偽南渕：いーや、そんなことはないね。なんせ、オレは2001年オフの「東都大学リーグ70周年記念プロアマ交流戦」で、当時新人王を獲っていた赤星に対して、ほとんど１軍の試合にも出場していなかった中野が偉そうにしているのを目撃したからね。そのとき以来、彼らの動向に注目してるんだよ。

偽仁志：その話は→ここで。

偽南渕：さらに、投げていた久本は最終回に打席がまわってきて、これも亜大の先輩・井端に代わっていた。井端、肉離れで療養中なのに。すごいなぁ亜大。

偽仁志：それは関係ないじゃん。

偽南渕：この日の中日は10安打１得点というどうしようもなさだったけどさ、大西は偉かったよね。得点にはからまなかったけど、最終回の二死からのヒットは痛快だった。だって、阪神ファンの「あと１球」コールを黙らせたんだよ。

偽仁志：そういえば、中退だけど大西も亜細亜大学だね。

偽南渕：そうかぁ。赤星ひとりでそんなに亜大の力を引き出すとは。ほんとにいろいろ因縁があるよね、阪神とは。

偽仁志：偽南渕さんが因縁ばかり探してるだけじゃないですか。

偽南渕：まあ、キミたち、アンチ谷繁の邪悪な正論が、ボクたち打算的な真のドラゴンズ愛に勝った瞬間だったね。

偽仁志：ドラゴンズ愛ってジャイアンツ愛みたいなもの？

偽南渕：…まあ、この日は山田監督が、先発の岡本がピンチを迎えた場面でベンチから出てきたのに、岡本を激励するでもなしに谷繁にだけ相談に行った場面があって、あれはどうかと思ったけど。

偽仁志：そのあと打たれた岡本、交替告げられたのにしばらく動かないで、セカンドの森野に何か言ってたよ。

偽南渕：岡本が打たれたのは確かに谷繁不信から来ていると思う。

偽仁志：岡本は以前は谷繁と相性がよく、お立ち台で「谷繁さんのおかげです」とまで言ったんだけどね。

偽南渕：ああいうのは縁起担ぎなんだろうね。

偽仁志：縁起担ぎといえば、この日はギャラード見たさに、横浜が勝つおまじないやっちゃった。

偽南渕：まあ、ハマスタでベイスターズがマケるのを見たことがないキミがハマスタ行くことじたい縁起が悪いよな。

偽仁志：あと駅前で「崎陽軒のシュウマイ弁当」買って行ったんだけど、横浜戦のある日にあれ食べると横浜が勝つのよねー。

偽南渕：そんな特技も隠し持っていたのか。つまりそれ、中日マケたの谷繁のせいじゃなくてキミのせいってことじゃん。

偽仁志：あ、そうか！

●因縁のカープ戦

偽南渕：そんな大嘘言ってるのもキミひとり。

偽仁志：ちっ。でも今年は何と早くも８月23日に14敗が決まって勝ち越しがなくなり、24日にはマケれば負け越しという決戦の日が来てしまったよ。

偽南渕：22日、23日とマケるからどうなるかと思ったね。それもうちとあたる前に、地元広島市民球場でヤクルトにボロマケした投壊拙攻のカープにだよ。

偽仁志：不調の新井がホームラン打つとマケるというジンクスもあるのに、中日戦だと勝ってしまうんだもんなあ、新井。

偽南渕：カープ、中日相手だと余裕もってのぞんでくるし、試合運びもうまいし、エラーもそんなにしないんですけど。何であんなにうちに強いんだろう。

偽仁志：来期を見据えて、中日戦だけ野村謙二郎がベンチに代わってサインを出しているんじゃないだろうか。

偽南渕：それをどうして中日でやるの。

偽仁志：中日はカープに弱いから実は野村のサインで動いてるんじゃないかなんてあやしまれないじゃん。

偽南渕：だから何で中日はカープに弱いのかって話をしてるんだよ。

偽仁志：８月前半３連戦では勝ち越ししたじゃん。

偽南渕：あの３連戦かぁ。１戦目は落としたけど、ことしドラ１の高卒森岡が、一軍デビューしていきなりヒット打ったんで、全国の中日ファンが「翌朝の中スポ ／トーチュウの１面は『森岡、鮮烈デビュー』だ」と確信したね。

偽仁志：このところ、谷繁がカープから打たないのが痛いなぁ。５番にしろつってるのにしないし、久志。

偽南渕：でも「高橋専用ブルースリー」はやってたんでしょ。

偽仁志：やってたやってた。８月７日ね。３人がくっついてはいなかったけど、ブルースリーの３人と新ブルースリーの大西を きっちり出してた。これで今年やっと高橋を攻略しましたね。でも、高橋のバント処理がなぜかヘタクソだったのとか、押し出しとか、スクイズとか、そういうことで勝ったんだけどね。

