2002/2/10補足はここをクリック

『新春！　プロ野球オールスター場外乱闘
ホントのところ日本一はどこなんだスペシャル！』

放映：2002年１月２日　22:00〜23:30（フジテレビ系）

中日ドラゴンズ成績：３位
出場選手：山本昌、立浪和義

■清原なぜ強い

偽南渕：結局「日本一」は讀賣ジャイアンツということになりましたが。

偽仁志：これはゲームやクイズというより、審査員の仰木彬や金村義明やデーブが面白いと思ったチームが勝ち、という形式。

偽南渕：司会の浜田雅功がうまく話を引き出してくれて、珍しい話がたくさんきけたね。

偽仁志：ハマちゃんはしゃべらせるのもうまいけど、話をやめさせるのもうまい。だから面白いトーク番組が作れるんじゃないかな。

偽南渕：番組としても、編集の工夫が多くて、面白かったよね。

偽仁志：スタジオで選手が話したことの裏をとるために、番組側がまとめたビデオを挟んだりしてたね。

偽南渕：で、清原が一番たくさんネタになったので讀賣１位。

偽仁志：佐伯が回答に「株主求む」と書いたりしてよく目立った横浜が２位。

偽南渕：うちの３位はこれでも健闘したほうでしょう。

偽仁志：今オフのバラエティの特徴は、佐伯が「お笑いタレントみたいな面白選手」として、かつて日ハムの岩本がいた席に座っていること。

偽南渕：岩本はトークのうまさ、面白さだから、エピソードの中身が面白いほうが点が高くなるこの番組では、いずれにしてもちょっと不利でしたね。

偽仁志：うちが３位になれたのも、
・中村が酔って自分で根性焼きをし、翌朝、痛くて部屋で泣いてた
・中日の選手は中日新聞タダにならない
・乱闘に出遅れたら罰金ウン十万、ただし出遅れたやつナシ
といった、ネタの力でしょう。

偽南渕：ネタが多いから有利だとはいっても、清原はやっぱり大したキャラクタだよ。この番組も、結局清原のための番組だね。

偽仁志：ま、だれが見てもそうでしょう。結局どんなテーマでも清原の話になるんだもの。でも、一方で巨人を笑いものにしてたんで、そんなに不快でもなかったね。

偽南渕：いや、清原のためだけど、決して讀賣のため、ではないね。

偽仁志：そうかー。確かに。隣にいた上原にはそんなに話を振らなかったし。

偽南渕：ていうか、この番組の裏コンセプトは、「ホントのところ、日本一のワルは誰なんだスペシャル」だと思うね。中盤の「ワル自慢大会」をやりたかったための企画と見たね。

偽仁志：ほかの人の自慢は、清原のワルとはちょっとジャンルが違うけど。

偽南渕：みんなこどものころの犯罪を大いばりで公開してて可笑しかった。
・日本ハム岩本、こどものころ自転車を盗む「ワンキックでカギ壊しましたよ」
・西武デニー、こどものころクルマを盗む
みたいな。

偽仁志：清原が「マスコットの絵を描け」という問題で、席の前に貼ってあるYGマークをはがしてカンニングしたのは 、器物破損の現行犯ですが（笑）。

偽南渕：結局、この番組は、みんな清原を恐れているということを言いたかったんだよ。それも、選手だけでなく審判まで。ほら、清原がハーフスウィングを空振りと取られて激怒した横浜戦のシーンが放映されたでしょ。あれからね、清原のハーフスウィングは二度と空振りじゃなくなったんだよ。

偽仁志：今年も偽南渕さんは邪推系なんですか。

偽南渕：まあ、そう思う人はそれでいいですよ。でも、今年はストライクゾーンが球３つ分も高く取ることになったから、ハーフスウィングどころの騒ぎじゃないね。乱闘は必須でしょう。面白くなるぜ。

■立浪、清原への道

偽南渕：結局うちがこの番組で負けた原因って「中日には清原がいないから」になっちゃう ね。

偽仁志：そのとおり。だからどのチームも、迫力があって強気で、でも可笑しくてネタになる「清原二世」候補を並べてたんだよ。12球団清原対決。フジテレビによる「21世紀の清原を探せ」公開オーディションとも言えます。

