対ヤクルト３連戦＋対横浜３連戦

偽仁志：南西対談が始まったのは１９９９年の５月。ドラゴンズが首位を独走していたからこそ、負け試合をけなす企画がシャレになったんですよね。

偽南渕：そういうこと。

偽仁志：私のこのハンドルだって、あの年、仁志敏久がどんなに活躍しても巨人が負けるもんだから安心して使えたんだけど。

偽南渕：２０００年も、ドラゴンズは腐ってもディフェンディング・チャンピオンだからまだ笑いがとれた。でも今年は厳しい。

偽仁志：安心してけなせる味方。持ち上げても無害な敵。これが南西対談の前提ですが、思えば、そこに味方への愛があれば味方もけなせるし、敵もほめられる、それに変わりはないはず。

偽南渕：そりゃ俺は純正ドラゴンズファン、球筋読んで３６年だから変わりはないさ。だけど…。

偽仁志：だいじょうぶ。にわか中日ファン偽仁志の寝返り魂をみんな（だれ？）に見せ付けるのはこれからです。

対ヤクルト３連戦

４月24日（ナゴヤド−ム）

ヤクルト　１００　０４０　０００｜５
中　　日　０２０　０２０　０００｜４（２位）　　

■投手
ヤクルト＝ニューマン−ハースト−石井弘
中日＝川上−正津−岩瀬−遠藤

勝投手＝ニューマン（５試合３勝２敗）
セーブ＝石井弘（１１試合１敗１Ｓ）
敗投手＝川上（４試合１敗）

■本塁打
ＹＳ宮本１号、ＹＳペタジーニ８号

４月25日（ナゴヤドーム）

ヤクルト　０００　００２　０１０｜３
中　　日　２００　０００　０００｜２（２位）　

■投手
ヤクルト＝藤井
中日＝前田幸
　　　
勝投手＝藤井（５試合３勝）
敗投手＝前田幸（４試合１勝３敗）

■本塁打
Ｄ山崎武４号、ＹＳペタジーニ９号

４月26日（ナゴヤドーム）

ヤクルト　１００　０００　０００｜１　　
中　　日　２００　００２　００ｘ｜４（２位）

■投手
ヤクルト＝前田−五十嵐−山本−松田−本間
中日＝バンチ−落合−岩瀬−ギャラード
　　　
勝投手＝バンチ（４試合１勝２敗）
セーブ＝ギャラード（８試合５Ｓ）
敗投手＝前田(５試合１敗）

●恐怖の近未来

偽南渕：さて、偽仁志を試すごとく、読売戦を目前に、カープ−阪神−ヤクルト−横浜と、４カード連続負け越しとなった中日ドラゴンズ。

偽仁志：カープはともかく。阪神も前回ナゴヤドームで３タテ食らったリベンジだろうから仕方ないとして。カモのヤクルトにまでやられるとは。

偽南渕：戦力が最も充実しているのが「東京讀賣ジャイアンツ」であり、そのジャイアンツと互角の星を残していたのがヤクルトスワローズなんだから、当然の結果とも言えるでしょう。

偽仁志：まあねぇ。波というやつですか。

偽南渕：しかし、ペナントレースは長丁場。これから、山あり谷ありとなることだけは、間違いない。

偽仁志：別途下書きしたみたいな、組み立てのしっかりした文章だね。

偽南渕：うちも、今の状況を監督とコーチ陣が的確に把握して、真剣に手を打てば、まだまだ勝負になります。ただし、付け焼刃でお茶を濁すのなら、多分このままずるずると下がっていきます。

偽仁志：そうそう。うちの「頭いい首脳陣」をまだ信じたいね。

偽南渕：こういうときこそ、仙ちゃんの腕の見せどころ!!

