●意外としっかり者のコースケ

偽仁志：去年の『日本一はどこなんだスペシャル』は、立浪と山本昌が出てたね。あのときは、立浪の清原二世ともいうべきワルぶりを見ることができました。

偽南渕：でもことしは立浪は欠席。山本昌と組んだのは首位打者のコースケだった。

偽仁志：番組は、『人気者で行こう！』の名物だった、高級食材と安物の区別がつくか、みたいな企画もプラスし、野球選手の暴露話も入れてハマちゃんらしいつくりでした。

偽南渕：ただ、中日に限っていうと、福留孝介って意外としっかりしてて、常識もあって、ハマちゃんの前でバカをさらす面白さってのはないんだよな。

偽仁志：ハマちゃんは相変わらずいいんだけどね。「野球選手で、大きいなぁと思った人は？」という問いなのにボブ・サップと書いた清原に、「いいかげんにしないと、殴り飛ばしますよ 」。ですます体ながらも、キヨに暴力がらみの脅しをかけられるのはハマちゃんぐらいのものでしょう。

偽南渕：その清原も、高級食材と安物の区別がつかず、バカ舌と認定されて、広澤に「うまいもの食わせてやったかいがない」と言われてただ恐縮して笑ってました。ハマちゃんの番組では、怖い清原というより、けじめの範囲内で怖い清原が見られますね。

偽仁志：上下関係に律儀なところがまた、本物の暴力団を思わせて怖いわけですが。

偽南渕：そういえば去年は讀賣は清原と上原だったのに、今年は12球団で清原だけ、ひとりで出てましたね。

偽仁志：たぶん相方は阿部で、風邪で出られなくなったのではないでしょうか。テレビ東京のボウリング大会で、やはり出る予定だった阿部が風邪で酒井に代わってましたから。

偽南渕：その讀賣、去年は優勝したので、オープンカーに清原と上原乗せてスタジオから去らせて「優勝パレード」って言ってましたが、今年は西武が優勝したけど賞金の100万円だけ。だんだん予算が厳しくなっているみたいだね。

偽仁志：そういうとこばっかり気づくのですね。

偽南渕：そういうところに気づかないようじゃ、選手のときはへらへら笑ってすごせるけど、引退後にコーチや監督のクチが掛からない やつみたいになるぞ。

偽仁志：それは誰か特定の中日ＯＢのことを言ってるんですね。うーやんですか。

偽南渕：まあ、にわかファンあがりのキミにはわからなくてよろしい。で、「バカ舌」に話を戻すと、３種類出て、うち（中日ドラゴンズ）はひとつだけ、「トラフグのから揚げとカエルのから揚げを当てる」という問題を外していたね。

偽仁志：他球団と同じ答を出したら正解、という「合わせましょう」という企画もなかなか面白かったです。ここでは山本昌が、モーニング娘。では、加護亜依が好きだということを言わされ、「高い高いしてみたい」という名言を残していました。

偽南渕：常識度クイズでは、６人の首相の名前と顔写真を一致させる問題で、写真のなかに吉本興業の社長を混ぜるなどのネタが仕込まれていましたが、福留は みごと全問正解。さすがPL時代に、立浪と同様に主将を務めた器だなぁ。

偽仁志：何がさすがPLなのかわかりませんが。確かに福留はちょっとそういう常識人なところがあります。

●福留、波留二世に
　（チーム対抗戦ガチンコペナントレース）

偽南渕：番組は面白かったし、ほかに財布の中身対決などもあるけど、中日のマケっぷりはたいしたことないので、あまり詳しく触れず、次に行きましょうか。

偽仁志：『12球団対抗ボウリング大会』ですね。コースケはこれにも出ていました。

偽南渕：賞金200万円を競い合うこの大会、会場は新横浜プリンスホテルのボウリングセンターです。

偽仁志：まずはチーム対抗戦ガチンコペナントレース。ペナントレースと銘打っていますが、実際はリーグ戦ではなくトーナメント方式の勝ち抜き戦で、中日はダイエーと対決しました。

偽南渕：去年は波留がノリのいいところを見せてくれたよねぇ。体を張ったギャグで、始終、井端と福留をひっぱってたね。

偽仁志：今年は福留がそれを見習ってがんばってたよ。

（１）去年、同じゲームで99点だったんで、「僕の中で去年のにおいが甦ってるんです」と弱気発言を取ってもらっておく
（２）スペアを取れたとたん、急にふんぞりかえる
（３）その勢いで、倒れる

