前半

５月13日(火) ●7−9　ヤクルト（富山市民球場）
５月14日(水) ○6−3　ヤクルト
５月15日(木) ○8−4　ヤクルト（以上石川県立野球場）
５月17日(土) ●1−3　広　　島
５月18日(日) ●2−4　広　　島（以上ナゴヤドーム）
（気が付けば４位）

●頑張れ速球派投手、あと荒木も

偽南渕：荒木はこのところ、打撃面でもそうよくないし、バントはへただし、守備に関しては悪送球が相次いだりして、かなり自信を失ってませんかね。

偽仁志：荒木の立浪との関係は、偽南渕さんの邪推とばかり言えないかもね。17日のカープ戦で死球をくらい、ベンチに消える立浪を、みんなこわごわ見送っているのに、ベンチにいた荒木だけこおりついたように前を見たまま、振り向きもしなかったよ。

偽南渕：立浪効果のほか、荒木は肩も傷めてる気がする。

偽仁志：えーっ。それで最近ゲッツーを見ないんでしょうか。

偽南渕：５月30日の千葉マリンスタジアムで生観戦したんだけどね。ヤクルトの選手を三振に取ると、普通内野手はボールをキャッチャーからサード、ショート、セカンド、ファーストと回して、ピッチャーに戻す「儀式」をやるはずなんだけど、それが、サード、ショートと回したら、直接ピッチャーに戻したんですわ。どうも、「荒木にはなるべく送球の負担を掛けさせるな」という配慮が感じられたんだけど。

偽仁志：立浪さんの２０００本安打のためには、守備の負担を軽くしたいから、荒木にはセカンドでふんばってほしいぞー。あと適当に雨天中止になって体を休めてほしいぞー。

偽南渕：そうだね。オレも「中日は　ローテの谷間を　雨で埋め」という川柳を作って雨乞いをしているぞ。さて13日のヤクルト戦から語りましょうか。先発石川は、柳沢に粘られてくたびれて降板したけど、負けたのは川上でした。で、防御率3.02で４勝していたのにこれを最後に登録抹消に。川上は４月なかばからずっと右肩が痛かったんだね…。

偽仁志：終盤は点差があるのでヤクルトが油断して、不調な五十嵐を出してきた。そこにつけこんで２点差にできたんだけどね。

偽南渕：五十嵐対福留はすごかった。福留がフルカウントになってからファウルで何球も粘る一方で、五十嵐も意地で速球を続ける。ショック療法で自信を取り戻したかったのだと思うけど、結局は福留にツーベースを食らってしょげていた。

偽仁志：でもそれで２点差になったもんで高津を出されてしまい、うちとしては万事休す。五十嵐がしょげてなくてそのまま仁王立ちしていたら、案外勝てていたかも。

偽南渕：ただ、今年はどうも速球投手が打ち込まれている。速球派受難の年かもしれない。

偽仁志：ほう。なんでそんなことになるのかねー。

偽南渕：野手がマシンで練習して、昨年からストライクになった高目の速球に慣れてきてるんじゃないかな。あと、今年は昨年と違って高めに入るカーブをストライクにとらなくなったことが大きいかもね。

偽仁志：今年はあちこちで異変が起きてるよね。どこも主力がやたらにけがをするし、審判の判定が覆るし、カープの投手を中心に、投手による「ランナーいなくてもバントの構え打法」がはやっている。あと去年あたりの数珠玉に替わり、かざりが２つぐらいついている、ちょっと長めのネックレスがはやっている。

偽南渕：それは野球に直接関係ないのでは。

偽仁志：直接関係ないといえば、ナゴヤドームって今年、大きなモールがついててショッキングピンクを多用した、キャバクラの看板みたいなボードがはやってない？

偽南渕：そんなこと言っていいのキミ。

偽仁志：キャバクラみたいでいけないなんて言ってませんよ。立浪さんなんか発奮してくれていいんじゃない。

偽南渕：知らないからね。

●みんな貧乏が悪いんや（カープの）

偽仁志：さて、ヤクルトは戦力バランスは阪神に次いでいいんだけど、13日の試合に続く金沢の試合は２連敗。金沢の試合、土砂降りの雨のなか、中断すらしませんでしたね。おかげでひどいアレルギー体質のヤクルト前田浩継、14日に福留に一発くらって16日に抹消。打たれたお仕置きじゃなくて雨でアレルギーが悪化したからじゃないでしょうか。心配です。

