明治神宮野球場で見た
試合と高橋
（バイトなので淡白なタイトルにしました）
バイトカープファン 東山にしこ
観戦・撮影 2001年９月５日
最近はバイトカープファンである以上に、高橋建のファンとして濃さを増している筆者。たまった代休を使って、神宮球場のヤクルト対カープ戦を観戦するため、昼間から外苑前をうろついてきました。以下はその記録です。
写真はクリックするとそれなりに大きく鮮明になります。
■売店前経営陣会談
神宮球場内野指定席最前列の切符をにぎりしめ、リュックに高橋Tシャツをしのばせて１１番入口（中日式には川上ゲート。内野指定席入口）に現れた偽カープファン、東山。
向かいの売店を見ていたら、その前で、明らかに初対面の、○○ユニのおじさんとカープ帽のおじさんが、ものすごい速さで意気投合し、トークを展開し始めました。
偽○○（４０代後半？ 東京の人らしい）「巨人はもうだめですね」
カープ帽（５０代？ かすかな広島イントネーション）「そう。いくら金で選手を集めてもだめだってことです」
東 山「（ごめんなさいすみませんそれ巨人だけじゃないです）」
偽○○「カープみたいに選手を一から育てて、育てて、ということをしないチームは結局だめですね」
東 山「（あのうそしたらなぜ巨人はAクラスで広島は、ぐはっげほっごふぅ）」←いや、ファンが「うちはいい選手は買うのではなく育てている」と堂々と言える幸せ、ってやつがうらやましいです。
カプ帽「投手陣がよくなってきましたよね」
偽○○「もう安心ですね」
東 山「（安心、は言いすぎでは。このところ雨天中止が多くて週５日しか試合がないので先発が足りてるように見えるだけでは、げふっげふっぜいぜいぜい）←ああすいません、うちはマジ足りません」
カプ帽「来年は優勝でしょう」
偽○○「そうですね」
カプ帽「○○、よく成長してくれましたよ」
偽○○「ただ、７回でくずれるのがどうもねぇ」
カプ帽「それは本人もよくわかっています」
東 山「（キミ北別府かー！？）」
偽○○「あれは私の高校の後輩なんですよ」
カプ帽「ほうほう」
偽○○「一年生のときから見てますけどいい子ですよー。ただ、都会っ子なんで、走り込みをしてないんですよ」
カプ帽「あーなるほどね」
偽○○「だから最近はやってますよ、走り込み」
（試合後に元同僚のプロカープファンＡ（♀）にきいた話では、○○は二軍でほんとに走り込みをして、それが巨人戦での好投につながったそうだ）
カプ帽「あとは高橋建がねぇ」
東 山「（ああっすみません、ご期待に沿えずご迷惑を）」
偽○○「もっと勝てるはずなのに。先発で使ったり押さえにしたり、もっと考えて使ってくれないと」
カプ帽「ねぇ」
偽○○「もうトシなんだから」
東 山「（トシ……。でも、高橋が勝てないのは使い方のせい、という意見はよく目にします。カープファンって選手じしんを責めないんだねぇ…。私も武田を責めるのはやめよう！嘘！！）」
カプ帽「投手といえば、甲子園に出た日南学園の寺原を指名するらしいですよ」
偽○○「どうですかね。どこかが金で囲い込んで逆指名とかさせることになるんでは」
カプ帽「それでもだいじょうぶです」
偽○○「いや、カープは讀賣に行った、ほれ…」
カプ帽「えーと、に、ニオカ」
偽○○「そうニオカ。あのときに金を使いすぎて、もう資金がないんですよ」
カプ帽「いやだいじょうぶです。ありますよ」
東 山「（なぜ請け合うんだ！ 実はマツダ自動車の経営陣ですか！？）」
カプ帽「それに日南学園だから、（日南でキャンプをする）カープには親しみがあるでしょう」
偽○○「そうですね」
カプ帽「やっぱり契約金を積むチームよりも、育ててくれるチームのほうがねぇ」
東 山「（お金くれて育ててくれる中日においで…）」
■２２って？