福留はマスコミに生意気発言して逆に可愛がられようという笑いの取り方なんで、体を張るギャグは苦手だった。でも波留さんなきあと、オフも輝くには苦手克服だ、と気付いたのでしょう。

偽南渕：このオフから売り出した森は、いじられても反応できなくて、タレント活動はまだまだといったかんじだけど、ボウリングの腕前はいい。

偽仁志：結局、中日は５０ピン差でダイエーに大勝していました。

偽南渕：カープはファイターズと対決してたね。

偽仁志：キャプテンの緒方はなかなか面白かった。この日の参加者で最年長なんだけど、見かけは江藤より若いだろうと、裏切り者江藤を貶めていました。日本中のアンチ巨人の喝采を受けたことでしょう。

偽南渕：讀賣と対決したライオンズは、宮地が面白かった。
（１）「特徴は、地味」と何度も口にしてアピール
（２）点数にかかわらずはしゃいで、讀賣の選手とまで「グーでタッチ」をして、原を貶める
（３）敗色が濃くなると、自分で「日本シリーズの再現か、おい」と、ノリツッコミ

偽仁志：それはノリツッコミじゃないよ。人のボケにいったん乗るふりをしてからツッコミをするのがノリツッコミ。あえてこのケースでいえば、マケていることじたいをボケと見なし、「巨人さんには歯が立たないねぇ、て、日本シリーズかよ！」とやるのがノリツッコミ。

偽南渕：キミが気づくかどうか試したんだよ。

偽仁志：宮地を見習ってコアなことを言うと、彼は今年32歳になる外野手で、2000年に初回先頭打者ランニングホームラン達成という、面白いギャグを持っているんですよ。

偽南渕：それはギャグではないと思います。で、ここはトップ賞はヤクルト、度会が個人賞をとりました。

●森、なみだ酒
　（セパ東西対抗ベースボーリング）

偽仁志：このゲームでは、倒したピンの本数ごとに「ホームラン」とか「ツーベース」とかが割り当ててあります。それを使って、走者が進んだことにし、得点を競うというもの。３回制ですが延長もアリです。

偽南渕：セリーグ東とパリーグ西の試合では、福留は解説者に抜擢されていました。ここでのコースケは、因縁の種田とのからみを作らされていました。
・種田の「打席」で、「そこにサイン飾ってありましたよ、そうとう（このボーリング場に）来て（練習して）ますね」とからかうコースケ
・種田「今、書いたばっかり」と抗弁
・女子アナが「ヨコハマの顔じゃないですね」と意地悪を言うと、「関西人やし」「横浜あまり好きじゃない」と憎まれ口を

偽仁志：種田っていつもこんなこと言うんでしたっけ。

偽南渕：うちが出た、セリーグ西対パリーグ東の試合は、同点延長となりました。パが先攻で、４回表に２点入れられ２対４となりましたが、裏で福留とキムタクの連続ツーベースで３対４となり、森のホームランで逆転しました。

偽仁志：森は番組の冒頭から「酒臭い」と言われてましたが、ここでは「泣いてるんですか？」とからかわれて「はい、感動しています」とマジに反応していました。森はダイエーの星野と並んで、勝利打点賞をもらいました。

偽南渕：つまらないはずだった森が、このあたりから妙に面白くなっていきます。

●だれでもひとつは特技があるもの
　（歌って投げてタイムアタック）

偽仁志：これも恒例となりましたね。チーム代表ひとりが歌って、歌わせてもらえた秒数にあたる本数を上限として、ひとり１回ずつ、計３回まで投げることができる。たとえば最初に城石が22秒間歌わせてもらったヤクルトは、３人で投げて、倒したピンが15本でした。これがもし23本だったとしても、22本にされるというものです。たぶんね。

偽南渕：歌が下手ですぐ終わらせられても、ウケればサービスポイントが加算されます。

偽仁志：高校の生物�Uの最後の試験のとき、どうせ私立文系進学コースだからキミらは生物なんかどーでもいいんだろう、てことで、「ウケればサービス点やる」って教師が言ったから、教師の似顔絵を書いてプラス10点もらったものだよ。