左 大西
二 渡邉←ひっぱりすぎだよ！
右 福留←今や希少な高橋のカモ。ここで切れちゃうんだよね
三 立浪
一 リナレス←確か来日初対決が高橋だった。調子あげてる
中 アレックス←不調なので気楽な下位に落としたのが奏功
捕 谷繁←なんで三振するんだよ
遊 荒木
投 山本昌
（太字が高橋専用ブルースリー＋ブルースリー候補の大西）

偽南渕：山本昌との三十路左腕対決で、夏に強すぎる山本と夏に弱すぎる高橋の差がそのまま出ましたかね。

偽仁志：この翌日も10対１で勝って、これで中日もカープに対して自信をつけたかと思ったのですが。

偽南渕：23日はエース黒田の先発が予想されたため、うちもカープに30打席放って１安打という記録を持つ岡本を先発に立てました。

偽仁志：でも 先頭打者の森笠がいきなりその記録を反故にしたのはまだしも、あっちも拙攻ながら２得点なのに、黒田の、最終イニングまで衰えない速球と、高く低く投げ分ける投球術に手も足も出ず…。

偽南渕：先頭打者が出てうまく送った回もあるにはあったよ。１点入れたのは猛打賞の荒木だったね。

偽仁志：最終回ね。このときは、先頭打者の立浪がまず出たんだよ。腰が痛くて、150本塁打どころか全然打てなくて代打になってたのに、この日は志願の特打までやって出てきた４番の立浪さん。

偽南渕：「４番なのにブレーキになってる」って言いたいならはっきり言ったら。

偽仁志：ひひひ。で、その立浪がようやく最終回にセンター返し。本人としても29打席ぶり。これが立浪ににらまれることで成長中の荒木にはいいプレッシャーになったよね。二死から谷繁四球でつなぎ、荒木がライト前にキメて立浪がホーム ベースを踏む。いやぁ、最良のかたちで報われてよかったよ荒木。

偽南渕：実は荒木のこれに先立つ２安打目でもクルーズがホームを突いたんだけど、クルーズ、タッチアウトになっちゃったからね。クルーズの鈍足はわかっていたけど、この日は蔵本を足を傷めている井端の代走にとっておきたいとかいろんな事情があって代走出せずそんなことに。

偽仁志：中日のチーム事情を反映してるよ荒木。

そんな中日も24日には先発佐々岡を１回５得点でノックアウトする完勝。
「だったら前日までのロースコア負けは何なんだ。全然勝った気がせん」と、勝っても偽南渕を嘆かせたが、負け越し決定は先送りとすることができた。
なお、打順はついに３番立浪、４番福留。今年３度目の四番を務めた福留は、四球＞右フライ＞左前安打＞三振と、立浪のようにいきなり四番の働きをすることはなかったが、得点にからむ働きは果たした。

いっぽうカープの佐々岡はこの８月24日が、あと１アウトで北別府や長谷川といった大先輩に並ぶ2000投球回の記録を達成する試合だった。

カープの「区切りの試合」といえばつい４日前の20日、高橋の「あと２アウトで1000投球回」という試合があった。高橋は２アウトとる前にいきなり先頭打者本塁打を食らい、そのあとは６回までその１失点で粘り、久々に勝ち星が付くかと思わせたが、７回に自分のミスと本塁打で５失点もしてしまった。
チームも負け、重苦しい雰囲気のなか、カープ首脳陣と選手たちは試合後、高橋のために1000投球回の祝杯をあげたという。だれだかはわからないが、乾杯の音頭をとった人の気持ちがしのばれる。

最近中日に弱い佐々岡ではあるが、今回はまさかエース佐々岡に高橋のようなことは起きまいと思っただろうに、なんと初回５失点という高橋でもなしえなかった結末に。
さくっと１アウトどころか先頭の井端がセンター前、関川の犠牲バントの１アウトで記録は達成されたがヒットと四球で満塁とし、オチョアに満塁ホームラン、続けて１アウトをとったもののさらに谷繁の本塁打で５失点。荒木までこれにヒットで続き、９人目の平松が空気を読まなかったらはたしてどうなっていたか…。

高橋のときは野外球場だったこともあり、５回の試合成立時に花束贈呈が行われたが、佐々岡は１回裏終了時にお花をもらって終了、２回からは鶴田がマウンドにあがった。
高橋よりさらに偉大な記録ではあるが、さらに苦い結果になってしまった…。

これに気落ちしたカープが中日に苦手意識を 抱いてシーズン勝ち越しを逃すのか。いっぽう黒田、デイビー、ブロック、高橋と苦手だらけの中日はそれを克服できるのか。次の決戦が待たれる！