開門。その足でトイレに直行する女性客数名。
「あれはきっと、ユニに着替えるんだ！」と読んだ東山、勇気を得て自分も高橋Tシャツを着用。
スタンドに向かう。自分には自分の姿が見えないので、恥ずかしさは思っていたほどではない。
すでに席についていた人の声が聞こえる。
「２２って？」「わからん」
うあーっ！ そのリアクションは予想していなかった。
カープ球団公式グッズ「プロ仕様練習用Tシャツ」は背番号だけで名前が入っていないのです。
負けずに最前列へ。さっきのカープ帽のおじさんの声がします。
どうもネット裏に出向き、打撃練習を見る山本浩二監督にあいさつしているようすです。
「広島から来ました！ 来年はぜひ優勝してください」
いや、山本浩二も広島から来てるんだよ、おじさん。
それはそれとして内野席をすばやく観察する。
中日戦のときは内野の金網前は背番号入りの客でいっぱいで、「２２２３９９１３８１１３４２２２２２２１１１３３３３７７４７２３」とクレペリン検査みたいになってたのに（多少誇張しています）、きょうは自分しかいない。ちょっと不安になる。「そのうちほかにも来るだろう」と思ってみたものの、最後まで内野には「偽高橋」しかいなかった…（多少誇張しています）。さっきの偽○○はどこに！
■北別府先生のお稽古
高橋の背番号しょってるぐらいだから、当然高橋を探す。
中日戦のときと同様、投手陣は外野フェンスにそって走ったりストレッチしたりしているので、そのあたりを、デジタルカメラのズーム機能を双眼鏡代わりにして凝視する。
カープに左腕投手は少ないので、あっという間に高橋を発見。
みんなで、北別府コーチに打球をもらい、ピッチャーゴロの処理のお稽古をしているようだ。
全員笑顔だ。高橋は野手出身の割にはフィールディングが下手なので、しっかり稽古してほしい。
かなり遠くだが、ズーム機能を最大にして、何枚か写真を撮る。
■「建ちゃんだわ」「うっちーよ」「さ、行きましょ」
外にあるのでスタンドから丸見えのブルペンで、河内と、えーと小山田だったかな、ふたりの投手が投球練習を始める。
河内の相手をしている松本捕手（たぶんブルペンキャッチャー）は河内に大きな声をかけてやっている。ガンガンおだてる。
そこに小山田だったかな、をおしのけるように高橋登場。こちらは瀬戸が相手をする。
見つめる松原ヘッドコーチと北別府投手コーチ。
高橋のほうは若い河内のようにノセてやるかんじではなく、ひととおりメニューをこなしていく。瀬戸、声ちいさいよう。
筆者の買った席は最前列だったが、ちょうどブルペンキャッチャーの少し後ろである。内野の客は、とくに練習中は、みんな適当に好きな席で見ている。カメラ持ってるんだから筆者もブルペンの近くまで行くつもりだった。だが結局、以下ふたつの理由で、そこを動く気にはなれなかった。
・高橋の投球練習を生で拝めるなんて、もったいなくて写真撮ってる場合ではない
・高橋の背番号をしょって、高橋の写真を撮るというのは、想像以上に恥ずかしかった
筆者の近くに、５０歳前後の小ぎれいなお姉さまがふたりやってくる。
「さあ、応援しましょうね」とご機嫌だ。
ブルペンのふたりに気づき、口々に「あ、建ちゃんだわ」「うっちーよ」。
あー、やっぱり「建ちゃん」てよぶんだ。
お姉さまたち、ここに露骨な高橋ファンがいるんだからさ、高橋トークしてくれないかなぁ。と思った矢先、「行きましょ」とか言って、荷物だけ置いてネット裏に向かって立ち去ってしまわれました。
高橋はたぶん明日登板なので、早々にベンチへ引き上げてました。
しばらくしてまた出てきて、外野のほうでトレーナー？ と立ち話してました（これは写真撮りました）。
頬のひげの剃り残しが黒かったです（笑）。
(20KB)
■おじさん、巡回声援
そこへ、さきほどのカープ帽のおじさん。
