球界　兄貴風
ANIKI-KAZE

case 1.2
新井良太の兄

新井良太：1983生。中日ドラゴンズ(2006〜）
兄・新井貴浩：1977生。広島東洋カープ（1999〜）

オフの新井兄弟を見てみよう。
兄→弟「まだまだ甘い。ボクが見るに、まだ目が座ってない。泳ぎまくってる（2006年12月31日 東京中日スポーツ）」とマスコミを通してダメ出し。
弟→兄（ラスベガスの優勝旅行でもトレーニングをする理由として）「僕の場合、兄貴を見ていますから。オフだからってのんびりしていて、次の年に成績が落ちたこともありましたからね（2007年12月６日 東京中日スポーツ）」とマスコミを通して逆襲。

新井兄は、弟に直接は何も言わない、とマスコミを通して宣言している。 広島で同じ「アスリート」で自主トレしているのだが、少なくともマスコミの前ではアイコンタクトをする程度。
しかし、おたがいに意識しあい、じっくりと見つめあっているようすがよくわかる。

ところで、中日スポーツの読者は新井兄が弟を語るのを、しばしば読むことができるが、デイリーの広島版や中国新聞の読者はどうなのだろう。カープファンにとり「弟を語る新井」はニュースバリューがあるのだろうか。
新井貴浩の「兄貴の顔」を見てみたい人は、ときどき中スポサイトをのぞいてみてほしい。と、ここで言って何の効力があるのかわからないが。

さて、シーズン中にはこんな光景も見られた。
2006年９月10日の広島市民球場、奇しくもカープの雑学王・田中敬人がスタンドで豪華ボードを掲げる兄貴のプレッシャーに負け、力を発揮できなかったその日のことである。

イニングのあいまに広島のテレビ局のカメラが、面白がってベンチの新井良太の姿を抜く。中継は「良太くん」よばわり。 お前の弟か？
新井兄の「同じタイプなんです。がむしゃらにやるタイプです」というコメントが流される。
まだ一軍経験も少ないのに、臆することなく声を出す新井良太。
７回表に投手の代打で良太の出番が来た。サードを守るのは新井貴浩。ていうか、この日ブラウンは、捕手に井生を起用するというネタをやっているのだが、兄弟対決（？）の前では陰が薄くなってしまった…。

兄、厳しい表情で直立している。目が座っているのはさすがである。
良太、ボール、ファウル、ボール、ライト前ヒット！
ファーストベース上で、サードのほうを見ないようにする良太。って、ふつう特に見ませんけどね。
かわりにカメラが、いつもより凛々しさ２割アップの兄の顔を抜く。

続いて荒木、バント成功。カープには難しいような、変なところに転がした。これをさらに井端がバントで送り、良太はサードに！
お互いに知らん顔をする兄弟。良太は高代コーチと話をしている。
このあとは福留が敬遠され、ウッズのタイムリーで良太はホームインした。兄貴の前でヒットを飛ばしてホームも踏み、みごと田中敬人越えを達成！ （田中はもう許してやれ＞私）

ところで良太は「体重が減りやすい」のだそうだ。プロ野球選手としては克服するべきことらしい。いっぽう、兄貴は明らかに増えやすいタイプだな。まあ、23歳と29歳という年齢差のせいかもしれないが。

2007/1/14