●山田監督を惜しむ

偽南渕：こうして見るとドラゴンズ、勝つときは無駄な大量得点が多いねぇ。

偽仁志：春には得失点差がマイナスで、しかもその値が試合数より多いありさまだった中日さん、気づいてみると得点のほうが失点より多い状態でシーズンを終えましたが、そうか、無駄な大量得点のせいだったか。

偽南渕：マケるときは僅差が多い。点数だけ見ると、そう悪くないかのように見えるね。

偽仁志：対戦成績も、広島東洋カープ様に12勝16敗と負け越したほかは、阪神と横浜に勝ち越し、ヤクルトと讀賣とはタイ。全体で73勝66敗１分と、数字だけ見ると、まるで善戦したかのようだね。問題だらけで、結局４番も事実上不在だったくせにさ。

偽南渕：まる１ヶ月以上更新しないでいたら、ずいぶんいろんなことが起きたな。

偽仁志：山田解任のときは、どうよって会社とかで言われなかった？

偽南渕：言われなかった。

偽仁志：…。

偽南渕：にわかファンあがりのキミなんかにそんな質問する人いるの。

偽仁志：讀賣ファンが質問してきた。

偽南渕：で？　どう答えたの。

偽仁志：「５連敗で５位だからいいタイミングだよね、山田クビにするところからしか立て直しようがないでしょ、もう雰囲気ぐちゃぐちゃだもん、だからようやく動きだしたかってかんじだよ」

偽南渕：その人、キミを心配して質問してるんだろうに、そんな大人気ない回答でいいのか。

偽仁志：こっちのほうが心配になったよ。だってその讀賣ファン、「オレ山田好きだったんだよう」って言うし。なので「私も好きだし期待してたけど今の中日の監督には向いてなかったね」となぐさめたら、すごくさびしそうだった。

偽南渕：それのどこがなぐさめ！　せっかく話を振ってくれた人に対して冷たいよ。

偽仁志：よほどさびしかったらしくて、前に名古屋市内の会社に勤めていたというだけの、野球に全然興味のない女性編集者にまで「山田の解任、どうよ」ときいて「山田ってだれですか」言われてたよ。

偽南渕：かわいそうに。

偽仁志：山田久志のファンだったのにと言って来た人はほかにもいて、これも別に中日ファンじゃなくて、むしろ原辰徳ファンの女性。

偽南渕：だから、みんなキミにサービスしてくれてるんだってば。

偽仁志：でもその人も、こっちのほうが心配になったよ。だってその数日後には、去年日本一になった原が辞任したもんね。中日ファンの心配してる場合じゃないつーの、あははは。

