南西対談１●仮想敵を撃て 偽南渕（にせみなみぶち）：「偽南渕と偽仁志の南西対談」も３年目ですね。第１回は１９９９年の５月ですか。 偽仁志（にせゆたか）：11連勝でスタートしたドラゴンズが、バシバシと負け始めたころだよね。 偽南渕：キミは本格的に応援しはじめたばかりだったからね、もうだめだ、か何か言ってうろたえてましたね。 偽仁志：そしたら「球筋読んで３５年」だかの偽南渕が説教こいた、その内容が応援生活を始めたばかりの私にはためになったので、それをそのままWeb日記の番外編として載せ始めたのがきっかけです。 偽南渕：そろそろその、讀賣の選手の名をつけたハンドルをどうにかしたら？ 偽仁志：これは今年から「にせ ゆたか」と読んでね。 偽南渕：読めない。ぜんっぜん読めない。 偽仁志：巨人の仁志敏久は私が応援した甲斐あっていろんな賞もらってブレイクしたからもうだいじょうぶです。これからは中村豊（日本ハムファイターズ外野手、耳が大きい）です。 偽南渕：なんで中日の選手じゃないんだよ。 偽仁志：ていうか、「偽仁志」は本当は「東山にしこ」の「にし」から来てるんだからね。アンチ讀賣のみんな、安心してね。 ●トリプルストッパー 偽仁志：というわけで、なんとなく１９９９年５月６月の負けまくり状態に似ている開幕直後のドラゴンズさんです。 偽南渕：まがりなりにも首位ってとこも同じか。 偽仁志：で、４番５番６番が働かない。 偽南渕：１９９９年は４番ゴメスは働いてたよ。 偽仁志：４番ティモンズに言いたいことは？ 偽南渕：「みんな（特に、練習のときにだけばかでかい当たりをとばすＹ君）が打てないんだから、ボクが打てないのもしょうがない」と思っちゃダメ！ 「こいつはとても打てないな」と他のバッターが諦めるような投手を打つのが４番の仕事。それができなきゃ、気迫で勝る大西が４番を打ったほうがマシ！ 偽仁志：ティモンズさんは、わかりましたね。では次、５番の人。 偽南渕：いや、たっちゃんは、けっこうチャンスに強いところを見せたじゃない。勝ち試合のいくつかは、彼がきっかけを作ったおかげだよ。 偽仁志：２割３分３厘（４月９日現在）。 偽南渕：えーほんと？ 偽仁志：故障もじゅうぶんに癒えていないみたいだしさ、１９９９年の春を思い出すでしょ。てことは、同じように秋に優勝するってことかな。 偽南渕：やめなさい。 偽仁志：開幕以来、対広島、横浜、ヤクルトと３カードやって、ぜんぶ勝ち越ししてるんだけどね。 偽南渕：内容がよくないよね。相手の不運な自滅とか、暴走がたまたま成功したとか。 偽仁志：チームに勢いがあれば、それもまた勝ち運とよべるのだけど。 偽南渕：芯の強いかんじがない。 偽仁志：ひとつひとつ、見ていきますか。 ●広島戦で仮想工藤に負ける ナゴヤドーム 対広島３連戦（２勝１敗） 4月 1日（日） ■投手 勝投手＝高橋（１勝） 偽南渕：カープの高橋投手はこのあとも讀賣相手にいい試合をしたよね。 偽仁志：カープの先発はみんないいよね。 偽南渕：開幕戦の佐々岡はバント失敗で調子がくるったみたいだけど、けっこうてごわかった。 偽仁志：佐々岡の功績は、ティモンズ攻略法をはやくも２打席目で日本中のピッチャーに披露したことだと思います。 偽南渕：２戦目の黒田も好投してたけど、うちの荒木の暴走が運悪く成功してサヨナラ勝ちくらってしまった。 偽仁志：で、うちは３つめを負けたわけだけど、早くも捨て試合だったのかなぁ。 偽南渕：武田だもの。 偽仁志：武田だと、さっそくPLが守備で活躍するしなぁ。 偽南渕：スカパーの解説の木俣、怒ってたよ。武田のこと、球威がない、球威がないって何度も何度も。 偽仁志：怒りのあまり、うちの選手の弱点をあばきまくり。 偽南渕：中村＝ことしは走られまくり。肩が悪い。ティモンズ＝キャッチングはそこそこだが肩が悪い。キャンプ、オープン戦を通じて、きちんとした送球を見たことがない。 偽仁志：そんなに詳しくバラさなくても…。 偽南渕：レフト前ならセカンドからも帰れますよ、盗塁もしほうだいですよ、と教えているようなものだよう。 偽仁志：木俣さんは、わかりましたか。では、まとめを。 偽南渕：左腕で速球の高橋建は、いわば「仮想工藤」。これを打てなかったわけだ。心配だね。 ●横浜戦で仮想條辺に負ける 横浜スタジアム 対横浜３連戦（２勝１敗） ４月３日（火） ■投手 勝投手
