重症度２位●球界の「あるある大辞典」、初のＡクラス
オリックスバファローズ代表　北川博敏内野手
2006年度代表選手　菊地原毅投手（重症度８位、最終順位リーグ５位）
　対策グッズ＝なし
2005年度代表選手　吉川勝成投手（重症度11位、最終順位リーグ４位）
　対策グッズ＝ヨーグルト
2004年度代表選手　金田政彦投手（順位なし、最終順位リーグ６位）
2003年度代表選手　葛城育郎外野手（重症度７位、最終順位リーグ６位）
　対策グッズ＝レンコンをすった特効薬
2002年度代表選手　吉原孝介捕手（重症度11位、最終順位リーグ６位）
　対策グッズ＝てん茶
2001年度代表選手　金田政彦投手（重症度12位、最終順位リーグ４位）
　対策グッズ＝セラミック製の石みたいなもの
症　　状　花水がひどい、寝ていても垂れる、ゴミ箱は花をかんだティッシュでいっぱい
キャリア　昔から長い付き合い
対　　策　知り合いにもらった健康食品
効　　果　薬を飲んでも効かない、健康食品の効果は不明
本人の弁　「 この時期はもう、しゃあないと思ってやってますね」
筆者より　毎年「対策グッズ」を持ち出すオリックス、それが効いているのか代表選手の重症度はごらんのように、いつもかなり低い。
しかし今年の代表、北川はかなり重症のようで、初のＡクラス入りとなった。
知り合いに「健康食品とか」をもらったということだが、そこをもっとkwsk。関西テレビの「あるある大辞典」がなくなってしまった今、「びっくり花粉症対策グッズ情報」はオリックスから得るしかないのだから（そんなことはない） 。

重症度３位●代表の地味化は避けられないが
日本ハムファイターズ代表　伊藤剛投手
2006年度代表選手　金森敬之投手（重症度11位 最終順位リーグ１位、プレーオフ１位、日本一、アジア一）
2005年度代表選手　小田智之内野手（重症度10位、最終順位リーグ５位）
2004年度代表選手　古城茂幸内野手（順位なし、最終順位リーグ３位、プレーオフ３位）
2003年度代表選手　奈良原浩内野手（重症度９位、最終順位リーグ５位）
2002年度代表選手　花増幸二トレーニングコーチ（重症度５位、最終順位リーグ５位）
2001年度成績　竹内昌也投手（重症度同率１位、最終順位リーグ６位）
症　　状　花水がのどに垂れてかゆくなる
キャリア　 高校のときから（現在30歳）
対　　策　注射はドーピングの 関係があるのでできない（昨年の金森と同じ発言）、点鼻薬、ビタミン類など食事に木をつける、ひどい時はシャワーをそのまま花にかけて洗う
効　　果　不明（なし？）
本人の弁　「特にオープン戦とかが大変」
筆者より　2005年からハムの本拠地となった札幌はスギ・ヒノキ花粉の飛散量が本州や九州・四国とは桁違いに少ないため、ハムは二軍（本拠地：千葉県鎌ヶ谷市）経験が豊かな選手を代表にせざるを得ない。地味化は避けられないと思うが、若手や新人、伊藤のようにけがからの本格復帰を目指す選手を紹介できるという側面もある。
そんな大真面目に心配することでもないが。

重症度４位●かなりの花粉症ツウなのになぜ対策を怠る？
福岡ソフトバンクホークス代表　秋山幸二総合コーチ
2006年度代表選手　江川智晃内野手（重症度７位 最終順位リーグ３位 プレーオフ３位）
2005年度代表選手　星野順治投手（重症度２位 最終順位リーグ１位　プレーオフ２位）
2004年度代表選手　稲嶺誉内野手（順位なし 最終順位リーグ１位　プレーオフ２位）
2003年度代表選手　スクルメタ投手（重症度12位　最終順位リーグ１位　日本一）
2002年度代表選手　小久保裕紀内野手（重症度６位　最終順位リーグ３位）
2001年度代表選手　王貞治監督（重症度８位　最終順位リーグ２位）
症　　状　不明
キャリア　 不明（毎年発症しているし、詳しいので、キャリアは長そう）
対　　策　 いつもは特注マスクや薬。今年は花粉の量が少ないときいていたので大丈夫だと思って対策なし
効　　果　実際は大丈夫ではなかった
本人の弁　「 天気が良くなって木々から飛び散った花粉が地面に落ちている時はひどい」「花粉のピークは２月20日前後に来る」
筆者より　秋山はかつて、極端に濃い顔と極端に薄い顔に二分されるホークス選手の「 濃い顔」組の選手会長を長く務めていた。濃いというか整った顔だが。なお昨年濃い顔組の選手会長に任命された鳥越 は引退して二軍のコーチになった。今年からは、26歳とちょっと若いが馬原投手にやってもらう。薄いほうは復帰した小久保が再び会長職に就く。
冗談はともかく、秋山、花粉症に詳しいなあ。でも「グラウンドに大量の花粉が舞っていた」と言っているが、あれはそんなにはっきりと見えるものなのだろうか。