偽南渕：笑うかねぇ。

偽仁志：一番多かった声は「山田久志って中日の監督してたんだ」ですけどね。次が「山田久志って中日（の選手経験のある人）だったっけ」。

●若者の成長を喜ぶ

偽南渕：しかし佐々木監督代行になってからの中日は強かったね。山田久志の重石がとれるとこんなに違うのか。

偽仁志：そのまま佐々木監督で行けばいいのに。

偽南渕：それはダメだね。佐々木は失敗しても責任とらなくてよくて気楽だから選手たちものびのびやれたんだろ。

偽仁志：采配にとくに違いがあるとも思えなかったけど。

偽南渕：そりゃキミにはわからないだろうけど、ベンチの雰囲気とか、全然違ったと思うよ。

偽仁志：対阪神タイガース勝ち越しは嬉しかったねぇ。

偽南渕：キミはそうだろうね。

偽仁志：うちが阪神に勝ち始めたのは、阪神がとっくに独走態勢に入ってからだから、意味ないけどね。

偽南渕：阪神、気にしてないだろうなー。

偽仁志：絶対してないねー。

偽南渕：中日も別に糧になるとも思えないし。

偽仁志：ならないねー。でも勝ち越し決めた試合、筒井壮は嬉しかったみたいだよ。

偽南渕：筒井が勝ち越しの３ランだったんだって？

偽仁志：その前に筒井のボーンヘッドっぽい牽制アウトで得点機を逃して延長になったんだよ。その筒井のバットで勝ったから、もうにこにこでお立ち台。

偽南渕：筒井っていつも明るいよなぁ。あの底抜けの明るさ がどこから来るのかが、イマイチよくわからない。中日にとって他にはいない、ある意味貴重なキャラだね。

偽仁志：星野監督の甥という微妙な立場なのにね。しかもヒーローインタビューでは叔父さんをこらしめることができてとか何とか。

偽南渕：「こらしめる」って言ったのかよ…いかに星野に可愛がられているかがわかるね。よほど立場が安泰でないとそんなこと言えないね。


偽仁志：マケ試合の話しなきゃ。

偽南渕：でも山田解任からこっち、１ヶ月に５試合しかマケないんだもん。

偽仁志：後半は雨中止分のやり直しだけだから、飛び飛びになったせいもあるでしょう。

偽南渕：10月には横浜と５連戦になっちゃったねぇ。

偽仁志：４日はブラックシャドウズのメンバーがたくさん行ったみたいですが。

偽南渕：彼らと彼女らの活躍で、きっちりマケてたみたいだよ。森野のエラーも久しぶりに出たし。

偽仁志：４日って川村対野口でしょ。川村が先発の日は、こっちは左腕投手出さないほうがいいのに…。川村って実は打席では左キラーなんだよ。

偽南渕：マジ？

偽仁志：野口、０−１でおさえていたのに６回裏、左殺しの川村に打たれてチャンスを作られ、そこから種田のタイムリーで１対１の同点になったでしょ。

偽南渕：まあ、決めたのはそれがプロ入り初となった、吉村の本塁打だけどね。 オレは、そのシーンをテレビ中継でしっかりと見てたんだけど…。

偽仁志：翌日５日はマケるかと思ったけど、ベイのストッパー殺しの大西のヒットを手がかりに、加藤を攻めて９回表に５点もとって逆転勝ちだ。

偽南渕：５日は、ベイがギャラードを帰国させちゃったあとだからね。

偽仁志：そうかー。ギャラードさえいえば、中日に逆転されるわけないのに。

偽南渕：まあベイとしては、今さら中日に勝ってもしょうがないし。それより加藤を育てたほうがいいんでしょ。

偽仁志：来年、ちょっと心配だなぁ。ダブルストッパーなんてうまくいかないじゃん。ギャラード、中日のときのようなことがないといいけど。

●昔の名前とは言わせない

偽仁志：しかし監督なかなか決まらないんで、来年のカレンダーどうするのかとヒヤヒヤしたよ。

偽南渕：表紙だもんね、監督。俺はもう表紙はシャオロンでいいと腹をくくったよ。

偽仁志：ていうか、中日のカレンダーだからって無理に選手載せなくていいよ。

この対談の時点でまだ中日の順位は決まっていなかった。
そして10月13日、今年も16勝12敗と中日キラーだった広島東洋カープ様が本拠地最終戦で無駄にヤクルトをくだし、中日の２位を確定させてくださった。

そのカープ様は中日を押し上げながら、ご自身は５位に終わった。カープ様は阪神タイガースの優勝決定時点で唯一、順位にこだわる価値のあるチームだった。どうせ阪神に独走されたんだから何位でもエラソに言えない中日、ヤクルト、讀賣と違い、カープ様にとってＡクラス、あるいは２位の可能性が終盤に残っているなんて、ほんとうに久しぶりのことだったのだ。
だがその後、日本シリーズまでに雨天中止分の試合をこなさなければならないため、地元９連戦、いわば「死のホーム」を戦わねばならず、２勤１休や１勤２休ペースで来る敵どもにマケまくり、むなしく５位に終わったのだ。

中日はカープ様にいただいた２位をありがたく受け止めるように。

（2003/10/13）

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