バワーズ ■本塁打 偽仁志：この日は寒かった。ナイターなんか中止かと思ったよ。途中から大雨になるし。 偽南渕：うちは山﨑がワイルドピッチの間に走ったぐらいが見所でしょうか。この試合、仕事が早く終われば、ハマスタに駆けつけるつもりだったが、たちまち点差が開く展開に、いつしかその気力も失せてしまい、怒りのＷｅｂ観戦に切り替えました。 偽仁志：知らない投手が出てくると、いつもびっくりして打たなくなるんだから。人見知りもたいがいにしてほしいよ。 偽南渕：先発の新外国人、バワーズだろ。彼から中日打線は３安打しかできず、代わった木塚、森中からは無安打。うーん。 偽仁志：ズーバー、ドスターと並ぶ「ハマの濁点いっぱい新外国人」のひとり、バワーズ。TBSラジオの取材に答えて「四球が多すぎ。１失点で済んだのは幸運。こんなんじゃ次は使ってもらえない」と、異様に謙虚な発言です。投げる前田智徳ですね。 偽南渕：いっぽうで、チョコのほうの前田がこんなに打たれるとはね。 偽仁志：前田チョコは、紅白戦、オープン戦、ウェスタンで無失点だったんだよ。それがあっという間に打たれて点が入るもんだから、例によって全員ショック状態さ。 偽南渕：福留の犠打で１点だけかえすも、またも５番６番のダブルストッパーの活躍が始まり、続けてドメエラー。 偽仁志：ドメは開幕以来８試合連続打点という活躍ぶりで、井端と並んで、首位に貢献してはいるんだけどね。 偽南渕：カズキ、タケシもふるわず、ついに７回には走者がいないのに一死で代打テルが。 偽仁志：木塚、ストライクゾーンが狭いので四球。しかし続く代打李とセキさんが不発で、テルは寒い思いしただけでした。 偽南渕：横浜は思ったほどのすべりだしではないね。 偽仁志：や、横浜にはとくに意見なかったんですが、中継のTBSラジオのアナが「森監督との対決は１９８８年の日本シリーズ以来」とかましてくれたのにはひっくり返りました。それ言ったらあかんて！ また負ける、ゆーことやん。 偽南渕：ではまとめを。長身から繰り出す直球が身上のバワーズは、対讀賣の條辺対策にぴったりだったが、対広島第三戦の高橋建に続き、またまた意識過剰で打てず。心配です。 ●ヤクルト戦で仮想メイに負ける 明治神宮野球場 対ヤクルト３連戦（２勝１敗） ４月８日（日） ■投手 勝投手＝ニューマン（２試合１勝１敗） 偽仁志：ヤクルツ弱いねぇ。武田から３点とれないなんて。 偽南渕：武田、逃げてる場面もあったけど、打たれた回はともかく、全体にはそんなに悪くなかったよ。どちらかというと見殺し試合だね。 偽仁志：だけどさ、うちと当たる前は讀賣から２日連続で２桁得点して勝ってたのに、ヤクルト。その記録、続けなきゃ。犬（若松監督）には２桁と２点の区別がつかないのかな。 偽南渕：犬ねぇ。キミは野球以外のネタが得意なのね。では私が、球筋読んで３６年の視点から自慢を。
偽仁志：またドラキラーか。せっかく苦手の紀藤がいなくなったと思ったのに。 偽南渕：微妙に危ないことを言うのはやめなさい。 偽仁志：ニューマン、今にノーヒットノーランでもしそうだね。 偽南渕：この日は井端とカズキがみごとに阻止したけど。 偽仁志：ていうか、そのふたりしか打ってないのよね。１日休んだティモンズがまた４番で出てきたけどやっぱりだめだったなー。 偽南渕：ふりまわすタイプのガイジンは外角の落ちる球に弱い。ヤクルトのラミレスも弱いねぇ。あいつ、和製ティモンズだね。 偽仁志：どこにも「和」がないじゃん！ 偽南渕：けど、８日のラミレスは武田のコントロールミスで勝ち越し３塁打。 偽仁志：それにしても武田、まるで連勝ストッパーじゃん。 偽南渕：和製クワタですね。 偽仁志：今度はどっちも和製だって。 偽南渕：今度は広島戦のときと違って、「先発武田のときのPLのエラーや無理しない守備」はなかったけど、こんなに貧打では、ますます武田と野手の間の溝が広がるぞ。 偽仁志：たっちゃん、武田に声かけてましたね。 立浪：タケさん。 武田：おまえのさあ、関西弁。それ、ムカつくんだよね。 立浪：まだタケさんしかゆうてないやないですか！ 武田：関西人ってさ、「や」って言わずにしゃべれないの？ 立浪：今日はぼくとこによーけボール飛んでくるから、いらんこと気にして次エラーせんようにしようっと。 武田：おまえのところに打たせてる理由、わかんないの？ 立浪：……。ケンシンと何か賭けたはるんですか。 武田：せめて守備でいいとこ見せなきゃさ、次のナゴドーの巨人戦、出らんないじゃん。 立浪：その点タケさんは必要とされてるんですね。「負け試合かて必要や」ーて金村先輩がCSフジでゆったはったようですよ。 武田：なにっ！？ 井端：早く試合しましょうよ！
偽南渕：そんな長々と会話してないって。 偽仁志：鈴木郁、この日が今シーズン初のスタメンマスクでは？ 偽南渕：中村武志、春なのに打てないから。盗塁もされるし。だから一応「強肩」と言われることがあるフミが期待されての抜擢だったが、タケシと同様に、ヤクルト走者に楽々と塁を奪われていました。 偽仁志：ではまとめを。 偽南渕：「打てない四番」「走れない走者」「走られる捕手」。走攻守三拍子揃ったドラゴンズ打線の明日はどっちだ。 偽仁志：心配です。 |