重症度５位●大友に続く本格派アレルギー体質
中日ドラゴンズ代表　中里篤史投手

2006年度代表選手　井上一樹外野手（重症度９位、最終順位リーグ１位）
2005年度代表選手　大友進内野手（重症度２位、最終順位リーグ２位）
2004年度代表選手　岡本真也投手（順位なし、最終順位リーグ１位）
2003年度代表選手　井上一樹外野手（重症度１位、最終順位リーグ２位）
2002年度代表選手　久慈照嘉内野手（重症度２位、最終順位リーグ３位）
2001年度代表選手　立浪和義内野手（重症度９位、最終順位リーグ５位）
症　　状　 くしゃみ。スギだけでなくさまざまな花粉、動物、ハウスダストなどもアレルゲン、スギよりもヒノキに弱く５、６月や秋がきつい、マッサージ中が最悪
キャリア　不明
対　　策　１に我慢、２にトレーナーからもらった薬
効　　果　不明
本人の弁　「ただ、集中しているから試合に影響はありません」
筆者より　 みんなが発症しないという沖縄のキャンプ地でもくしゃみが出る中里。それなりに重症なのだが、中里もドーピング検査を恐れて「うかつに薬も飲めません」と言っている。それでトレーナーに薬をもらうのだね。
この企画において、筆者はトレーナーに薬をもらっている選手に対し、薬は医師の処方で使うようにと説教してきたが、医師よりトレーナーのほうがドーピング対策を配慮してくれるからそれでいいのかもしれない。

重症度６位●なぜ手洗い？
横浜ベイスターズ代表　岸本秀樹投手
2006年度代表選手　堤内健投手（重症度２位、最終順位リーグ６位）
2005年度代表選手　南竜介外野手（重症度１位、最終順位リーグ３位）
2004年度代表選手　加藤武治投手（順位なし、最終順位リーグ６位）
2003年度代表選手　新沼慎二捕手（重症度３位、最終順位リーグ６位）
2002年度代表選手　福盛一夫投手（重症度同率８位、最終順位リーグ６位）
2001年度代表選手　竹下慎太郎投手（重症度同率３位、最終順位リーグ３位）
症　　状　目がおかしい、花が詰まって眠れない、投げた後に花水が出ていることも
キャリア　大学時代（（2001〜2004年？）
対　　策　サングラスと手洗い。薬には頼らない
効　　果　不明（なし？）
本人の弁　「かなりつらいですね」
筆者より　昨年の花水選手、堤内についてひとつ書き漏らしがあったので、まずはその話から。
名前の面白い選手を一定数確保する方針を貫く横浜ベイスターズ。堤内はローマ字表記するとTSUTSUMIUCHI12文字もあり、背中が字だらけという売りを持つ。1993年の入団時には同じ文字数の中野渡（NAKANOWATARI）投手がいたが、今は堤内ひとりでその役割を担っている。どういう役割かよくわからないが。
さて今年の代表・岸本は、症状はつらそうではあるが、投げるときは打者に集中するので投球自体への影響はないとのこと。
それはいいが、対策として手洗いを挙げているのはよくわからない。それは風邪の対策では。どうなのか塚原コンディショニングコーチ（筆者の知り合いの親戚）。