偽仁志：仙ちゃんいなくなったらどうしよう！

偽南渕：いなくなる話なんてあるの？

偽仁志：ないけど、来たるべき日の話ではあるから、つい。１９８８年以来、星野監督と彼が選んだ首脳陣だけが中日を優勝させることができたんだよ。次はどうするんだろう。山田ヘッドコーチ？　仁村二軍監督？

偽南渕：星野が勇退なら山田ヘッドの昇格でいいんだけど、引責辞任の場合は、がらっと入れ替えて、こんどは勝負よりも観客動員でいくしかないかも。

偽仁志：え。勝たなくていいのか！？　巨人を破って日本一になった仁村徹二軍監督で巨人を破って日本一になりたくないの？

偽南渕：にわかファンにはわからないだろうけど、毎年優勝するなんて無理なんだよ。球団は、もちろん優勝はめざすけど、それと同時にビジネスも考えるものなんだ。だれがなっても、星野人気を上回る監督はいないとしたら、ビジネスとしては、まず観客が減らないほうをとらないと。

偽仁志：仁村徹、有名じゃん。私でも現役時代から知ってたよ。仁村でいいじゃん。

偽南渕：ダメ。谷沢とか田尾だね。

偽仁志：えー。あいつら、フジテレビの『プロ野球ニュース』でほとんどドラ寄りの発言してなかったじゃん。

偽南渕：全国ネットの番組ではそうでなきゃやっていけないよ。監督になったら別だって。

偽仁志：田尾は中日怨んでるんじゃないの。

偽南渕：そういう因縁がまったくないやつなんて捜してたらキリがないよ。

偽仁志：でもねぇ。中日でコーチすらやっていないのに。

偽南渕：そうね。だったら、仁村を監督にして、首脳陣を谷沢、田尾、牛島といった人気者で固める。３０代〜４０代のおばさんたちも戻ってくるぞう。

偽仁志：近鉄がやってる男前首脳陣の真似！？　偽ハンサム首脳陣か！？

偽南渕：球団の売上げのメインは球場の入場料なんだよ。見たい、と思わせなきゃ。人気は親会社の新聞の売上げにも響くし。もちろんプレーで人気が得られれば言うことないけどね。

●巨人ファンから資金をしぼりとれ

偽仁志：確かに幅広い人気もなくちゃやっていけないね。だったら巨人ファン呼べばいいじゃん。

偽南渕：どこに。

偽仁志：ナゴヤドームに。東海三県（愛知、岐阜、三重）にだって、巨人ファンはいっぱいいるよ。あれが三塁側を埋め尽くすようにすればいい。

偽南渕：どうやって。

偽仁志：ナゴドーではぜんぶ巨人が勝つ。

偽南渕：……。

偽仁志：もう毎試合、ホームラン出まくり。巨人ファンなら、そんなに野球詳しくなくても「松井のホームラン、ナマで見たい」「この目で清原のホームラン見たい」って思うはずだよ。

偽南渕：……。

偽仁志：でも、「野球詳しくないファン」がいるところが巨人ファンの七不思議だよね！　あはははははは！

偽南渕：……。

偽仁志：９月２４日の優勝試合を見られなかった中部地方の巨人ファンに夢を。

偽南渕：くだらない。与えなくてよろしい、そんなもの。

偽仁志：でもナゴドーの、それも巨人戦なんてきっぷとるの大変だからさ、そこは読売新聞と結託して、読売新聞とるとナゴドー巨人戦のきっぷが優先的にとれるってことにする。

偽南渕：読売、それは今でもやっているのでは。

偽仁志：いや、東海三県なんて読売はあきらめてるんじゃないのかな。そこをあえてつくんだよ、中日新聞社。これで監督がだれになってもナゴドーには客が満杯、しかも巨人ファンが落とす金で潤って、その金で江藤でも二岡でも買ってしまえ。