偽南渕：はいはい、それみたいなものです。で、ここも森が『桜坂』を歌って、歌は35秒と平凡でしたが、マイクを持ってすぐ鼻血が出てきたということで30点も足してもらっていました。ドラゴンズが倒したピンの合計は50本でした。

偽仁志：へへーん。鼻血なんて私は小学生のころから高校を卒業するあたりまで、しょっちゅう出してたよ。毎日出してたころもあったよ！

偽南渕：はいはい、キミも、ほかの科目にも得意の鼻血で加算してもらえたらよかったのにね。

偽仁志：だから私は、鼻血はプロなんだよ。あれは鼻を押さえるのが一番早く止まるんだからね。痛くて涙が出るぐらい強く押すことがコツ。うなじを叩くのとか、上を向かせるのは逆効果なんだよ。

偽南渕：はいはい、森に教えてやれば。

偽仁志：ほかに印象に残ったのは、ダイエーの川崎ですね。なんと『燃えよドラゴンズ'99』を！　１番を歌いきり、５番の立浪の前まで歌って、45秒でした。

偽南渕：これは驚いたね。しかも「初めて歌いました」とか言ってたけどうまかった。いい声で。なんでこの曲を選んだんだろう。出身はどこかな。

偽仁志：高校まで鹿児島に生まれて育ち、すぐダイエー入りした九州男児だよ。

偽南渕：そうかあ。九州出身なのに隠れドラファンなんだな。

偽仁志：また決め付けてるよ…。

偽南渕：宮崎県の串間で中日は昔キャンプをやっていて、その時福留が立浪を見初めてファンになったらしいんだけれど、なんかそれを思い起こさせるなあ。

偽仁志：どんどん妄想が広がってるよ…。

偽南渕：当然、この選曲に対してうちの選手がコメントを求められ、福留が「いやー、いいですね」「僕ですか？　十八番です」と、またまた常識人としての無難なコメントをして、ドラファンの心をキャッチしました。

偽仁志：『燃えよドラゴンズ'99』は正式の球団歌じゃないから、他球団の人が歌っても洒落になるんですよね。

偽南渕：なるほどね。ところでキミの好きなカープは、ボウリングの女子プロに「かっこいいですよね」と言われて、返答に困るかと思いきや、アナにタイミングよく「全員妻帯者ですよ」とやられてました。 カープの連中がどういうリアクションするか、ちょっと期待したのになあ。まあ、この独身の女子プロに対しての警戒警報ともいえるけどね。

偽仁志：ここで宮地外野手ひきいるライオンズの３人が「独身」「独身」「独身」とアピールしてました。宮地がオフ弁慶とは知りませんでした。まるでヤクルトの選手ですね。度会二世といえよう。

偽南渕：去年に最優秀歌唱賞を取った阪神の藤本、今年も53秒も歌ったうえに20ポイント加算してもらい、ピンは54本でした。これが効いて１位は阪神、うちは２位。

偽仁志：ここまでで中日の中間順位はなんと首位。２位のゲームが続いたのが効を奏しましたね。２位は阪神、３位はダイエーです。

●宮本、にわかＰＬ最年長
　（横取りゲーム？）

偽仁志：次はひとり１投ずつ、計２投するゲームなのですが、ピン10本のうち、２本が各チームの柄になっているのがミソで、そのピンを倒したらそのチームから100点もらえるというもの。狙う２本のピンについては、どのチームのを選ぶかは自由で、中間順位が下位のチームから競技を始める逆ウェーバー方式です。

偽南渕：その２本のピンの位置はランダムに置かれるので、運も作用します。

偽仁志：競技開始前には首位だったうちは、早速阪神に100点とられてましたね。

偽南渕：これ、１位にいると狙われやすいんですよ。それにひとり気づいたヤクルトは、うまく２位になるように計算してチームを指定。いっぽう中日はどんどん順位が落ちていきます。

偽仁志：最後にやっと中日が投げる番がきました。ところがヤクルトの宮本が、PLの後輩の福留に「お前高校どこや」とすご んて、ヤクルトから得点をとれないようにしてましたね。宮本は阪神のときにも、やはり後輩の今岡にすごみをきかせていました。

偽南渕：すごまれた福留、最初は「そんなこと（自分がＰＬの後輩であること）はお構いなしに･･･」と、一見強気なところを見せつつも、そこは世渡り上手の「ちゃっかりコースケ」、結局はＰＬのＯＢが出場していなかった横浜を指定してました。そしたら種田が「福留くんには背番号もとられたし」「横浜にも来てしまったし」とまた愚痴る！　さすが関西人。たとえ自虐的でも笑いをとるね！

