●カープOBに心配される

偽仁志：今年のゴールデンウィークはぜんぜん「大型連休」じゃなくて「飛び石連休」でしたね。

偽南渕：ドラゴンズは大型飛び石連敗。

偽仁志：うまいこと言いますね…。

偽南渕：流れが悪くてさー。采配もおかしくて、あれじゃさぞかしベンチ内の雰囲気が悪かっただろうよ。

偽仁志：カープに３連敗したときは、解説の大下剛史さんにまで大真面目に心配されてたね。５月１日の試合後広島ホームテレビの中継アナに中日に対するコメントを求められて、「おわかりのとおり。言葉がないですね。山田監督の心中を思うと。がんばってほしい。立て直してほしいですね」。

偽南渕：敵にそこまで、何のハッタリもないベタな同情をされるとは。

偽仁志：広島ホームテレビの中継は楽天的でいけないや。貧者の一灯みたいにうちの心配してる場合でしょうか。カープのほうこそ立て直さないと、投も打もひどい数字じゃん。横浜のほうがひどいけど、あっちは本塁打が多いとか村田が新人王候補になりそうだみたいなとりえがあるじゃん。

偽南渕：たしかにうちはカープや横浜よりは戦力が整っているし、讀賣ほど怪我人だらけでもないけどね。采配でマケてるっていうのは選手のあいだに不信感がつのってくるからまずいんだよ。

偽仁志：カープもそこまで読んでるから自信持って向かってくるのかもね…。

偽南渕：うちはこのままいやな雰囲気にのまれて集団睡眠にかかり、全員爆竜ならぬ爆睡打線になるかも。自分のことでせいいっぱいな若手がどこまでひっぱってくれるかぐらいしか望みはないね。

偽仁志：そういえば、連休の初日からいきなり、山本昌が好投してしかも打点まで入れてたのに継投失敗でマケたね。

偽南渕：あの４月29日の試合はターニングポイントだった。山田監督のコメントがまた、全然わかってないよ。「貯金があるうちに何とかしよう」って…。呑気を装う必要があることもあるけどさ。

偽仁志：谷繁＋ギャラードが出て２失点もして大塚が１失点、これでサヨナラマケしちゃった。あそこのことね。

偽南渕：どうせ打たれるならギャラードのままにして負けておけばよかったんだ。それを大塚にかえることで、傷つくのがふたりになっただろ。逆に最初から大塚で行き、おさえてたら、いや、失敗しても、いずれにしてもそれを見てギャラードも奮起しただろうね。

偽仁志：ストッパーがふたりいて競わせて成功する例ってあるんだろうか。

偽南渕：でもこういう現状なんだからしょうがない。今の惨状の源は、連休の少し前に神宮で歴史的な大敗をしたのにさかのぼれるね。あの時期は、佐々木が親御さんの不幸で不在で、山田としては孤独な決断を強いられた。あえて同情すべき点があるとしたらそこだろう。

偽仁志：采配といえばね。前回私はこんなことを申しました。
＞では今後の注目ポイントは？　先発陣の再編と不安定なギャラードの扱いとレフトかな？
これについておわびと訂正をさせてください。ギャラードが不安定だというのは私こそ集団催眠にかかってたらしくてよ。

ギャラード、今季成績(2003/5/14現在)
日付 打者 安打 四球 失点 捕手
3/30 　４　 １　 ０　 １ 谷繁
4/02 　４　 ２　 ０　 ０ 谷繁
4/05 　４ 　１ 　０ 　１ 谷繁
4/08 　６　 ３　 ０　 ３ 谷繁
4/10 　４ 　０ 　１ 　０ 谷繁
4/11 　４ 　１ 　０ 　０ 谷繁
4/15 　３ 　０ 　０ 　０ 中野
4/16 　３ 　０ 　０ 　０ 田上
4/19 　４ 　１ 　０ 　０ 中野
4/23 　３ 　０ 　０ 　０ 中野
4/25 　５ 　２ 　０ 　１ 中野
4/25 　４ 　０ 　１ 　０　
4/29 　４ 　３ 　０ 　２ 谷繁
5/ 3 　３ 　１ 　０ 　０ 中野
5/ 9 　５ 　０ 　２ 　０ 谷繁
5/11 　４ 　０　 １　 ０ 柳沢

