東都大学野球連盟７０周年記念
プロアマ交流試合

プロＯＢ選抜　０１０　００１　２００｜４（１１安打）
東都大学選抜　００２　４００　００×｜６（８安打）

勝投手＝山本（亜細亜大学）
負投手＝佐藤（讀賣、亜細亜大学出身）
　

●中日がいないよー

偽仁志（東都１部リーグ某Ａ大学出身）：職場で「野球も終わっちゃったねー」と言われたら、「まだまだ。東都大学リーグのOBと学生の交流戦が神宮であるんスよー。中日も来るんス」とにっこり答えようと思っていたのに。

偽南渕（東都１部リーグ某Ｎ大学出身）：だれにも相手にされないまま、この日を迎えた偽仁志。

偽仁志：……。偽南渕さんって、神宮に来るまで、自分が東都リーグ所属大学の出身だったことを忘れて たんですってね。

偽南渕：……。偽仁志さんは、高橋建が出るという話につられて来たんですよね。

偽仁志：その話をWebのBBSで見て、「ほんと？」「いつどこ？」「ほかにだれが？」と情報をあさりまくり、ようやく神宮球場にたどりついたわけです。

偽南渕：その高橋はいませんでしたね。

偽仁志：まあ、世の中そんなもんですよ。それについては「広島」のほうに書きましたので、ここは中日について。

偽南渕：出場予定選手は以下のとおりでした。
落合英二（日本大学）、中野栄一（亜細亜大学）、渡辺博幸（日本大学）、関川浩一（駒澤大学）

偽仁志：試合前のセレモニーでは、落合、中野、渡辺の３人が出場選手として整列していましたね。

偽南渕：試合に出たのは中野だけだったなあ。中野は、試合前のキャッチボールで、阪神の赤星にずいぶん偉そうな態度をとってた。

偽仁志：ほんとにそういうのによく気がつくねぇ。

偽南渕：おかしいなと思って選手名鑑を調べたら、赤星は亜細亜大学で中野の２年後輩だと判明。いくら新人王でも、２年も先輩だと、プロの実績とは別なわけね。

偽仁志：中野は投球練習する投手のブルペン捕手を務めてけっこう働いてました。関川はぜんぜんいなかったな。

偽南渕：セキさーん。どうしたんだ。

偽仁志：いなかったねぇセキさん。

偽南渕：セキちゃーん。さびしい。

偽仁志：ナベはキャッチボールに出てきてたけど、セキさんは手術したばっかりだし。前日のパーティだけ出たんじゃないかな。

偽南渕：せきかわー。早く帰ってこいよー。

偽仁志：はいはい。

偽南渕：でもいいんだ。中日に入れる選手、３人も見つけたからね。

偽仁志：ほお。ではその３人の活躍を中心に、試合を思い出してみますか。

●チャンスに強い山崎２世

偽南渕：プロ側の先発は、超アンダースローのロッテ渡辺。シーズン前には最近珍しい、本格的なサブマリン投手として話題になった。公式戦にはそんなに出なかったけど、我々はフレッシュオールスターに引き続き、見ることができて、ラッキーでした。

偽仁志：ところがその渡辺、初回にいきなり被安打＞次の打者で併殺＞３番の駒澤の主将・新垣に三塁打を食らう！

偽南渕：渡辺はいきなりアマの洗礼を食らいましたね。あわやレフトスタンドに入るかと思われた大きな打球でした。駒澤大学、さすが今年の優勝校です。「神宮のレフトにはこう打つんじゃ！」ってかんじでしたね。

偽仁志：このとき、レフトにいたのがカープの新井。

偽南渕：新井の、フライを追いかけて右に左によたよた動いた姿、プロっぽくないなぁ。

偽仁志：慣れないポジションですから無理もないです。

偽南渕：そのかわり、２回表の自分の打席でライトオーバーの流し打ちで三塁打を打って面目を保つあたりはプロですね。オレは打ってなんぼの男じゃ、ってとこです。

偽仁志：問題は、これに続く４番の村田修一内野手、日大の３年生。注目のスラッガーだそうですね。

偽南渕：この回は二死三塁で三振に倒れたけど、見逃しの判定はボールくさかったのを審判がストライクと判定しただけで、村田に同情すべきです。そのあと、結局この日の村田は４打席３安打５打点１本塁打ですよ！