松原ヘッドコーチに一生懸命語りかけています。
「カープの投手陣はヤクルトより上です。絶対優勝できる投手陣なんです。がんばってください」
実はこの日、カープはヤクルトに勝利し、ヤクルトのマジック対象チームはカープになりました（笑）何と数字上はカープ自力優勝の可能性が…。
それはともかく、おじさんの言葉に律儀にいちいちうなずく松原さん。いい人ですが疲れないのか。
カープ帽おじさんは、このあと河内を見守る北別府投手コーチにも声をかけていました。
北別府、忙しいので無視。
おじさんはあきらめ、ベンチに向かう黒田に「クロさん！ がんばってください」と声援を送り、その後手すきになったらしい北別府に改めて声をかけていました。
これにておじさんのお仕事もひと段落。
■ショート高橋守備機会１回
そろそろカープの打撃練習も終わりです。ディアスのホームラン連発など見ていると、いつのまにか、内野と外野のあいだにひいてある円弧のあたり、ショートの守備位置に高橋が。
投手がこの位置で守備練習をするのは、よくあることですけどね。
でもその位置、筆者の真正面だったんですよ。間をへだてるのは金網だけ。写真撮り放題ヨロレイヒ、でしたが、前述のと同じ理由で撮れませんでした。
なおショート高橋の守備機会は１回。ま、本職じゃないのでそれなりの動きでしたが、背が高いやつは機敏に動いても機敏に見えないので不利です。
バンチやギャラードはこういうとき楽しそうにしてますが、高橋は楽しかったかな。わたしゃ落合英二じゃないからわからん。
マウンドでもよく唾だか痰だか吐いてますが、このときもためらいもなく吐いて、靴で人工芝にすりこんでいました。きたねー。東出がすべったらどうするんだよ。
これで高橋はあがり。立浪にプレゼントしたいような赤シャツ（ユニの下に着てるやつ）と無帽（立浪みたいな茶髪）で去っていくのは、前回７月に神宮で見たときと同じ。
席に戻ってきたさきほどのお姉さまたちがその姿を「かわいー」「かわいー」と喜んでいました。
■忙しい人たち
そろそろ試合が始まります。
投手陣がいつも使っている、赤い巨大なゴムボールを半分に切ったような謎のトレーニング用具を、中継ぎで成長を見せつつある酒井が、ベンチに運んで行きます。
酒井、大きなペットボトルをいくつも抱えて再登場、ブルペンのベンチに向かいます。
試合は１対２でカープの勝ち、勝ち投手は先発完投の黒田、負けは前田、勝利打点は東出、追加点は野村、ホームランは両チームともナシでした。
話が終わってしまったので、酒井以外に忙しく働いていた人について。
・木村一喜
来年を見据えているカープ、どんどん若手捕手を使います。
で、ヤバくなったら西山に替えればいいのですから、ある意味余裕があってうらやましいです。
西山は確か６回から９回までマスクをかぶりましたが、この間、黒田はノーヒットの投球でした。さすがです西山。
この日のカズヨシは打撃も猛打賞。ただ、西山に替わったあと、ブルペンキャッチャーにまわされていました。
カープの若手に「あがり」という概念はありません。
・東出輝裕
好捕したかと思うとエラー。打撃で取り返したかと思うとまたエラー。
相変わらず忙しい子です。まさか人工芝の一部が湿っていたせいでは…。
例のお姉さまには「ドンマイ、ドンマイ」と励まされていました。
・金本知憲
こちらは新井と忙しく遊んでいました。守りの回の前のキャッチボールで、１球、ブルペンのベンチに投げていました。
■プロの意見
「CARP 22」と大書されたTシャツで嬉しそうにしている筆者を見た同僚のプロカープファンＢ（♂）、
「それ会社にも着てきたら、問題になるでしょうね」
そりゃそうでしょう。
「中日ファンのくせになぜカープなんだ、って」
そっちの問題かい！
そりゃたしかに問題だな！ |