偽南渕：中日ドラゴンズのアイデンティティはどうなるんだよ。

偽仁志：別に今と変わらないような気がする。

偽南渕：……。いくら読売でも毎回ホームランなんて無理だよ。

偽仁志：そこは空調でしょ、やっぱ。当然それも巨人と業務提携してノウハウを導入する。どうです。完璧ですね。これで、ナゴドーの巨人戦だけを捨て、あとは地味だけど勝てる首脳陣で、優勝を目指すのです。

偽南渕：みなさん（除・偽仁志）。そうならないように、これからもドラゴンズを応援しましょう。

偽仁志：ところで大島ハム、広島カープみたいに怪我人出まくりで最下位独走だよ。

偽南渕：このあいだはヤクルトと合併しようと言ったけど、ハムのほうがよかったな。ビッグバン打線にあいた穴をうちの打線で埋めよう。

偽仁志：埋まらないって！　そんなすごいもの埋められるなら、なんでうちの打線、だれも怪我してないのに穴だらけなんですか。

偽南渕：（かまわず）まず片岡の穴は大豊の破壊力とたっちゃんの確実性で。オバンドーは長打力のあるティモンズとやまさき。ウィルソンはパワーのある福留と一樹だな。二人ひと組でとりかかれば埋められるよ。俺、何言ってるのかな。

対横浜３連戦
４月28日（浜松市営球場）

横浜　００２　００３　０００｜５（７安打）　
中日　０００　０００　３００｜３（６安打、２位）　　

■投手
横浜＝三浦−森中−竹下−中野渡−木塚−河原−斎藤
中日＝山本昌−遠藤−小笠原−正津

勝投手＝森中（12試合２勝２敗）
セーブ＝斎藤（７試合１勝４Ｓ）
敗投手＝山本昌（５試合２勝２敗）

■本塁打
ＹＢ中根２号、Ｄティモンズ１号

４月29日（ナゴヤドーム）

横浜　０００　０００　０００｜０（５安打）
中日　０１３　０００　０１Ｘ｜５（10安打、２位）

■投手
横浜＝バワーズ、米、小桧山
中日＝野口（＋中村さん）

勝投手＝野口（５試合３勝）
負投手＝バワーズ（５試合１勝２敗）

４月30日（ナゴヤドーム）

横浜　０００　００６　０１０｜７
中日　０００　０００　０００｜０（まだ２位）

■投手
横浜＝谷口、竹下、木塚、中野渡
中日＝武田、小笠原、遠藤、井本

勝投手＝谷口（１試合１勝）
負投手＝武田（５試合２勝３敗）

■本塁打
ＹＢ小川２号

●弱い者いじめられ

偽仁志：ところで横浜戦の負け試合のほうですが。勝率では２位のヤクルトとはいちおう接戦でしたが、最下位の横浜に対してはいいとこなし。

偽南渕：ただ、遠藤だけはアピールしたね。第３戦なんか１５０キロ出ていた。東海テレビの中継では「スピードガンが壊れている｣なんて言われていたけど。

偽仁志：敗戦処理投手の層の厚さを見せ付けたよね、ウチは。

偽南渕：まあ、これで遠藤は使われ方が変わっていくでしょう。あとは大事な場面を抑えられるようになっていってほしいね。

偽仁志：ほかにも、一時は「荒木代走出塁のセットアッパー」に甘んじていたティモンズがついにホームラン、勝ち試合でも勝ち越し点を入れた。野口は完投完封したし、いいこともありましたけどね。

偽南渕：あと、中村が好調、井上が３割打ってチーム首位打者なのも。でもつながらないからなぁ。

偽仁志：横浜は投手が足りなくて、最初の２試合は自打球負傷の鈴木尚が欠場、３試合めは不調。それでもうちは勝てないときた。弱い者いじめは得意だったはずなのに。

偽南渕：負けた１試合目は三浦が突然のアクシデントで１回で降板。ところがうちは三浦対策のしすぎだったのか、替わった森中をどうすることもできなくて、逆に「おれたちでなんとかしなきゃ」と奮起した横浜の伏兵たちにやられた。