偽南渕：前回の対談ではカープOBの大下さんに山田監督のことを心配されてしょげていたくせに、前田の心配をしている場合かねキミ。

偽仁志：そのカープに、またしても連敗ですよ、うちは。

偽南渕：５月17日からの２連戦は、またもナゴヤドームにカープと高橋建が乗り込んでくると怯えたものですが、カープは次の阪神戦に高橋をまわすと早々に宣言、まずは「ナゴヤドームで立ち直らせたら日本一」の黒田に２勝目をあげさせ、日曜は「中日だから鶴田でいいや」とお気楽ぶりを見せ付けてくれました。

偽仁志：日曜の中継では解説の近藤貞夫と中継アナが、中日がいかにカープに弱いかを歴史的に説いてくれました。試合前の段階で対カープ６連敗だったんだけど、８年ぶりだって。異常事態かと思ったけど、そんなにひんぱんに起きてるのか！

偽南渕：これだからにわかファンあがりは…。そもそも、赤ヘルでカープが初優勝したときに２位となって貢献したのが中日だよ。カープは同じ地方球団なのに金持ちな中日には負けたくないだろうね。カープなんか、バットやグラブのようにスポンサーから無料提供されないロジンバッグや滑り止めは、ベルマーク貯めてそろえてるんじゃないの。

偽仁志：毎回毎回、カープ戦のたびに、よくそういう「貧乏」がらみのウソを思いつくね。

偽南渕：だってドラゴンズがカープに弱いんだもん。みんな貧乏が悪いんや。

偽仁志：はいはい。このあと中日は市民球場でまたカープと当たって、こんどは初戦は負けたあと２連勝できたんだけど、それでもまだ３勝８敗だもんね。

偽南渕：ま、順番に見てみますか。まず土曜は黒田対ヴァルガス。

偽仁志：黒田と中日といえば、本人がラジオで「不調なときでも中日戦が来ると立ち直れる」と言ってた２００１年のシーズン、よく完封食らってたイメージがありましたが、実は去年の黒田は中日相手に０勝４敗。とくに立浪、福留のＰＬコンビに弱いようです。

偽南渕：いっぽうヴァルガス。カープの新外国人、ハーストなんか、２ストライク取られるまではヴァルガスの変化球を大振りしてるから「あらまあ」と思ってたら、あれは打てないふりだったんですね。調子に乗ってヴァルガス、ボールばっかり投げてたら四球を出してしまいました。

偽仁志：点は入らなかったけどね。

偽南渕：カープは点を入れたイニング以外は大したチャンスなし、ていうか４回から９回まではランナーゼロのパーフェクトだよ。それでもマケるんだもんなぁ、ドラゴンズ。

偽仁志：うちが点を入れたのは８回、代打井上を関川がツーベースで返した１点だけでしたね。

偽南渕：そのあとオチョアが進塁打のひとつも打てばいいのに打ち上げて、仕方なく立浪がセカンドゴロで進塁させてたけど、渡邉がレフトフライで終わりだよ。

偽仁志：渡邉で終わるもんで、サザエさんかと思ったけどまだ８回でした。

偽南渕：９回は永川がまたセーブをあげたね。すごく落ちるね、永川のフォーク。翌日の日曜も「連続イニング登板解禁」とかで２回も投げさせられ、さすがにフォークが落ちなくなったりもしてましたが、中日のものすごい拙攻に助けられて連日のセーブ。

偽仁志：渡邉はこの日も８回の最終打者になりましたね。実は永川から谷繁と関川が連続ヒットで出たんですよ。で、渡邉が送れば一死二、三塁で一打同点になるところだったのに失敗。

偽南渕：解説の近藤さんが渡邉は打撃はいいはずなんだが闘争心がない、気が優しくて…って言ってたね。あんまり失敗するんで「落合もそうだけど、日大出身の選手は優しい顔が多いね」と、出てもいない落合まで責められ、中日が弱いのを日大のせいにされていた。

