| 2002年版 南西対談11：若者のプライド 10月14日（祝）阪神甲子園球場 中日 0 1 1 0 0 0 0 3 0 ｜5 （11安打） ■本塁打
●朝倉、波乱のシーズンを終える 偽仁志：さる、なかなか１勝できなくて、同期の高卒ドラ１の河内にも先をこされ、遠征先では「勝つまで外出禁止」の刑まで課せられてたけど、今季は一気に11勝。よかったよね。さらに２００イニングが間近なのなら、誇るべき記録をひとつでも多く達成させてやりたいのは親心というものでしょう。 偽南渕：ところが、そういうときに限って平常心を保てなくなるのも若者の特質で…。２回裏には打者一巡の７失点。 偽仁志：味方のエラーもあったし。 偽南渕：森野だよ森野！ どこを守っても怖い、このところサードだった森野！ 一死一三塁で山田のピッチャーゴロを森野が悪送球で２失点！ ここから始まったんだからね。
偽南渕：朝倉は打席に立つと、ランナーなしでもいつもバスターの構えをするね。 偽仁志：ああっ。偽南渕さんに急に平常心に戻られてしまった。朝倉は見てて悲しくなるほどバントがへただったのに、ちゃんとやれるようになって、そしたら打点まであげるようになりましたね。 偽南渕：すり足投法が成功したことといい、「キミは打席に立ったらバスターだよ」って型にはめてやったほうがうまくいくのかもしれない。今回も成功してた。 偽仁志：しかもあの炎上した２回裏の次の回だから大したものです。ウグイス嬢が「バスターを成功させた朝倉選手にバスタオルセットが贈られます」って言ってましたが、あれは駄洒落なのでしょうか。あと、「阪神タイガース」て染めてある、縞々に虎のマークつきのタオルなんじゃないかと…。 偽南渕：「阪神百貨店」とかね。 偽仁志：何にしても、若者はこうやって、挫折を覚えながらも自信を積み重ねていくんですよ。 偽南渕：その意味では、この最終戦は、引退する阪神のベテランをねぎらう試合であったとともに、うちの若者のプライドを守る試合でもあったね。 偽仁志：おっしゃってるのはアレですね、宮越の登板ですね。開幕早々のカープ戦で鶴田に負けた日、１アウトしかとれず５失点で降板 して即２軍落ち。下でそこそこがんばってたんで、最終戦にあげてきました。 偽南渕：このまま終わってたら、宮越の防御率は135.00というギネスものの数字になるところだったもんなあ。 偽仁志：中日側スタンドに「目指せ！ ２桁防御率」って垂れ幕が出てたよ。 偽南渕：出てません。宮越はみごと期待に答えて５回と６回の２イニングを無失点、防御率を19.28まで改善しました。一気に下がるものだねぇ。 偽仁志：135.00はさすがにセパ両リーグを通してダントツのワースト１。しかも１試合1/3イニング自責点５です。そこまで炎上させ続けるとは「中日の投手コーチってどうよ」言われても反論できませんが、ここでひそかに挽回。これでセではワースト３位、両リーグ合わせてもワースト５位となりました。 偽南渕：またそういう、くだらない記録を探してくる…。 偽仁志：パは主力投手の防御率が４点台も当たり前で、打高投低のイメージがあったけど、実は２桁防御率投手はとても少ない。宮越の上を行ってるのは、西武の竹下（27.00、１試合１回、自責点３）、オリックスの田村（27.00、２試合1/3回、自責点１）。 偽南渕：セで宮越の上をいく二人は？ 偽仁志：これがカープなんですよだんな。 偽南渕：何が「これが…」？ 偽仁志：だってカープはあと２試合残ってるんですよ。抜きにくるかもしれない。 偽南渕：そうかねぇ…たいしたモチベーションにならないと思うけど。で、だれなの。 偽仁志：ワーストは矢野の36.00、１試合１回、自責点４。次が菊地原、19.28、２試合２＋1/3回、１敗、自責点５。菊地原は故障でもう投げられないけど、矢野は怖いなー。怖いよー。若いし女の子にも人気があるしー。若者のプライドを守りに来るかもよー北別府。 偽南渕：ひとりで怖がってなさいね。 ●未来は若竜と渡辺博幸のもの 偽仁志：では今季の中日打撃陣を振り返ってみましょう。 偽南渕：いつからそんな、まともなペナントレース分析になったんだよ。 偽仁志：しめくくりは渡辺の三振でしたね。 偽南渕：マウンド上は遠山。登板を告げるウグイス嬢の声が涙声でした。 偽仁志：渡辺ってのがまた適任だね！ 「あと1球」コールのなかで、最後の球を空振りするのに、これほどの適格者はいるでしょうか。きょうはチャンスにはだめだったものの、８回には替わった川尻からいきなりツーベースヒットを奪い、３点返すきっかけを作ってました。でも最後は空振り、ほんとに気のいいやつです。 偽南渕：遠山は苦労人だよね、よくがんばったよね。 偽仁志：遠山といえばうちにいた武田と見分けがつかないことで私のハートをわしづかみにしていましたが、武田が必ず阪神の坪井に打たれるのと同じぐらい、遠山も讀賣の松井を押さえてたよね。数式にすると、松井＜遠山＝武田＜坪井。 偽南渕：どういう数式だよ。で、打撃陣の分析は？ 偽仁志：守備陣はどうでしょう。 偽南渕：面倒になったんだろ。まあいいや。守備といえば、今年はまぁまぁだったなんて前回は書いたけどさ。７回に、一死一、二塁で八木のライトフライのとき、上坂が二塁からタッチアップで三塁に行ったあと、セカンドがちょっと緩慢な動きだったのをすばやく見て、本塁を突いたよね。あれはナメられてるよドラゴンズ。 偽仁志：きぃーっ。阪神のくせに生意気ざます。このあいだまでうちに１桁しか勝ってなかったくせに、ここへきて結局11勝もするなんて、くやしいざます。まあ、きょうは大西＞荒木＞井端＞高橋＞森野＞幕田＞森＞田上＞朝倉、というチンピラ打線で、とくに大西や井端がお役御免となった中盤以降は、今年守備で見せてくれた連中と大きく違う顔ぶれだったからね。 偽南渕：「いつもと違うメンバーだから大敗してもいいもーん」なんて思ってたらキミも球団も大間違いだよ。きょうは森野と高橋で３失策もしたようだけど、３年後のスタメンは、福留や井端を軸に、森や森野、荒木、幕田、高橋、蔵本、渡辺なんだよ。しっかり教育しなきゃ。 偽仁志：ちょと待ってください。渡辺、まだチンピラといっしょにやってるんですか。今年３２歳なんですけど。でも言われてみると、渡辺ってほかの三十路に比べて、老け込んでるかんじが全然ないね。 偽南渕：大きく成長もしないけど、老け込んでもいない。練習ではスタンドの椅子をぶちこわしそうなホームラン連発、試合ではそこそこ。守備もまぁまぁだから、使われることは使われる。 偽仁志：渡辺って、最後までそんなかんじなんだろうなー！ 今年は渡辺に始まり、渡辺に終わりましたね。 偽南渕：いつ渡辺で始まったんだよ！ （2002/10/14） |