重症度７位●頭脳的に体を張る
東京ヤクルトスワローズ代表　青木宣親外野手
2006年度代表選手　五十嵐亮太投手（重症度３位、最終順位リーグ３位）
2005年度代表選手　五十嵐亮太投手（重症度７位、最終順位リーグ４位）
2004年度代表選手　水谷新太郎守備走塁コーチ（順位なし、最終順位リーグ２位）
2003年度代表選手　杉村繁打撃走塁コーチ（重症度10位、最終順位リーグ４位）
2002年度代表選手　三木肇内野手（重症度３位、最終順位リーグ２位）
2001年度代表選手　伊藤智仁（重症度同率１位、最終順位リーグ１位、日本一）
症　　状　あらゆる症状（花、目、頭痛）花水
キャリア　大学の３年生ぐらいから（2002年ぐらい）
対　　策　注射
効　　果　注射を打っておけば大丈夫
本人の弁　「完全に予防できるものでもないですよね」
筆者より　 夜眠れなくなるため野球に影響すると言っているし、症状もひどいのだが、７位にしたのは注射とうまくつきあっているため。
以前はキャンプ中に打っていたそうだが、早すぎるとよくないとかで、キャンプ中はがまんし、開幕に照準を合わせてキャンプ後に打つことにしたとのこと。
原辰徳に言わせるとそれでは遅いそうだが、それは原は注射のように即効性のある対策をとらないからだろうね。
いずれにしても体が強いからできることで、一般人は真似をしないほうがよさそうだ。

重症度８位●投球時にくしゃみといえば『メイプル戦記』
広島東洋カープ代表　フェルナンデス投手
2006年度代表選手　梅原伸亮投手（重症度６位、最終順位リーグ５位）
2005年度代表選手　丸木唯投手（重症度12位、最終順位リーグ６位）
2004年度代表選手　東出輝裕内野手（順位なし、最終順位リーグ５位）
2003年度代表選手　東出輝裕内野手（重症度同率２位、最終順位リーグ５位）
2002年度代表選手　東出輝裕内野手（重症度同率８位、最終順位リーグ５位）
2001年度代表選手　山内泰幸投手（重症度10位、最終順位リーグ４位）
症　　状　くしゃみ
キャリア　不明
対　　策　不明
効　　果　不明
本人の弁　「目立った症状も出ずに、無事にキャンプを終えられた。ベリーグッドだ」
筆者より　 監督がブラウンになって以来、何かとネタに走るカープ。ナックルボールとメタボリック症候群っぽい体型をネタとして持つフェルナンデスは、米国では花粉症に悩まされていたという。日本でも日南は花粉がひどいと聞いて心配したそうだ。取材時点では思ったほどではなかったと安堵しているがそのあとどうなったかな。
それだけ花粉症を恐れているわりに、投球に影響するかどうかは「う〜ん、よく分からないけど、マウンドで突然くしゃみが出たら困っちゃうよね」とのんきだが、そういえばこれだけ花粉症選手がいるのに、試合中にくしゃみをしているのを見たことがない。花を拭いてるヤツはたまに見るが。すごいなプロって。

重症度９位●バイトでアレルギー
千葉ロッテマリーンズ代表　今江敏晃内野手
2006年度代表選手　西村徳文コーチ（重症度９位　最終順位リーグ４位）
2005年度代表選手　渡辺俊介投手（重症度９位　交流戦１位、最終順位リーグ２位、プレーオフ１位、日本一、アジア１）
2004年度代表選手　渡辺俊介投手（順位なし　最終順位リーグ４位）
2003年度代表選手　井上純外野手（重症度８位　最終順位リーグ４位）
2002年度代表選手　佐藤兼伊知コーチ（重症度１位　最終順位リーグ４位）
2001年度代表選手　酒井忠晴内野手（重症度同率３位　最終順位リーグ５位）
症　　状　 花水がやばい、夜は目がかゆいがそれが幸いしてかよく眠れる
キャリア　 ３年前の鹿児島キャンプから
対　　策　薬を持ってきているがそんなに飲んでいない
効　　果　 不明（今年は例年より症状がかなりマシ）
本人の弁　「今年の第１段階はクリアって感じ」
筆者より　症状は九州にいるあいだの「第１段階」がひどく、千葉に戻るころにはおさまっているため、これを何とか乗り切って「本業の野球に集中したい」そうだ。本業が野球で、副業として花粉症をやっているような言い方だが、確かにアレルギーと毎日四六時中つきあっていると、本業のかたわらお勤めを果たしている気分になる。

