南西対談の偽南渕 ◆
「ドラの敗因は、私？」 最近の中日ドラゴンズの不甲斐ない負け方に対して、やり場のない怒りを偽仁志（名前が不吉）にぶつけていた偽南渕だが、ある重大なことに気がつき、自らを律する決意をしたようである。 なんだかんだ言っても、ドラゴンズの開幕11連勝に浮かれ、いつのまにかドラゴンズが勝つのが当たり前と思うようになってしまった彼は、自らが、我が愛するドラゴンズの選手たちの足を引っ張っていたことに気づかなかったことに気づいたのである。 全国２００万人（昨年度観客動員数＋テレビ観戦者から推計）のドラファンのほとんどすべてが、思っても見なかったドラゴンズ開幕１１連勝の夢が忘れられず、その思いをドラ戦士達に２００万トンのプレッシャーとして押しつけたがために、今まさに、ドラ戦士総金縛り状態に陥ってしまったのである（詳しい分析は、下欄の「関連情報」へ）。 この自己崩壊的状況を救う道はあるのか。 そう考えた偽南渕は、ある結論に達した。 「現在のドラゴンズの不振は、監督や選手の責任ではなく、実は、ファン自らの慢心によるものである。」 そう、なんとドラファンの大多数が、「貯金１１だからあとはトントンでしばらく行って、５連勝２回で貯金２１で優勝ラインだ」という計算をしてしまい、自らを律することを忘れ、慢心のため、肉体的および精神的肥満に陥ってしまったのである。 ご多聞に漏れず、この症状に陥ってしまった偽南渕は、最近のスペックが、本物の南渕どころか、落合やソンレベルの状態に陥ってしまった。 目指せ、心身のダウンサイジング もちろん、落合やソンはスポーツ選手だから、たとえこのスペックであっても「結果さえ出せばよい」のであるが、単なるサラリーマンの偽南渕がこのスペックになったら大変である。 神経痛は出るわ、肩は凝るわで満身創痍状態である。この状態にきて、偽南渕は、この自己破滅招来体化している自分自身の身体を再びスリム化し、精神的肥満を打破する手段として、精神的・肉体的に非常に大きな自己規律が要求されるイスラムの風習「ラマダン（一種の断食）」にならい、ドラゴンズ復活祈念の偽南渕式ラマダンを実行に移すことにした。 偽南渕は、ドラゴンズの不調がまさに決定的となった６月６日（日）（浜松球場の中日vs広島戦。９回表にソン投手の乱調から１点差を逆転され敗戦となった）から、６月１１日（金）まで、水分と軽い飲み物（牛乳と野菜ジュース）以外、ほとんど食事を摂っていない。 急激なダイエットは危険だと思われる方もいるだろうが、栄養摂取過剰が原因で肥満状態になっている場合（この点は重要）には、この手段はかなり有効である。 もちろん、偽南渕は、単に自己流で断食療法を実行しているのではなく、きちんとした指導者のもとで行っており、また、ただ単に食事を抜くだけの極端なダイエットを行っているわけではない（事実、６日の昼食は蕎麦を食べたようだ）ことを申し添えておこう。 その結果、偽南渕の身体には、サハラ砂漠を渡る駱駝が自分のこぶに蓄えている脂肪分を歩行エネルギーに変換しながら長旅を続けるが如く、長い慢心の末に蓄えた皮下脂肪が徐々に日常活動のエネルギーへと変換されるという現象が起きている。まさに、心と身体のダウンサイジングを実現しつつあるようである。 「目標は立浪さんです」(c)福留コースケ 偽南渕によれば、 偽南渕式ラマダンは、立浪のスペック到達時に終了予定とのことだが、これによってドラゴンズが調子を取り戻し、再び常勝気流に乗るようならば、断続的に実行するとのことである。 偽南渕が、立浪とはいわず、前田投手の体重になったら、ドラゴンズの復活は、案外早いかもしれない。 一千万の錯覚 ちなみに、毎年優勝の期待がかけられている讀賣ジャイアンツの選手にも同様なプレッシャーが常にあるのではないかという反論があろうかと思うが、実は、それは錯覚である。 一説には、「全国１千万人の巨人ファン」という表現があるくらい、讀賣ジャイアンツにはファンが多いとされているが、実は、この「全国１千万人」というところに落とし穴がある。 たとえば江川卓監修の『スカウティングレポート'９９』の「巨人編」の扉ページには、讀賣ジャイアンツの９８年シーズンの観客動員数が載っており、363万4,000人である。 