ＢＢ型日記
2011年９月
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９月25日（日）いいぞ中日球団

さて、22日に、中日ドラゴンズが、落合監督と来年は契約を結ばないこと、後任の監督は高木守道氏であることを発表しました。
こういうのは他社に抜かれたら赤っ恥ですから、マスコミを親会社に持つドラゴンズはぜったい避けなければなりません。現に、スポーツ報知のサイトに、落合辞任をにおわす記述もあったそうで、あぶなかった、あぶなかった。

もし抜かれていたら「球団はかくしていた！」になりますが、自分で発表したので「発表した」になります。なぜこの時期に、という声は起きるでしょうが、そんなのかまっている場合ではありません。あれが、ベストのタイミングでした。
中日球団はとてもうまくやったと思います。
球場には惜別の空気が流れ、当日券の売れ行きはふだんよりもよくなりました。
ちょうど讀賣戦で勝ち越して調子があがっていて、ピークを迎えていたので、発表後のヤクルト４連戦は３勝１敗とすることができました。
非常にいいかんじです。できる、できないはともかく、「監督のために、ここから逆転優勝しよう！」という本物の思いが生まれました。これは後任が決まっているので、感情が落ち着いて「惜別」でまとまるってこともあるでしょう。

去年、優勝はしなかったけど借金を返して大躍進し、ファンを笑顔にした小川監督とヤクルト。いま中日はその状態にあります（優勝はまだ逃していないが）。

わたしは球団の今回の選択もうなづけます。後任が高木守道（70歳、岐阜出身）だってことは、トヨタ不況でシーズンシートを買ってくれなくなった東海地方の社長さんたちのウケを狙っているのは明らかです。東海地方のビジネスとしては、アリです。東京の人なんかに理解されなくても気にするな、といいたいです。
落合監督が成績不振だから変えるのではなく、じゅうぶんやってくれた、まだやれる（健康問題はあるようですが）、だからこそ切ることで、じいさんたちに目を向けさせることができるんです。
次の監督候補やコーチ候補を入閣させての教育役にも、高木さんは適任でしょうね。

さて、予測できたことではありますが、翌朝の朝日新聞には、落合は不人気で首になったという、おなじみの意見というか嘘というか、にもとづいた記事が載っていました。
ほんとめんどくさいですね。この落合批判から終始、球団は落合を守ってやれませんでした。わたしらファンは、どうだったか。とりあえず前職および現職の上司にいるジャイは、思想を矯正しておきました。
わたしのようなにわか中日ファンあがりと違って、野球やスポーツがまじに好きなヤツは三冠王落合をマジふつうに尊敬してるので、意外と話せば通じるのです。

しかし敵は朝日やジャイだけではありませんでした。
中日ファンに、けっこういますね、アンチ落合。いや、アンチ落合がいたっていいですが、事実誤認にもとづいている理由を平気であげるアンチはいやですね。「ファンサービスしない」とか「観客が減ったのは落合のせい」とか。
そして、ほかの中日ファンもみんなアンチ落合だと決めつけているのも非常に気に入らない。落合政権は黄金時代なのに、あいつらのおかげで、ファンが仲間割れする暗黒時代でもあります。

24日の深夜、それを象徴するできごとがありました。TBSラジオのニュース解析もの「ＤＩＧ（ディグ）」という番組で、落合辞任を扱うというから、ほかのメディアで言わないことを言ったり、みんなが感じている素朴な疑問に答えたりするのかと思ったら、朝日新聞に載ってるような無根拠な落合批判の劣化版でした。
具体的には、アンチ落合で知られる「ピカイチ」のおかみさんが出演して、ただ一方的にしゃべっただけでした。
なかには、活躍している選手は星野が育てたもので、落合は運良くそのタイミングで就任しただけだという噴飯ものの発言も…。それ、山田監督の立場は…。
これは手抜きなキャスティングをしたTBSの落ち度でしょうけど、わたしはこれで「ピカイチ」が「アンチ落合が集まるお店」だとわかったので、聴いてよかったです。二度と行かないことにしました。

「観客が減ったのは中日だけじゃない」「不況で減ってるのに監督のせいにするのはおかしい」「ていうか、実はたいして減ってない」などなど、いろいろありますが、ほかの人がもっとじょうずにTwitterやサイトで言ってくれていることとだいたい同じなので、あとひとつだけ。
えーと、わたしはかれを好きでも嫌いでもないです。でも、ものすごーくよい、不世出の監督であり、監督としてはなにひとつ文句をつけるところがありません。ひいき、はありますが、そんなの落合だけじゃない。
なんで文句がないかというと、落合監督は福田もと総理のように（？）、自分を客観的に見ることができていて、努力しているからです。
落合監督はいわゆる天才型なので、他人と認識を共有するには、工夫が必要なのだと思います。だから理詰めで計画し、実行し、そのシナリオを説明することで、自分のようにできない人にも、メッセージを伝えてきました。
メッセージを愛想や情でくるんでいたら、落合のような能力がないわれわれは、真意を知ることはできなかったでしょう。
そのメッセージは、ふつうに新聞に載ってたし、優勝とか区切りのときとか、かれ自身が必要だと思ったときはスピーチのかたちになり、何度も流れました。ただ愛想がないというだけで、したことも、しなかったことにされてしまうんでしょうか。
されてしまうんでしょうね。わたしは中日ファンとして、落合監督をこんな孤独から救えなかったことが悔やまれます。
わたしは粘着質ですから、こういうことがあるとTwitterやこの日記であばれて、監督を助けた気になってますが、そんなことより、ファンは球場でうれしそうに応援したり、勝ったらめちゃくちゃ喜んだり、新聞買ったりすれば、落合監督に喜んでもらえると思いますよ。

いわゆる山井問題のとき、わたしはずっと中継を見ていました。だからあれが非情采配だというのが、的外れであることを、いくらでも説明できます（ていうか、BB型日記に書きました）。見ていてよかった、ほんとによかった。

落合監督には、ちゃんと守ってくれる球団でまた采配をふるい、中日をボコボコにしてほしいです。あ、中日以外をボコボコにしてほしいです。いちばん向いているのは、フロントが大人な讀賣だと思いますが…。