（2003/8/24）

勝投手＝下柳（17試合７勝２敗）
敗投手＝野口（17試合６勝６敗）

・野口−谷繁でまた失敗
・野口、制球難で２回３分の１で降板
・立浪のタイムリーによる１点のみ
・あの下柳に７勝目プレゼント

７月27日

勝投手＝井川（18試合13勝３敗）
敗投手＝岡本（26試合２勝２敗）

■本塁打
Ｔ今岡（11号１点）

・先発岡本は１回に３失点で２回に降板
・４回は３番手山北が３失点
・２回二死走者なしからアレックス、谷繁、森野の３連打で１点
・二死走者なしからの得点で期待させるがそれで終わり
・偉大なる井川様、11連勝13勝目

７月29日

勝投手＝木佐貫（16試合７勝３敗）
敗投手＝紀藤（16試合５勝５敗）
■本塁打
Ｇ高橋由（17号１点）、Ｇ阿部（12号２点）

・セ界一木佐貫を打てない打線、散発３安打のみ
・先発紀藤も６回まで被安打２
・７回、２発食らって３失点
・木佐貫に７勝目をプレゼント

８月２日

勝投手＝井川（19試合14勝３敗）
敗投手＝岡本（27試合２勝３敗）

■本塁打
Ｔアリアス（23号２点）

・かつてのカモ・井川に６連敗
・阪神の連敗止める
・三塁も踏めず
・井川には先制打まで打たれる

８月３日

勝投手＝伊良部（18試合11勝３敗）
敗投手＝平松（８試合１勝２敗）

■本塁打
Ｔ桧山（13号２点）

・平松、約１ヶ月ぶりに先発登板するも２回一死３失点
・阪神先発伊良部、３まで被安打ゼロ
・７回以降にやたら打たれても
・ときどき打つ森野、この日も唯一の得点

８月５日

勝投手＝ブロック（15試合５勝６敗）
セーブ＝永川（30試合３勝２敗18Ｓ）
敗投手＝紀藤（17試合５勝６敗）

■本塁打
Ｃ木村拓（８号１点）、Ｃ緒方（17号２点）

・３連敗
・先発紀藤、初回に木村拓、３回に緒方にホームランを食らう
・１回、立浪のツーベースで追いつくが３回、４回の逸機でマケ

８月10日

８月12日

８月14日

勝投手＝林（７試合１勝１敗）
セーブ＝サンタナ（15試合２勝１敗３Ｓ）
敗投手＝野口（22試合８勝７敗）

■本塁打
Ｇレイサム（４号１点）

・林は10奪三振だが野口だって11奪三振
・９回の１点は立浪の安打、代打渡辺四球、アレックスのタイムリー
・８月に入ってアレックス少し好調
・讀賣の勝ち越しは６回、レイサムなんかのソロホームラン
・プロ入り２年目の林に初白星をプレゼント

８月16日

ヤクルト＝館山、山部、佐藤秀、石井、高津−古田、小野
中日＝岡本、山北、岩瀬、大塚−谷繁

勝投手＝石井（17試合　４勝１敗）
セーブ＝高津（31試合　２勝２敗24Ｓ）
敗投手＝大塚（37試合　１勝２敗９Ｓ）

■本塁打
D福留（19号２点）、YS古田（18号１点）

・九回から登板した大塚、二死後古田を２―０と追い込むもライト前へ、鈴木健もヒット、代打佐藤真に痛恨の逆転二塁打を浴びた。
・お立ち台で佐藤、嬉しいのより代打に甘んじたことに不服そう
・４回に福留の２ランで先制もその後の拙攻がたたる
・９回、高津に250セーブ目をプレゼント

８月22日

広島＝デイビー、永川−石原、西山
中日＝野口、バルデス−柳沢

勝投手＝デイビー（９試合　３勝１Ｓ）
セーブ＝永川（33試合　３勝２敗21Ｓ）
敗投手＝野口（23試合　８勝８敗）

・連勝４で止まる
・広島先発デイビーに８回まで散発３安打、三塁も踏めず
・いっぽう先発野口は１１奪三振の力投
・８回の失点は二死からシーツに四球、前田にタイムリー三塁打
・あの前田様にサードまで走られるとは
・まさかの勝ち星を重ねるデイビーに３勝目プレゼント

８月23日

広島＝黒田−石原
中日＝岡本、遠藤、バルデス、久本−谷繁

勝投手＝黒田（21試合８勝８敗）
敗投手＝岡本（30試合２勝５敗）

■本塁打
Ｃ新井（９号１点）

・黒田好調、150キロ台直球と130キロ台の変化球を駆使
・福留と立浪が好機にブレーキに
・９回の１点は立浪の29打席ぶりの安打と荒木のタイムリー
・先発岡本は新井の先制ソロとシーツのタイムリーによる２失点だけだが先発で４連敗