偽仁志：そうか。種田のあの露悪的な芸風は、関西風なのか。種田が大阪出身なこと、つい忘れちゃうんだよ私。ハマっ子の顔でもないけど大阪の顔でもないから。

偽南渕：じゃ、種田はどこの顔なのさ。

偽仁志：種田は種田顔。以上。さて、ボーリングのほうは森は１本倒したのみ。続く井端も１本だけで、ふたりとも落胆し、暗い雰囲気に。

偽南渕：決戦はロッテ対ヤクルトになりました。ここで宮本、「持つべきものは可愛い後輩」「今岡くんと福留くんがうちから取らなかったから、ここに位置にいる」と、ご満悦の様子。

偽仁志：今岡はニヤニヤしてましたが、福留は「ちくしょー」と顔に書いてあるようなふくれっつらでした。まあ、これだけ映してもらえたんだから、よしとしましょう。

偽南渕：このときほど、うちの出演者にたっちゃんがいればなあと思ったことはなかったね。宮本は立浪の２コ下で、春夏全国制覇した立浪キャプテンのチームにいたんだから、言うことをきかないわけにはいかないんだよ。もし、立浪がこの番組を見てたら「どうですドラファンの皆さん、ボクの存在感がわかったでしょう」と思ってるだろうなぁ。

偽仁志：別にスタジオに立浪がいなくても、立浪の名前を出せばよかったんだよ。

偽南渕：出してどう言うの。

偽仁志：「宮本さん、僕も宮本さんから取ったら悪いとは思うのですが、でもここで遠慮すると、立浪先輩に叱られます」。

偽南渕：なるほどね。で、今岡はどうすればよかったの。

偽仁志：そっかあ。この番組の収録は、まだ坪井が阪神の所属だったころだと思うけど、坪井は宮本より年下だからなぁ。

偽南渕：あ、片岡がいるじゃん。

偽仁志：あーっ。

偽南渕：片岡を忘れてたのか、片岡を。キミ、ファイターズの主砲だった片岡を星野阪神にとられて以来、未練たらたらで、ことあるごとに「篤史の手をひいて新幹線に乗せたい」言ってるくせに。

偽仁志：星野が片岡を説得したホテルは私の職場のすぐそばでさ、しかも「あ、今星野が片岡と会談してる！」ていうのをひょんなことからリアルタイムで知ってしまったからね。あのショックはバイトファイターズファンとしては当分癒えないよ。篤史見るたびに画面に向かって言ってるよ、「あっちゃん、なんでタイガースにおんの。さ、おばちゃんといっしょに、東京帰ろうな、な」。

偽南渕：あっちゃんのこと、今の今まで忘れてたくせに。

偽仁志：これはもう、片岡を忘れてた時点で今岡のマケだよ。

偽南渕：今岡、悪くないじゃん。しつこいようだが、片岡を忘れてたのはキミ。

偽仁志：立浪も、日ごろから福留を可愛がっておかないから、いざというときにこういうことになるんだ。立浪なら片岡の十倍は効果があったのに。

偽南渕：いやぁ、ああいうときはコースケだって、「自分対宮本」になっちゃうんだよ。

偽仁志：あーそうかもそうかも。で、優勝はヤクルトで、度会が表彰されました。それにしても、ほんとに度会はオフ弁慶だね。度会の応援歌、知ってる？　「覚えてくれよ　わたらいと読むんだよ　見てほしいんだ　オフのテレビに出てくるよ」ていうの。

偽南渕：そんな全然応援してない応援歌、実在するわけないだろう。キミが神宮球場で、ヤクルト側スタンドから聞こえてくるラッパに合わせて、テキトーに歌ってる歌じゃないか。

偽仁志：番組のエンディングは、テレビ慣れしすぎの度会がキメてました。「今度優勝するのは、テレビの前のあなたかもしれません」だって。私が優勝するのか。そうかぁ。どんな挨拶しようかなぁ。

偽南渕：じゃ、今から、ボーリングとカラオケの自主トレでもするんだね。来年を楽しみにしてるよ。

偽仁志：カラオケはともかく運動は苦手だから、やっぱり鼻血で勝負しようっと！

偽南渕：汚ねぇ女。