重症度10位●新人特有の勘違い
東北楽天ゴールデンイーグルス代表　 銀次捕手
2006年度代表選手　鉄平外野手（重症度12位、最終順位リーグ６位）
2005年度代表選手　小池秀郎投手（重症度８位、最終順位リーグ６位）
症　　状　花水、目がしょぼしょぼ、集中力が途切れる
キャリア　 去年から
対　　策　 なし
効　　果　 今年は体調がよく、花粉症にならないような気がする、根拠はないが自信がある
本人の弁　「 プロ初めてのシーズンは（中略）花粉症という強敵に阻まれたという感じ」
筆者より　 鉄平の次は銀次が代表になった金属つながりの楽天だが、実は銀次の姓は2006年には宇部、2007年には赤見内に変わった。昨年の入団時に下の名前で登録したのは、このことが予測されたためかもしれない。
しかし奈良原浩あたりもそうだったが、キャリアの浅い患者はすぐ治ったと思い込むんだよなあ。西武で花水選手代表になった広橋二軍打撃コーチによく教わって、気をつけるように。

重症度11位●選手には出せないキャリア20年の臭み
讀賣ジャイアンツ代表　原辰徳監督
2006年度代表選手　村田善則捕手（重症度４位　最終順位リーグ４位）
2005年度代表選手　村田善則捕手（重症度２位　最終順位リーグ５位）
2004年度代表選手　村田善則捕手（順位なし　最終順位リーグ３位）
2003年度代表選手　村田善則捕手（重症度６位　最終順位リーグ３位）
2002年度代表選手　入来祐作投手（重症度同率６位　最終順位リーグ１位　日本一）
2001年度代表選手　松井秀喜外野手（重症度７位　最終順位リーグ２位）
症　　状　不明
キャリア　20年以上前、まだ「花粉症」という名前も一般的ではなかったころから
対　　策　乳酸菌の飲み物や錠剤
効　　果　効いた。今年はほとんど症状が出ていない
本人の弁　「注射は最終手段」 「症状が出てからでは手遅れ」「花粉に対する免疫力の "器" を大きくしておくことが大事」「春に向け、11月くらいから対策をしておかないと」
筆者より　コーチ時代から鼻孔を広げるテープなどで花粉症であることをアピールしてきた原だが、さすが20年のキャリアを誇るだけのことはあり、説教がましい雰囲気で語るわ語るわ。器のたとえは微妙に間違っているが。
わたしは原と年齢が近いうえに、花粉症歴も15年ぐらいあるので、彼みたいにならないように気をつけようと思いました。←「花水選手名鑑」こそ説教がましい雰囲気で花粉症を語っているように見えるが違うのか？＞自分。
ところで今年も週刊文春が、2001年の代表選手、松井秀喜の花粉症について報道してくれた。
ヤンキースのキャンプ地や球場にも花粉は飛んでいるが、少し花水や目のかゆみがあるだけで、これまでのようにひどくないそうだ。へぇー。どうしたんだろう。帰国中にオリックスの人に何か教わったのかな。
で、松井もまたドーピングに引っかかると「ヤバいから」飲み薬は使わず、目薬と、花に塗る薬だけを使っているんだと。

重症度12位●今年もスタッフが選手をかばう
西武ライオンズ代表　大迫幸一トレーニングコーチ
2006年度代表選手　野田博輔捕手（重症度１位、最終順位リーグ２位、プレーオフ２位）
2005年度代表選手　小野寺力外野手（ママ）（重症度６位、最終順位リーグ３位、プレーオフ３位）
2004年度代表選手　小野寺力投手（順位なし、最終順位リーグ２位、プレーオフ１位、日本一）
2003年度代表選手　大井久士（チームスタッフ）（重症度11位、最終順位リーグ２位）
2002年度代表選手　田辺徳雄コーチ（重症度８位、最終順位リーグ１位）
2001年度代表選手　広橋公寿コーチ（重症度同率３位、最終順位リーグ２位）
症　　状　不明
キャリア　不明（かかる年とかからない年がある）
対　　策　自然に任せている
効　　果　いずれにしてもそれほど重くはならない
本人の弁　「人がつらそうなのを見ても、その苦しみは分からない」
筆者より　日本を代表する花粉症選手・松坂大輔 は、一度も代表にならないままついに米国に行ってしまった。
西武はここに選手以外の人を送り込むことが多いのだが、今回も４年ぶりにコーチの登場だ。「この時期（いつ？）くらいから花粉症に苦しむ選手が毎年、何人も出てくる」と大迫も言っているのだが、トレーニングコーチだからこそ、選手の体調に関することが取りざたされないよう、かばってやりたいと思うのだろう。 体が資本なんだものね、病気ネタを面白おかしく言われたくないよね。と、７年間も面白おかしくしているわたしが言うのもおかしな話だが。
というより、最終的な人選は週刊ベースボールの記者がやってるんだろうけどさ。