中日の外野手・蔵本英智といえば「兄」である。
「兄がファッションモデル」「兄が西武の和田一浩とバッテリーを組んでいた」「兄がよくしゃべる」で有名な選手だ。
実は英智のお兄さんはふたりいる。和田と組んでいたのは長兄の雅由さん、よくしゃべるのはモデルの次兄・貴充さんだ。

2006年５月５日の中スポ／トーチュウは「蔵本兄ファン」なら必携だ。５月４日に満塁機に決勝弾を放ち、２日連続でお立ち台に立った英智が大きく取り上げられたおかげで、次兄・貴充さんの発言をたっぷり読むことができるからだ。

「うれしいですね。これまでチームやファンに迷惑をかけてきたので結果を出してもらわないと」
おおっ、兄貴風いきなり厳しい！　うれしくても、誇らしくても、ただ誉めるだけには終わらない。

さらにこんな厳しいことも。
「一時、あきらめた部分もあったようですが、打たないと試合にも出られませんからね」
英智、プロで一軍にいるのに、兄からまるで鬼コーチのようにシビアな言われ方。しかも、
「今年変わったとしたら、少しオープンに構えているところですかね」
弟のことはなーんでもわかってるぜ、と言わんばかりだ。何しろこの次兄さんは、英智の試合は録画し、フォームを分析して助言しているそうだからね。

実はお兄さん二人も野球をやっており、まんざら素人ではない。
雅由さんは浜松でクラブチームで投げている。
貴充さんは東京でモデルや芸能人仲間と、草野球の外野手としてプレーしている。
貴充さんは弟が野球道具を「支給」してくれるので、そのまま使えるように背番号を57にしているとか。
で、球団が背番号をひとけたにしたらどうかと言ってきたけど「ひとけたになると天狗になったりするじゃないですか」という理由で57のままにするよう助言。いや、別に道具が使えなくなるからじゃないかなんて言ってないですよ。
最後は「引退したら一緒にプレーしたいですね」。
まるで自分のやっている草野球のほうが、中日ドラゴンズより格が上であるかのような、どこか無邪気な兄貴風でした。

中日新聞によると、英智が野球を始めたのはご多分にもれず、この二人のあとを追ってのこと。
しかし末っ子の英智が伸び悩みの時期や故障を乗り越え、プロでふんばっている今、二人の兄のほうが弟に負けまいと、それぞれに野球を続けているのかもしれない。
だって…「プロになった弟にはかなわないよ」と好きな野球をやめてしまうなんて…わたしが「兄貴」だったら、そんな示しのつかないこと、できない…。

よくしゃべる次兄・蔵本貴充のプロフィール（J-WAVEの番組サイト）はここで見られます。

和田と組んでた長兄・蔵本雅由さんのプロフィール（浜松ケイ・スポーツベースボールクラブ）はここで見られます。

2006/11/25