偽仁志：主砲やエースが怪我でいないのと、単に不調なのとは、まわりに与える影響も全然違うのだね。

偽南渕：３試合目は、また初物の谷口にやられた。

偽仁志：湘南シーレックスの大黒柱で４年目、年俸６５０万円だって、谷口。うれしい１軍初勝利、しかもチームとしては完封勝ちだよ。

●武田交代の法則

偽南渕：武田、４回までよかったのに。５回表に大炎上で６失点だ。

偽仁志：だってぇ。だいじな５回表に井端と関川がお見合い（補足を参照）するんだもおん。

偽南渕：あのあとの武田のふてくされた態度は、解説の中利夫にまで叱られてたね。

偽仁志：「あのさ。俺関西弁とかって嫌いなの。井端と関川は標準語じゃん（武田に「東京弁」という概念はない）。なのに、なんで足ひっぱんの？　なんであの関西弁の連中と同じことするわけ？」

偽南渕：あのお見合いで敵にホームインされたわけでもないのに、武田、すっかり崩れて走者ためて、移籍してきた小川にグランドスラムだもんなぁ。

偽仁志：ヒサシ・ヤマダには無理かもしれないけど、武田は替えなきゃ。

偽南渕：いやー、いくら４失点だからって、先発６本柱だよ。責任をとらせたんだよ。

偽仁志：点を取られる前。武田に限り、味方がエラーや失敗をしたら交代！

偽南渕：そんなわがまま、いくら武田でもだめ！

偽仁志：味方がチョンボしたときの武田は雰囲気を悪くするうえにそのあと炎上するから、勝つためなら交代させるの。ただ、今回は違うけど、チョンボが立浪の陰謀だった場合は、武田はかえって燃えるから、そのままにする。

偽南渕：まあ、武田のときは何をしてでも早い回で点をとる。これだよな。きょうも４回までは、井端ががんばったし、立浪も２アウト後に白けずにホームラン狙って谷繁をビビらせてたんだけどね。

偽仁志：谷繁って、立浪を怖がり過ぎ。

偽南渕：みんな怖いの！

偽仁志：最近、そんなに勝負強くないけどなぁ。確かに好調なときは、右左とか早い遅いとか、何ひとつ気にしない、誰にも止められない強さがあるけどね。

偽南渕：だから、その強さがいつ出るかわからないから怖いの！！　突然完璧な一打を放って、敵をがっくり来させるんだからね。わかった？

偽仁志：わかりましたとも。もちろん、今後も怖がられてくれたほうがいいです。じゃ巨人戦よろしく。
（2001/4/30）

補足

３０日の「お見合い」はちょっと違う。ショート井端が深追いしてきたこともあって、センター関川が目測誤ったってとこだ。

で。実はその前に、ゴロが外野に抜けたのだが。
翌朝のトーチュウによると、それ、武田が指示したシフトが裏目に出たためなのだそうだ。
立浪に、定位置より一塁よりを守れ、と指示したんだけど、予定のところに投げられず、その定位置にゴロが来たんだって。
武田はまずこれで動揺した、というストーリーである。

そりゃつらいわな、武田。

いっぽう、３０日夜のCBCラジオ「ドラゴンズ・ワールド」に中村さんがこの日の試合を語った声が流れた（三十一郎さんの掲示板より）。
中村さん、武田のくらったグランドスラムは自分が要求した球種が悪かったせいだと言っている。
負け試合のあとはいつもそのての発言するらしいけど、でもえらいねぇ。
ベテランの正捕手が自分を責めれば、武田がキレたことも、野手のミスも、帳消しになる。
次につながる。

きっと、私らの知らないところで、選手ってちゃんと言うべきを言い、なすべきをしてるんだなぁ。
逆に、知りたくないこともやってるんだろうけど（笑）。
（2001/5/4補足）