もう説明の必要もないほど有名で、嫁や息子の名前まで一般に知れ渡っている落合博満現中日ドラゴンズ監督であるが。彼にも兄がいる。

落合監督は秋田県の出身で、お兄さんは今も秋田に住んでいる。
名古屋まではそうそう試合を見に行くことはできないだろうが、秋田こまちスタジアムのスタンドには姿を見せてくれたそうだ。

落合監督はその秋田こまちスタジアムでは、監督就任以来無敗。2004年には２連勝し、２度目のリーグ優勝を達成した2006年にも９月12日に、弱い讀賣相手とはいえ圧勝することができた。

中日 003 001 402｜10
讀賣 000 200 000｜ 2

勝投手：中田（６勝３敗１Ｓ）
敗投手：パウエル（９勝10敗）
本塁打：D井上（９号、10号）

監督のお兄さんが秋田こまちスタジアムに、といえば、落合監督の前の、山田久志監督時代にもそんなことがあった。
2003年６月21日、同球場のこけら落としとなった広島対中日戦で、中継番組でスタンドに座るお兄さんの厳しい表情が映し出されたときは「監督が試合前に私服でスタンドにお忍びで座ってる映像をインサートしてるのか？」と思った。そっくりなのだ。
もう関係者全員に「スタンドに山田監督のお兄さんが見に来ている」とわかったと思う。
そのアニキの目の前で山田ドラゴンズは３対６でマケてしまった。翌日も３対６でマケてしまった。
しかし落合は違う。秋田こまちスタジアムでは、監督就任以来無敗なのだ（それはさっきも聞いた）。

そんな無敵に見える落合監督だが、実は試合後にこんなコメントをしている（中日スポーツ2006年９月13日１面）。

「秋田で勝ててよかったよ」

天下の三冠王（しかも三回）、優勝請負人、落合博満記念館にはブロンズ像もある落合監督にしてこのコメントである。 さぞかしプレッシャーがあったのだろう。
ほかに「緊張した」というコメントをどこかで見たという証言もあり、兄がスタンドにいる試合の難しさを如実に示しているといっても過言ではないという考え方もあるいはできるのではないか。

2006/11/19