この数字にまず問題がある。 この数字は、主に、フランチャイズ球場である東京ドームの観戦者をもとに弾き出された、主催者側発表をもとにしていると思われるが、ご存知の方も多いかと思うが、東京ドームの収容可能人数５万５，０００人には大きな水増しがあり、せいぜい詰め込んで４万５，０００人程度だそうである。 したがって、東京ドームに来た観戦者の実数は、主催者発表３５０万人×４．５／５．５（倒巨胴無水増し数）≒２９０万人ということになる。 接待観戦はノーカンに そして、ここがポイントの１つであるが、この２９０万人の観戦者には、いわゆる巨人戦接待観戦者なるものが存在するわけで、その数は、約３割（経験値から判断）といわれている。 巨人戦接待観戦者は、理由はどうあれ、自らの懐をいためることなく巨人戦を観戦しているわけであるから、純粋にコアなファンとはいえない。 したがって、讀賣ジャイアンツが発表している観客動員数３５０万人のうち、コアなファンを算出すると、 ３５０万人×４．５／５．５×０．７（接待以外観戦者指数）≒２００万人 となり、「コアな巨人ファンは２００万人」ということになる。 ※なお、東京ドーム観戦者のうち、ビジター側のチームのファンもカウントされたうえで観客動員数となるので、この数字が純粋にファンの数でないのは自明の理ではあるが、逆に、相手側の球場にも讀賣ジャイアンツのファンが来場するので、結果的には、「コアな巨人ファンは２００万人」説の立証の妨げにはならないであろう。 テレビ感染なファンは怖くない そして、「全国１千万人 ― 主催者発表の観客動員数３５０万人＝６５０万人」がいわゆるテレビ観戦者、否、テレビ感染者の巨人ファンなのである。 彼ら、テレビ感染者巨人ファンは、基本的には、（株）日本テレビ放送網を中心とする讀賣グループの巧妙な戦略によって、勝った時の巨人しか愛せない症候群に陥っており、特に地方、そして、応援すべき地元チームがない地方在住者で、日本テレビ系地方局で実況中継される巨人戦を観戦する以外に楽しみがない巨人ファンに、そのような徴候が顕著に見られる。 ただ、彼らは、地方の悲しさでプロ野球中継が巨人戦しかないために、小さいときからの刷りこみ現象で巨人ファンになってしまった気の毒なファンであり、ある意味で、讀賣グループの「地方の巨人戦のチケットあげるから讀賣新聞取ってよ」戦略の犠牲者なのである。 この感染者は、巨人が好きなのではなく、巨人の勝利だけが好きなのである。
したがって、チャンスに凡退を繰り返す４番打者を完膚なきまでにこき下ろしたかと思えば、たまに活躍すると、「さすがは巨人の４番」と持ち上げるだけでなく、ある年に他のチームが優勝しそうになると、そのチームのにわかファンになったりもする。
このように分析していくと、たとえ巨人が負け続けても応援し続けるコアなファン（２、３年優勝しない程度ではなく、１０年以上巨人が優勝しなくても応援し続けられたらホンモノです。他のチームのファンの涙ぐましい姿を見よ）は、多く見積もっても２００万人程度であり、他の球団のファンの数とそれほど差があるわけではないのである（９８年の観客動員数第２位は、昨年セリーグ２位の我が中日ドラゴンズ。しかも、観客動員数だけで見ると、最下位だった９７年のほうが人数が多かった。チームの成績と観客動員数には相関関係はないのであろうか）。 一方、全国２００万人のドラファンについて考えると、まあ、コアなファンは半分の１００万人（謙遜）に見積もったとして、本来ならば、静かなファンであるべき、残りの１００万人が、今回の「開幕１１連勝騒動」のために、突如にわかドラコアファンに変身してしまったため、ドラゴンズの選手たちに、通常の２倍以上のプレッシャーがかかってしまったのである。 したがって、このにわかドラコアファンが、再び静かなファンに戻れば、現在のようなドラ戦士総金縛り状態は終息に向かうことになる。 |
前半部分は、なんか日刊ゲンダイみたいな文体ですけど、これは偽南渕さん本人が自分のことを書いているのだからね。
あと、よいこの皆さんは絶食をまねしないでください。（偽仁志）