出場選手一覧：
★印が清原二世候補

ヤクルト＝★古田、高津
巨　　人＝清原（本物）、上原
横　　浜＝★佐伯、三浦
広　　島＝★金本、東出
中　　日＝★立浪、山本昌
阪　　神＝矢野、★広沢

近　　　鉄＝★前川、門倉
ダイエー　＝★小久保、山田（秋）
西　　　武＝★デニー、松坂
オリックス＝★金田、大久保
ロ　ッ　テ＝★黒木、福浦
日本ハム　＝森本、★岩本

偽南渕：そりゃ本物が優勝するわ。

偽仁志：では中日代表、立浪の清原っぷりを検証してみましょう。

偽南渕：そういえば、今オフは立浪が爆発しているよね。

偽仁志：お正月の、名古屋の番組でも、勝手な言動で笑われてるようで。

偽南渕：星野いなくなって、怖いものないもん。それでいて星野派であり主流でもあるんだから、何でも言えるじゃん。

偽仁志：で、この番組での爆発ですが。「血の気の多いチームはどこだ」（過去５年間の退場者数を争う。中日は同率２位）、「血の気の多い選手はだれだ」みたいなコーナーで、当然、中日が注目される。そこで立浪が話に出してきたのが、昔うちにいた岩本。

偽南渕：澄ました顔で「乱闘要員」と言い切ってたね。「カープの長島さんを血だらけにしてた。なのに３年後には同じ球団で仲良くやってた、という」だって。

偽仁志：すっげー意地悪な言い方！ あと、自分は乱闘に関係したことがないかのような言い方！

偽南渕：まあ、ふだんは人が暴れてるのを止めるほうだったんだけどね。

偽仁志：自分が橘高事件の発端を作ってるシーンがきっちり流れてたじゃないか。

偽南渕：それから星野監督についてもバラしてましたね。

偽仁志：これも涼しい顔で、「代打を告げるときに『あのヤローからこのヤローだ』。それも（トラブルがあったあととかではなく）普通のときですよ」。

偽南渕：選手って、そういうの、よく聴いてるんだねぇ。

偽仁志：たっちゃんも今に「ヤマサキに替えてあのヤロー」つって左の代打の切り札にしてもらえるよ。

偽南渕：……。

偽仁志：清原は、西武時代からの後輩いじめをデニーや松坂にバラされて、「いや、東尾さんに教わったプロの厳しさを、後輩に継承しなきゃな、と」とトボケて笑いをとっていました。立浪には次はこのジャンルを体得してほしいです。

偽南渕：だれが立浪の意地悪をバラすの？

偽仁志：ハムの岩本…阪神の片岡…あと、横浜に行った中村武志。人材にこと欠かないじゃないか立浪！

偽南渕：でもグランドでのたっちゃんは、基本的にはさわやかだよ。

偽仁志：そうなんだよね…。精神力が強くて落ち着いてるからね。むしろ、テレビ中継なんかでは、あせる気持ちをぐっと抑えているところはよく見る。

偽南渕：テレビといえば、清原が、「かかってこい！」みたいなしぐさをしているのは繰り返し流されるけど。

偽仁志：立浪が怖い顔をしているのは、試合中よりも、後輩の素振りをベンチで見つめてるときとか…。あと、むしろユニフォームじゃないとき。ドライヤーでおっ立てたような前髪や、寺原顔負けの細眉も、怖いよね。

偽南渕：清原の怖さに比べたら、わかりにくいかな。

偽仁志：いっぽうで、「大阪出身」「ＰＬ」「甲子園のアイドル」「背番号３」「高卒エリート」「お店の子」と、清原と共通点が多いのも確か。その線から、テレビのみなさんに清原二世候補として注目をお願いしたいな。

偽南渕：で、清原引退後はうちがこの番組で日本一に？ たっちゃんはさわやかイメージで要領よくやりたいだろう。

偽仁志：さわやかイメージでやりたかったのは、西武時代の清原も同じだったと思うよ。うーん、そう考えると、立浪はよくイメージを保ってるよね。

偽南渕：つまり清原と立浪は違うからだよ。

偽仁志：まあね。同じ大阪でも、清原は浪速、立浪はおとなしい摂津だし（関西マニア）。わかった。いいよ中日、こんなもんで優勝しなくても。

偽南渕：それか、番組のほうが「さわやか日本一はどこなんだスペシャル」になればいいんじゃないか。

偽仁志：今回のハマちゃん司会のノリをひきずるなら、おっかなくて意地悪なエピソードをいっぱいバラされながらも立浪のさわやかさは変わらず、優勝！ で、一同うんざり！ っていう屈折した番組が作れますね。それはそれで「清原二世」かもしれん。