偽仁志：しかも、顔のこと言われてもねぇ。ところで渡邉が三振したとき、谷繁がサードに走ってアウトになって三振ゲッツーだったけど、関川は走ってなかったよね。サインミスですかね。

偽南渕：知らん。

偽仁志：…。カープにマケてそうとう悔しいんだねぇ。

偽南渕：いくらなんでも渡邉打つだろうと思ったんだろ。つられて荒木まで三振で好機活かせず、永川は立ち直る。ベンチの奥ではコーチ陣がサインを巡って険悪なムードで議論だ。

偽仁志：邪推が混ざってきたのでちょっと時間をまき戻すと、日曜の先発鶴田は福留と立浪に１イニング２発もホームランを打たれて、花火師健在ぶりを見せ付けてくれました。それでもマケるんだもんなぁ、ドラゴンズ。カープも点がとれるときにとっちゃえっていう勢いがあるのはいいけど、結局中日の采配ミスやまずいプレーに助けられている観がある。それでもマケるんだもんなぁ、ドラゴンズ。

偽南渕：采配ミスって、先発の山本昌の替え時ね。前回の讀賣戦での山本昌の先発試合は、替えるの早すぎで非難を浴びた。だからって今回は打たれてへとへとになってるのに、コーチがマウンドに行ったのみで交替なし。本人はさすがに「疲れたから替えてくれ」なんて言えず、続投してピンチを広げる。

偽仁志：中継カメラもブルペンの大塚を映してたし、ファンも解説も全員が「マケがつく前に交替！」と思ったのにね。

偽南渕：勝ちのために非情采配でいくのか、選手を信頼するのか、どっちか決めなくちゃ。選手も混乱するよ。

偽仁志：大塚はまた受難。山本昌のあとを受けて出てきて、すべての打者を打ち取っていたのに、味方に足をひっぱられていちいち内野安打になる。

偽南渕：一死満塁で出てきて、代打の代打浅井の内野安打で１点。それから木村拓也のゴロをセカンド荒木がホームに投げる際に、きちんとホームに投げられずにワンバウンドさせたため、谷繁がはじいて１点。

偽仁志：中継のカメラが最初は谷繁を映してたから、彼のエラーかと思ったけど、荒木につきましたね。

偽南渕：あそこは実はゲッツー狙いで、谷繁はノーバウンドで送球が来ると思ってて、 ワンバウンドだったからはじいたのかも。っていうのは、ゲッツーを狙うならノーバウンドじゃなきゃダメ。でも捕ってやれない球じゃなかったけどね。

偽仁志：だれが悪いっていうか、雰囲気がね…。

偽南渕：自分が悪いわけじゃないんで気分に余裕のある大塚が、荒木の尻をぽんとたたいて「気にするな」みたいにやって、続くノムケンをゴロに、この日先制ホームランだった緒方を三振にとってました。

●逆流行語大賞

偽仁志：ところで、オチョアの返球にイチローの「レーザービーム」に負けない名前を、ってことで公募していましたが、「サンダービーム」に決定したことが17日のトーチュウで報道されました。

偽南渕：オチョア本人の感想は？　本場の英語じゃないだろ？　Thunder Lightning（稲光）ならわかるけど。

偽仁志：「言葉のひびきがいい。自分のイメージにぴったり」だって。

偽南渕：大人だね…。

偽仁志：私も、今までさんざん中日のものすごいネーミングを見てきたし、今年も「ブルー・スリー」で恥をかかされてきたから、つい「まともじゃん」と思ってしまったよ。でも雷ってビームを発しますか？