偽仁志：思い切ったスイングしますよね。

偽南渕：第二打席、讀賣の二軍左腕投手佐藤を粉砕したホームランのときの振り抜き方、見たかねキミ！

偽仁志：はいはい。

偽南渕：まさにやまさき二世だよ！　しかも勝負強いやまさき！　渡辺と落合の日大OB勢にはぜひがんばって、村田をひっぱってもらおう。

偽仁志：落合−渡辺−村田、というのもなかなか印象的な顔の路線ですね。

偽南渕：村田はプロゴルファーの服部道子に似てるな。

偽仁志：わははは。体はがっちりしているんだけど、顔の部品だけ女顔ですね。

偽南渕：変化球を待って打てるし、今大学３年生だから、中退させてでも採りたいなぁ。村田こそ竜の申し子だよ。

偽仁志：な、なぜ竜の？

偽南渕：なぜでもいいだろ。それにしても、村田に２ラン打たれた讀賣の佐藤、いかにもバッティングピッチャー向きの球筋なもんだから、軽くアマの洗礼浴びてたね。

偽仁志：パスボール後のホームランでしたね。その次の回も放ってましたが、四球連発、いくらオフの交流試合でも、ちょっと気の毒。何だって変えなかったんでしょう。

偽南渕：讀賣が佐藤をテストしてたんだよ。「キミも、もうそろかな？」ってね。

偽仁志：うははー。そりゃ厳しすぎ。あげくに押し出しで１点やってましたよ。

偽南渕：そこでさすがにヤクルトの花田に変えてました。

偽仁志：花ちゃん、ここで３打席目の村田を迎え、走者一掃の２ベースヒットを食らってました。村田、アマの洗礼浴びせすぎ。

●体力がありそうな立浪２世

偽南渕：ちなみに四球を選んで満塁とし、アマ側に押し出しの１点をもたらしたのは日大３年生の林弘典外野手。選球眼がある左打者で、１７２センチ７０キロと小柄だから、立浪２世ってとこ。

偽仁志：これも中退させるんですか！

偽南渕：させたいねぇ。野球センス抜群です。

偽仁志：ふたりも大学中退して来てくれたら中日も大したものですね。

偽南渕：キミが買った東都リーグの機関誌「東都スポーツ」２００１年秋季号によると、林はこの春のリーグ戦の首位打者なんだね。シーズン最多安打を更新する３０安打を放ち、打率５割、５盗塁だったそうだよ。

偽仁志：なるほど、そりゃ確かに往年の立浪ですね。「話すのは苦手」でシャイだそうです。これで大砲とチャンスメーカーをゲットしましたね。投手はどうします？

●クリンナップを抑えられる川上２世

偽南渕：亜細亜大学の右腕、４年生の山本浩司で決まりだね。強気なところが川上２世ね。

偽仁志：山本はすごいねー。この試合を中継していたＪスカイスポーツの解説者陣も、大いに注目してましたね。

偽南渕：讀賣が外れ１位で指名するっていう話だったけど、結局ドラフトにかからなかったね。１、２年生のときの怪我のせいだろうか。

偽仁志：でも治してこうやって出てきているんだし…。就職が内定しているせいもあったのかなぁ。

偽南渕：どうしても行きたいチームと何か約束があるのかもしれない。

偽仁志：あらら。それが讀賣なんじゃないの。がんばらなきゃ中日…。

偽南渕：キミはどうせ、名前がやまもとこうじだからウケてるんだろうけど、この日の山本の投球、すごかったぜ。黒木タイプの速球派で、清水、小久保、今岡のプロのクリンナップを手玉に取ってたんだからね。