（sato23さんの『Sorepena2003/久志の憂鬱』「2003年のドラゴンズ　76　山田監督、ボケ始める」より。4/30以降は東山が転記、追加 ）

sato23さんは漢（おとこ）だよ。私が「渡邉サザエさん説」なんかのために表を作ってたときに、こんな表で「ギャラードは普通に押さえている」「クローザー失格として責められるような数字ではない」ことを 客観的なデータに基づき正しい情報を伝えようとしてくれていたのよ。「失点を繰り返していたのは谷繁が受けていたときの話」ということも。

偽南渕：その渡邉は連休後あたりからスタメンに入るようになったね。渡邉、内野ぜんぶ守れるから、いつもすごい数のグラブを持ち歩いているらしいね。

偽仁志：ちなみに渡邉は３日のカープ戦もサザエさんとして最後の打者になった。６日は準サザエさん。

偽南渕：なんだよ「準」って。

偽仁志：最終打者ではないけれどマケ試合の最後の回に出たケースを「準サザエさん」といいます。

偽南渕：言ってるのはこの世でキミだけだろ。

偽仁志：はい。そんなことも知らぬ渡邉は11日の日曜の夜、対讀賣戦は不振のクルーズとかわってスタメンで３安打３打点、「もうサザエさんとはよばせない」とばかりに活躍してくれました。

偽南渕：１回表の攻撃で上原からタイムリーを打ったあと、森野のヒットでホームでアウトになり、珍しく激しく抗議する場面もあったね。

偽仁志：この日東京ドームにいた中日ファンの全員が予測したように、やはり渡邉は翌朝のトーチュウや中日スポーツの１面はとれませんでしたけどね。そのかわりこれは母の日だったので、渡邉に限らず活躍した選手は全員お母さんのことを話題にされましたが、渡邉の場合はお母さんが少女まんがの超大物、わたなべまさこ先生と同じ名前なのがわかりました。

偽南渕：マケ試合の対談なのにこの日の話題を続けて悪いけど、その渡邉デーの翌朝、１面は結局立浪のヘッドスライディング。立浪は忘れもせぬ1994年、巨人との10.8優勝決定戦でめったにやらないヘッドスライディングをして脱臼したことがあるからみんなびっくりだ。記者になぜリスクを負ったのかときかれ、「必死でした。ボクもミスするけど荒木とか若いヤツは（ミスで）負けると死んでしまう。ボクも迷惑かけてきたけど、引っ張らなアカンのです」みたいなコメントをしてたでしょう。

偽仁志：確かにこの日荒木はエラーしたけどさ、名指しでそんなこと言ってたの？

偽南渕：トーチュウはただ単に「若いヤツ」だったけど、中日スポーツは

荒木とか荒木とか荒木とかとかとかｋｋｋｋ（エコー）

と名指しだ。「お前セカンド無理やろ」に続き、「セカンドやっとるようやけど、まだ俺の域に達してないな」攻撃だよ。「お前がミスばっかりやるから、俺が無理せなあかんのやないか」。これぞ立浪。

偽仁志：怖いよう。14日のヤクルト戦の中継では腰も足もだいぶいいようだって言われてたし、何かいつのまにか４番に座ってるし。これから２０００本安打に向かって、同僚にどんな怖い思いをさせるか、見てられないよう。

偽南渕：主力の人気選手の故障がよくなってきてるのに怯えるファンって何なんだ。

●だれでもいいから助けてくれぃ

偽南渕：５月３日から11日までの９連戦はどのチームもきつかっただろうね。最後のほうはどこもエラーや失敗だらけだった。

偽仁志：もちろんうちもひどかったね。そのせいで、９連戦の前半はあの最下位横浜に１勝２敗とマケ越しで始まるからびっくりしたよ。しかも８失点とか10失点とか。

偽南渕：10失点の５月５日のうちは、エラーはひとつだけだけど悪送球が多かったね。荒木がダイビングキャッチのあと、わざとバウンドさせて必死で放ったのをクルーズがとり損ねたのとか。