偽南渕：しませんね…。

偽仁志：科学的におかしくてもイメージが合えばいいけどさ、稲光はジグザグでしょう。『サインはＶ！』の稲妻落としみたいに。

偽南渕：古いね…。

偽仁志：ビームっていうのはまっすぐじゃないとおかしいんじゃないの。

偽南渕：俺、「アレックス・ビーム」か「オチョア光線」がよかったけどなぁ。ま、オチョア最近レーザービームしないから定着しないよ。

マケ試合詳細

５月13日

・先発川上、４回に二死から３連続適時打で３失点
・６回には石川に２点タイムリー
・６回はさらに久本からラミレスが満塁本塁打

・９回、福留の２点三塁打などで３点を返す


５月17日

勝投手＝黒田（８試合２勝３敗 ）
セーブ＝永川（１１試合１勝１敗８Ｓ）
敗投手＝バルガス（３試合１敗）

・５回無死一、二塁のチャンスに代打福留が凡退
・唯一の得点は関川

・バルガスは３回、連打と四球で満塁、前田のタイムリーで２点先制され、荒木の併殺失敗で３点目

・黒田は開幕戦以来の２勝目


５月18日

■本塁打
C緒方（５号１点）、D福留（１１号１点）、D立浪（５号１点）

・広島戦７連敗。結局このあと23日に８連敗まで重ねる
・10安打で11残塁の拙攻
・８回、無死一、二塁で渡辺が２度バント失敗、空振り三振
・そのあと二塁走者谷繁がサードで刺殺
・４点目は荒木が本塁へ悪送球したため

・先発山本昌、制球難で７回途中で降板
・いっぽう広島は好機を逃さず２番手天野がプロ初勝利

●対ブラックシャドウズ戦初勝利

偽仁志：とか言ってるうちに中日は、５月22日には「ハマスタ行けばドラに勝ちがつかない」 悪の霊能者集団、ブラックシャドウズの一員である偽南渕さんがスタンドにいたにもかかわらず、勝利をおさめてしまいました。

偽南渕：俺は21日にもハマスタのレフトスタンドに出動し、きっちりとマケを重ねたんだが。22日の試合に勝てた理由は、内野席でマケ試合を見たことがないという奇跡の男・BULLYさんが出動していたためでしょう。

偽仁志：初勝利にわくドラゴンズは、翌23日は「ドラゴンズっていうかナゴヤドームに強いだけ」だったはずの高橋建相手に、広島市民球場で「高橋建専用ブルースリー」の渡邉・谷繁・荒木を並べてつぶしにかかったのにまたも負け。

偽南渕：しかしそれで肩の力が抜けたか以後はカープに２連勝、通算３勝８敗としました。

偽仁志：好事魔多し。28日には朝倉が骨折していたことがかわいそーに今頃になって発覚したというニュースが飛び込んできたよ。

偽南渕：エースの藤井を故障・手術で欠くヤクルトに同情していたのはいつの日のことだっただろうね。

偽仁志：そのヤクルトは開幕後にとったベバリンがいつのまにか防御率２位に躍進してるんですけど。相変わらず主力が欠けた穴をふさいでおつりが来る。スカウティングがうまいよね。

偽南渕：でもヤクルトも先発不足に違いはないよ。石川、ベバリン、ホッジスぐらいだろう。

偽仁志：今年のセリーグは打高投低だけど、とくに阪神以外は先発不足とか先発の不振が目立つよね。何しろ阪神以外は、規定投球回数に達している先発投手で勝つ試合が、勝ち試合の半分を超えないんだよ。

偽南渕：ヤクルトや広島はいわゆる「ひとりローテーション」状態に陥って久しく、横浜はだれも計算できる先発がいないし。

偽仁志：中日なんか、規定投球回数に到達している先発で勝った試合は５つ、横浜と並ぶリーグワーストの少なさだよ。勝ち試合じたいは横浜の倍近い数なのに。

偽南渕：中日は中継ぎがまだ安定してるからね。去年よりずっといいでしょう。同じように先発がショボい中日、広島、横浜だが、中継ぎがいい順に勝ちを重ねているはずだよ。

偽仁志：中継ぎといえば、５月30日には中継ぎの落合がなんと５勝を数え、チーム勝ち頭となってしまったね。やはり中日を支えるのは投の落合、打の渡邉の日大勢なんだね。

偽南渕：「日大は顔がダメ」っていうのと同じぐらい説得力がないんですけど。

（以上数字は2003年５月30日現在）

マケ試合詳細

5月21日

2003/5/30

2003/6/1