偽仁志：コールされたとたんにスタンドがざわめいてたのは名前のせいじゃなかったのか。

偽南渕：……。

偽仁志：冗談だって。山本は見てて楽しい選手だよ。態度が強気！　一球一球が本気で、しとめたあとの、してやったりっていう表情やしぐさもプロ向きの性格をあらわしてるね。

偽南渕：わかればよろしい。

偽仁志：それに比べ、亜細亜大学の捕手、小山良男は、小山ってかんじの薄い顔に良男ってかんじの笑い顔で、これはこれで見てて楽しい。

偽南渕：ルックスで差別するなよ…。

偽仁志：いや、プロ向きかもってほめてるんだよ。なまじマスクかぶってるだけに、垂れた眉と細い垂れ目がよけいに際立って、それがサイン出したり走者を刺したりするんだから、ちょっとたまらないね。「東都スポーツ」によると、責任感の強い性格で信頼も厚いらしい。そうだろうなー！　垂れ眉垂れ目の自己中なんかいないよ！

マスクからのぞく、良男顔

偽南渕：えなりかずきに似てるね。

偽仁志：しかもツッパリの伝統輝く名門・横浜高校出身！　えなりかずきなのにヨタ高！　面白すぎる。３年生の正捕手なんだけど、悪いけど小山くんも中退して中日に来てくれないかな。

偽南渕：だめ。山本の話に戻しなさい

偽仁志：ちぇー。

偽南渕：学生側の投手はひとり１イニングと予定されていたそうだけど、山本は２イニング投げた。学生側監督の駒澤の大田監督は、そうとう山本をアピールしたかったはずだよ。

偽仁志：３回表は、亜細亜大学の先輩・赤星がショートの頭上を越えるヒットで出塁したけど、あとはノーヒットでしたっけ。

偽南渕：そう。しかもＪスカイスポーツのインタビューに答え、「（前日のパーティで赤星先輩に）『自分、抑えます』と予告したけど打たれちゃいました」ってさ。

偽仁志：いいねぇ！

偽南渕：あと「緊張はなかったです」「リーグ戦より楽でした」。どうだ、この気の強さ。

偽仁志：「東都スポーツ」には「青学大の石川ばかりが注目される東都の秋に、遅咲きの大器がドラフト戦線に殴り込む」と威勢のいい紹介文が。

偽南渕：プロのベンチは山本の速球に「おーっ」と歓声が上がっていたそうだし、中継ゲストの入来弟、彼も山本の先輩なんだけど、常時１４５キロ出せるとほめちぎっていた。

偽仁志：うーん。なぜだれも取りに行かなかった、やまもとこうじ。

偽南渕：このオフのキミの宿題にするから調べなさい。

偽仁志：「名前が紛らわしいから」っていう仮説で調査してもいい？

偽南渕：そのネタくどい。

偽仁志：ちっ。

おまけ：プロ側では北川が２安打、１打点と、けっこう活躍してました。
日大３年生の春に首位打者だったそうです。

１打点入れた７回表に写真を撮りました。
北川といえば、こどもに人気のこの笑顔。

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せっかくだから、クローズアップにしてみます。

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サードまで来たので、「走る北川」を狙いましたがすべて失敗し、こんなのがなまじ鮮明にとれてしまいました。
サードコーチャーズボックスの、ハム史に残る偉大なる白井一幸さんの背中をお楽しみください。

試合後、歓声に応えて、ものすごい笑顔でネット際まで寄ってくる北川選手。
その表情もデジカメで押さえておこうと思ったが、ズームを引かないと歯のアップになってしまうので、必死でレバーを操作したのに、なぜかレンズが動かないっ！
恐怖のなかでシャッターを切った結果がこれであるが、これ何？

「D型掲示板」のお客様・ぴいにゃさんによると、この日の北川は：

試合終了後、阪神ファンの「北川さん、阪神に帰ってきて！」の声に、
「や・だ」と
にこやかに応えていたのが印象的でした。

だそうです。
　

2001/11/29