使わないのが立浪なんだ。

偽仁志：あー。誉めてたのね実は。知ってるよ。それはよーく知ってるよ。ドラゴンズについて、真っ先に覚えたのがそれだといってもいいぐらいだ。

偽南渕：わかればよろしい。

偽仁志：私だって見たよ、立浪の最後の打席はテレビの広島巨人戦中継のなかで。試合が終わった後にちょっと映したんだ。

偽南渕：そんなもの見てたのか。

偽仁志：大差つけて広島が勝ってるから、会社のカープファンの人に「カープのおかげで巨人が首位から落ちそうですよ」といったら、その人、無言でそのままテレビのある社長室に突入だ！　当然、あとを追う私であった。

偽南渕：しゃ、社長室？　社長に怒られないの？　秘書の人とかいないの？

偽仁志：黙認。だって、フロアにもテレビあるけどさ、社長室のほうがほかの残業中の人に迷惑かからないでしょ。

偽南渕：あっそ。いい会社だねぇ。

偽仁志：よかったよ、河内投手。きれいに低めに投げてました。

偽南渕：中１３日？

偽仁志：そ。そ。まさか河内で来ると思わなかった巨人は、まさか石井で来るとは思わなかった３月３１日の中日のように、打たれまくりのエラー／ミスしまくりで負けてました。

偽南渕：捕手は？

偽仁志：西山が戻ってきたからねー。瀬戸もオッケーみたいだし。うちはきょう中村タケシじゃなかったんでしょ。主力捕手がけがで不在なのってやっぱり大きいよね。城島のいないダイエーはよくやってるよ。

偽南渕：これでヤクルト首位。読賣２位。

偽仁志：広島さんは４位のままなのに…。週末の巨人戦はこのご恩に報いること！

翌日は雨でセリーグの試合はぜんぶお休み。

翌々日も巨人に勝った広島東洋カープ様は、ご自身は借金返済とはいえ４位のまま、巨人を３位にたたき落とし、試合のなかった中日を２位におしあげてくださった。偉大なる慈悲深きカープ様、マンセイ！　ていうか、要は混セなのである。