球界　兄貴風
ANIKI-KAZE

case 1
新井良太の兄

新井良太：1983生。中日ドラゴンズ(2006〜）
兄・新井貴浩：1977生。広島東洋カープ（1999〜）

中日ドラゴンズのルーキーである新井良太の兄はカープの新井貴浩。
2005年の暮れ、中日ドラゴンズの親会社である中日新聞社の「中日スポーツ」に、兄はこんなメッセージを寄せた。

今阪神タイガースにいる金本は「トラのアニキ」と呼ばれているが、もともと彼はカープ時代、新井貴浩の兄貴ということで「アニキ」と呼ばれていた。
「新井の弟」、良太が大学で台頭してきたとき、みんな「新井貴浩は私生活ではアニキだったのか！」と驚いたものだ。
しかしこうしてみると、わたしがコメントつけるまでもなく、このままでじゅうぶん面白く、わかりやすい兄貴風である。

・最初は体がデカいだけだった
・一人前になるのに時間がかかった
・長い目で見てもらった（で、ホームランキングになった）
・地元で愛された

それはお前のことじゃないか＞貴浩。
要は「兄貴のようになりなさい」ということだね。

良太が調子にのっていたら言えとのことだが、名古屋のファンにとって良太に貴浩のことを言うチャンスはそれなりにあるが、貴浩に良太のことを言う手段などまずない。
いくら新井貴浩でもそんなことはわかっているのだが、ちょうど契約更改を終えたところで、いろいろ嬉しかったのだろう。
ところで新井良太は本稿作成時点で一軍に昇格している。活躍しても、失敗しても、記者が兄貴のところに行くだろう。
がんばれ良太。相手は無理やり理由を探してでも「名古屋で調子に乗ってるようだな」とシバくつもりだ。

貴浩・良太の兄弟 は仲がよく、カープの地元、広島県で、プロレスごっこをしながら育ったという。

プロレスごっこ。
動物のマウンティングにも似た、男たちの遊戯だ。
少女たちがままごとや着せ替え遊びで生活力を磨く準備をしているとき、少年たちはいったい何になる日を夢見ているのか。
だれのものかは忘れたが、こんな名言がある。
「全国の兄に告ぐ。弟は、プロレスの技をかけられるために生きているのではない」。

全国の兄のみなさんは、わかりましたか。

↓オマケ↓

応援団長を務める小学校６年生の新井貴浩
月刊アスリート 臨時増刊 2005-2006永久保存版

2006/7/23