タイムリーコラム
星之★戦争
“STAR'S WARS”
エピソード４：
Eyes of a Dragon
★ドラの "家政婦"
偽南渕は見た！
福留コースケの熱き視線★
●サヨナラ勝ちの名場面を追って
８月21日（土）午後11時のテレビ東京のスポーツニュース番組「スポーツTODAY」は、天王山で惨敗したファンの心の隙間を埋める“笑うジャイアンツファン”的色彩の番組で、ドラファンの私としては、少々失望させられたが、映像情報としては、貴重なものを提供してくれた。
８月17日の、中日対讀賣決戦第１戦は、ＴＶ中継の放送時間枠を突破してしまったため、その決着については、球場での観戦者以外は、ラジオ音声または、インターネットのスコアボード中継でしか知る方法がなかったはずである。
一人残業で残った職場で、偽南渕も多くのプロ野球ファンと同様に、その結末を、ラジオから流れてくるアナウンサーの実況中継を、固唾を飲んで聴いていた。
普段なら、そのまますぐに仕事を終了し、帰宅してテレビのスポーツニュースのはしごといきたいところであったが、あいにく仕事が立てこんでおり、ドラファンにとって感動の極致（相手側にとっては悪夢である。気の毒に）となった９回裏の関川選手のサヨナラヒットは、映像では確認できずじまいで、この８月21日のテレ東の「スポーツTODAY」で、やっとそのシーンを映像で確認できたのである。
偽南渕はこれを録画してじっくりと見た。
放送では、中日のサヨナラシーンとしては、「８.17の関川選手のサヨナラ安打」と、「８.19の渡辺選手のサヨナラ二塁打」が使われていた。
●１秒の抱擁
「８.17」では、ヒットを打った関川選手が、中日ナインの歓喜の手荒い祝福を受けたのち、いよいよ星野監督と対面し、ドラファンにとって、今シーズンのハイライトとなった、星野監督涙の抱擁シーンが始まる。
ドラ選手の“祝福の輪”から抜け出した関川選手と一瞬目が合った星野監督は、最初は努めて冷静な態度で関川選手をねぎらおうとしたが、感極まって関川選手を思い切り抱きしめる。
「よくやったセキ」
星野監督が一言叫ぶと、お互いがまるで戦友、すなわち、対等な立場で抱き合ったのが印象的であった。
そして、この、星野監督と関川選手の抱擁シーンを、その１メートル手前から目撃することになったのが、今年から中日ドラゴンズの一員、いや、プロ野球選手となった福留コースケ選手であった。
星野監督と関川選手の抱擁は、時間にして１秒あまり。次の瞬間、関川選手には、コーチ陣からの祝福が待っていた。
関川選手との熱き抱擁を終えた星野監督は、その余韻を楽しむが如く、一人感涙にむせている。
そして、まさにその一部始終をひたすら凝視していたのが、福留選手であった。
テレビ映像からは、福留選手の後ろ姿しか見えなかったが、そこには、「信じられない」と書いてあるように思われた。
「普段選手に、そして特に自分にあんなに厳しく接してくる星野監督が、目の前で関川先輩と抱き合い、一人涙に暮れている！」
多分、ゴールデンルーキーと呼ばれて入団してきた福留選手に対しては、星野監督は厳しく接していることだろう。その普段の姿と、今、目前にいる星野監督の姿は、あまりに違っていたことだろう。
「自分も同じような活躍をして、同じようなシーンを演じてみたい」
福留選手は、心の中でこう誓ったことだろう。
●未来に賭けろ
その感動のシーンから２日後に、再び星野監督と選手の抱擁シーンが見られることとなった。
今度は、苦労人渡辺選手のサヨナラ二塁打である。
関川選手と同様に、ドラ選手の手荒い祝福を受けたのちの渡辺選手は、星野監督の前に歩み寄り、少々はにかみながら抱擁した。
監督も、“戦友”関川とは異なり、ようやく巣立とうとしている若鳥を激励するが如く、目を細めながら、渡辺選手の背中を抱いていた。
福留選手は、きっとこの光景も、まぶしく感じながら見守っていたことだろう。
だが、福留選手よ。忘れないでほしい。
関川、そして、渡辺も、幾多の修羅場、地獄を経験して、この喜びが訪れていることを。
運、そして、実力だけでは決して生き残ってはいけない弱肉強食のプロ野球だからこそ、勝利の味は格別であり、そこに栄光があることを。 |
……エピソード１ 予告……
SEN-ICHI Strikes BACK★燃える男が燃やされた日★ |
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