偽仁志：そのあとのイニングで、荒木は今度はクルーズに対して、背伸びしないと捕れないような高い球を 送球していた。あれは嫌がらせというかやつあたりというか。

偽南渕：なんだかチーム内でけんかが起きそうだなぁ。

偽仁志：なんて言ってるうちにクルーズはついにスタメンをはずれましたね。あーもったいない。

偽南渕：アレックスは米国ではチャンスメーカーだったらしいんで、１番に置いて少し復活のきざしが出てきたけどね。

偽仁志：立浪も自分で言ってるように、エラーや失敗が多くてさ。２０００本安打のために痛くても毎試合たくさんのイニングに出て、先に失策の記録を作るかと思ったよ。

偽南渕：でも結局９連戦は、５勝４敗とかろうじて勝ち越しか。

偽仁志：後半に、欠員だらけの讀賣と、中日には藪や藤田の裏ローテでくる阪神に当たったおかげだね。

偽南渕：現状ではうちは阪神にやたら強く、５月14日現在６勝３敗。でも伊良部ともムーアとも未対決だからね。

偽仁志：その３敗目は、大型飛び石連敗の終盤、これまで絶対マケなかった「ナゴヤドームにおける川上対井川の投げあい」。「川上対井川」でマケたことないもん、井川はナゴドーで勝てないもん、だからきょうぐらい勝てるでしょ 」と地元でふてくされている中日と、優勝のためには苦手なんか作ってる場合じゃないとひとつずつつぶしにきている阪神とでは、勝負は見えていましたね。

偽南渕：井川の決死のスクイズにそれは現れていました。なんせ、バットを縦に構えてボールに当てていたんだよ。いわゆる手裏剣返し打法だね。

偽仁志：川上は５月14日に何と右肩痛で登録抹消ですが、このあたりからもうおかしかったんだろうなー。

偽南渕：川上が落ちたけど野口が勝つなど、勝ったり負けたりになってきたドラゴンズ。２位から５位までが僅差なので、ちょっとがんばれば首位に迫れそうなんだけど。

偽仁志：４番立浪は仕事してるし、大西も本塁打がやたらと出て福留も復調、逆転勝ちが続くなど粘りも出てきた。でも先発で勝てないんですけど。

偽南渕：それは投手がよくないというより、野口や山本昌の例でわかるように、替え時のミスだから…。

偽仁志：小笠原なんか打たれても打たれても替えず、二軍で３試合16イニング無失点と好投してたからあげたのに、またすぐ落とす！　今年は中継ぎであんなに安定していたのに何でうまく使ってやれないのだろう。

偽南渕：小笠原は先発で何度もひどい失敗してたからね。戻すのも早すぎたんじゃないの。結果論だけど。左だという理由で上げていたらカープの広池と同じじゃないか。

偽仁志：広池は勝ちはつかなかったけど失敗なんかしてないよ。

偽南渕：そうだね。えらいねー。でも中日にも二軍に少しはいいのいるんじゃない？

偽仁志：だれ？

偽南渕：知らない。

偽仁志：そんな…。

偽南渕：だって決まったやつしか上がってこないんだもーん。去年の勝ち頭の矢口はどうしたんだ。

偽仁志：そういうわけのわからんわがまま言っていいなら私も言うぞ。小笠原でマケた５月10日の巨人戦、私はものすごく悔しかったんだけど、どうしてでしょうか！

偽南渕：10対２だからだれだってふつうに悔しいだろうよ。

偽仁志：でも一番悔しかったのはどこか！

偽南渕：清原の復活の３ラン？

偽仁志：最終回の蔵本、森野、荒木。

偽南渕：まあねぇ。あっさりしてたけど、でも点差が大きすぎるし、粘らず切り替えて翌日にかけたから11日は勝てたのかもよ。

偽仁志：だって荒木の次は渡邉だったんだよ！　この３人のうちだれかが出塁していれば渡邉までまわって、それでサザエさんで終わることができたのに。

偽南渕：またそれかよ…。

マケ試合詳細

４月30日

・サヨナラ負けで５連敗、５位転落
・延長10回で岩瀬が打たれる

・大西、先頭打者ホームランで花火師鶴田の先発復帰を祝う
・序盤の拙攻が響く
・とくに１回は無死満塁で併殺、２回も二死満塁で得点できず


５月３日

なお、「南西対談３」の終盤の記述「にしんはやはり甘辛く煮たほうがおいしい」について、にしんの塩焼きはあれはあれで居酒屋っぽくてけっこうおいしいのでは、と『テーブルトーク』の盛本パンジャさんが掲示板でおっしゃっていた。確かに、筆者が塩加減に失敗しただけかもしれない。

2003/5/14